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P/Lは見解、B/Sは現実

会社経営は、現金にはじまり、現金に終わる

多くの社長は「売上を伸ばせば会社は成長する」と思っています。だから売上高や営業利益、経常利益といったP/L(損益計算書)の数字ばかり気にかけます。決算書を見るときも、P/Lは詳細に見ても、B/S(貸借対照表)の数字はいい加減に見ている。計画を立てる時もP/Lしか見ない。

でも売上が増えているのに経営が苦しいという経験、したことありませんか。実は私自身、会社を作ったばかりのときに、そういう経験をしたことがあります。「利益」が出たからといって、お金(現金)があるとは限らないからです。

P/Lの数字は「見解」に過ぎません。「50円」で仕入れたものを「100円」で売れば「50円」儲かります。でもその50円が売掛金になっていれば、現金はない。現金がなければ社員に給料を払えなし、支払いもできない、銀行借入の返済も出来ない。だから「利益」は「見解」に過ぎません。

一方、B/Sの数字は「現実」です。「現実」とは「現金」のこと。会社経営は、現金にはじまり、現金に終わる。人は血液が回らないと死んでしまいますが、会社も現金が回らなくなると倒産します。P/Lでは黒字になっていても、資金繰りができなれば会社は窮地に立たされます。2008年のリーマンショックのときに倒産した上場企業のうち、実に3分の2は、「黒字倒産」でした。儲かっているのになぜ倒産するのか。答えは簡単。現金が足りないからです。

なぜ現金がたりないことにもっと早く気がつかないのか。実はP/L上には現金に関する勘定項目がひとつもない。手元の現金がいくらあるのかを知るにはB/Sをみなければなりません。

撤退したあかり事業部。撤退した理由のひとつは、粗利益率の低下。それまで35%あった粗利益率が25%になり、投資資金の回収が遅くなりました。回収サイトが長かったことも資金繰りを圧迫しました。売掛金が増えると現金化に時間がかかる。

ある小売チェーンの社長は、キャッシュフローをよくするために、テナントとして出店するショッピングセンターに対し、「保証金」を返してもらおう。今の時勢なら半分くらい返ってくるのではと考えています。

店舗商売は立地が大切で、家賃が安いからという理由だけで出店先を選ぶことはありません。むしろ、家賃はある程度、高くてもいい。ただし、デベロッパーや大家さんに売上の変化を見せて、少し強力してもらえませんか?と交渉してもいいでしょう。この社長はそう言いいます。このような対策を思いついたのは、B/Sを見るようになってからです。

決算書は数字の遊びではない

できるだけ安くという言い方は曖昧でわかりにくい。根性論だけでは社員も働いてくれない。でも今は30万円安くしてもこの仕事を取れと具体的に指示できるようになった。社員も働きやすくなったのではないでしょうか。

1000万円儲けるためには、どのような行動を積み重ねていけばいいかを考える経営でなければ利益を出し続け得ることはできません。たまたま結果として1000万円儲かったというようなことでは利益を出し続けることはできない。

P/Lの世界とB/Sの世界

日常の損益の計算と、現実的なお金のやりくりを一緒に考えてはいけません。社長と社員が協力して力を合わせた結果の数字である売上や利益などを正しく計算するのはP/Lです。けれども、お金をどのように調達し、どのように使ったかというお金の動きを示しているのは、B/Sです。

社員が仕事をするのは、P/Lの世界で、25日に給料を支払うのは、B/Sの世界です。

P/Lは社員が関わっていてB/Sは銀行が関わっている。そう考えるとわかりやすいかもしれません。

売上があって売掛金になるのか現金か、仕入をしたら、現金で買ったのか、買掛金なのか、人とモノがどのように動き、それにともなって「お金がどのように動いたのか」を把握していければ、たとえ赤字であっても、倒産を免れることができます。

B/Sの意味を理解し、現金(あるいは現金化しやすい資産)を増やしていけば黒字倒産は防げます。

P/L

1年間の業績をまとめて、「いくら儲かったか」「いくら損したか」を知るための決算書。いくら売上があっていくら経費をつかって、最終的にいくら利益(損失)が出たのかをまとめている。

B/S

決算日現在の「会社の財産状況」をまとめた表。資本金や利益剰余金がいくらあって、いくらお金を借りていて、どのように運用されているかを示している。

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