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環境整備が成功する9つの原理原則

目次

環境整備を成功させるための原理原則とは

環境整備を定着させ、利益を得るには、経営の原理原則を知っているかどうかが鍵となります。

原理原則とは、認識や行動の基本法則を指します。原理原則を知っているか、知らないかで、環境整備に対する理解と、その後の定着具合が大きく変わってくるのです。

環境整備を成功させるために知っておいていただきたい、9つの原理原則をお話しします。

1. 今の自分に起きていることはすべて自分の決定から生まれている

1つ目の原理原則は、成功も失敗も「今の自分に起きていることは、100%自分の決定」です。

人はしばしば自らの境遇に不満を持ちます。人間は都合のいい動物で、成功は自分のせい、失敗は他人のせいにしたがります。

しかし、今の自分を決めるのは、他ならぬ「自分」以外にはありえません。

成功も失敗も今の自分に起きていることは、100%自分の決定で起きたことなのです。

困った状況に直面したとき、この「原理原則」がわかっているかどうかで、次の行動は大きく違ってきます。現状が100%自分の決定で起きているのなら、解決は簡単です。自分が変わればいいのです。

社長が社員を変えることはできないし、社員が会社を変えることはできません。ましてや、お客様を変えることは不可能です。

しかし、変える対象が自分となればどうでしょう?明日から、いや、今この瞬間から変えることができます。それまで自分のやってきたことの結果が、「売上を伸ばせない」という事実になっているのならば、やっていることをすべて真逆にすれば好転するはずです。

変えるのは、どんなに小さなことでも構いません。髪形やファッションといった、仕事に直結しないようなことでもいいのです。どんなに些細なことでも「あ、あいつは変わったな」と周囲からわかるようになれば、おのずと流れは変わっていきます。

起きてしまったことは、仕方がないことです。それを好転させ、自分の生き方を好転させていくためにも、「今の自分に起きていることは、100%自分の意思決定」という原理原則を忘れてはいけないのです。

2. ご縁の自覚を持っているか

ここで確認しておきたいのは、経営者はもちろん、幹部であれ、あるいは一般社員であれ、その会社を選んだのは他ならぬ自分自身だということです。

現在の日本には、大企業から零細企業まで含めると約300万社があると言われています。その膨大な数の中から、あなたはご自身で今の会社を選びました。

脅迫されたり催眠術をかけられたりして、自分の意思に反して入社された方がいるでしょうか。いないはずです。縁故でも、後継者でも、自分の意思でその会社に入ることを決めています。

それだけではありません。確かにあなたは今の会社を「選んだ」のですが、もう1つの事実があります。会社もあなたを「選んで」くれたということです。

おのれの選択は自分でいかようにもできますが、相手の意思を操ることは不可能です。相手に任せるしかありません。つまり、双方が選び合って今の自分があるわけです。

これは、大変な「ご縁」で結ばれていると言えるでしょう。この「事実」を忘れてしまうと、さまざまなことが悪いように、悪いように感じられていきます。

会社を興したばかりの頃、入社したばかりの頃は、誰もが会社との「ご縁」を意識しています。起業して、初めて社員を雇用したときのことを思い出してください。社員を大切にし、一緒に頑張っていこうと思ったでしょう。

フレッシュマンだったときのことを思い出してください。先輩や同僚の言葉を素直に聞き入れることができていたでしょう。それは、あなたが「ご縁」を意識していた何よりの証拠です。では、現在はいかがでしょうか。

ことあるごとに、「あいつは働かない」「うちの部下はどうして駄目なんだ」「あの先輩はうるさい」と、さまざまな不満を持つようになってはいないでしょうか。

もし「そのように思っているな」と自覚のある方は、もう一度事実を振り返ってみてください。300万社とも言われる中から、自分の意思決定で今の会社を選んだ、という「事実」です。誰に強制されたわけでもありません。口うるさい先輩も、働かない社員や部下も、元をたどれば、今の会社を選んだ自分の選択に由来しています。そして、会社も、あなたを選んでくれました。300万社分の1と、1億人分の1のご縁が、あなたと会社のつながりなのです。

3. 誕生日とは、感謝の日

環境整備の目的の1つは、高い志を実現するために心の重心を低くすることです。心の重心が低い人は、感謝の気持ちを持っています。

まずは、身近な両親から感謝を始めましょう。3つ目の原理原則は、「両親・先祖へ感謝する」です。私たちは、親のおかげで食事をし、服を着て、学校に行くことができ、社会人としての今があります。

つまり、親がお金を払ってくれなかったら、現在の自分の生活はない。親とはそれほど重い存在です。さらに重大な事実があります。それは、両親がいてくれたおかげで私たちは命を授かったということです。両親がいなかったら、今、自分そのものが存在していません。

私たちがこの世でスタートを切った日を「誕生日」といいます。周りに祝福されて、普段は目にしないご馳走を食べたり、プレゼントをもらったり、楽しく過ごす日です。

しかし、考えてみてください。おいしい物を食べたり飲んだりできるのも、すべては自分が誕生したからです。そして、ここに存在しているのは両親のおかげです。両親がいてくれたからこそ、現在の自分があるのです。ここで提案です。誕生日を、「両親への感謝日」にしてはいかがでしょうか。

「父の日」「母の日」はそれぞれあっても、なぜか「両親の日」はありません。父母の両方がいてこその自分です。自分のスタートとなった誕生日を「両親への感謝日」と考えるのはごく自然なことではないでしょうか。年に1度の自分の誕生日に、両親への感謝の思いを表せばいいのです。その日が自分の出発の日、ご縁の原点の日、感謝の原点の日です。しかも自分の誕生日なら忘れることはありません。

たった年に1度の感謝でも、10年たてば10回になります。何もしない人はゼロです。この差はまず縮まりません。感謝の思いを口に出したり、文字にしたりして気分が悪い人はいないと思います。

いい気分を味わえたら、日頃から自然に感謝の気持ちを持てるようになります。いつの間にか感謝は年に1度ではなくなっています。つまり、感謝しない人との差は加速度的に広がっていくのです。

まずは自分の誕生日を両親への感謝日にするところから始めてみましょう。今の自分があるのは、両親のおかげだと述べました。さて、両親は誰のおかげで存在できるのでしょうか。その両親です。両親の両親、すなわち祖父母は4人います。さらに、その両親は8人。たった3代前で8人もの存在があります。計算をどんどん続けると、10代前には実に1024人になります。そこまでさかのぼる過程の人数を9代前512人、8代前256人……と足していくと合計2046人に達します。つまり、今の私たちが健康で、飲んだり、食べたりできるのは、過去に2046人の方がいてくれたおかげなのです。10代もさかのぼる必要はないでしょうか?しかし1世代を30年とすると、今から10代前は300年前。江戸時代の中頃にあたります。想像もできない大昔というわけではありません。大切なのは10代さかのぼる、さかのぼらないではなく、感謝の幅を広げるということです。そうすれば日常生活の中でつながっている方にも、自然と同じ感謝の気持ちが持てるようになります。たとえ幼少時にご両親と死に別れたために「感謝などしようもない」という方も、「顔を知っている人だけに支えられているわけではない」と思い至ることができるようになります。まずは両親への感謝から始めてください。そして、それが自然にできるようになったら、感謝の気持ちを先祖へ、周囲の人へと広げればいいのです。

4. 社会人は誰からお金をいただいているか

4つ目の原理原則に入る前に、学生と社会人の違いを確認しておきたいと思います。学生と社会人は根本的に何が違うのでしょうか。まず、学生と社会人の本質的な違いを考えるために、両者の共通点を確認しておきましょう。学生と社会人との共通点は「勉強」です。学生の仕事は勉強です。社会人も毎日が勉強です。勉強は両者の共通点です。

ただし、「勉強」というキーワードは同じでも、両者には決定的な違いがあります。それは、「お金」です。学生はお金を払って勉強しています。社会人はお金をもらって勉強しています。つまり、学生と社会人の根本的な違いは「報酬が発生するか否か」なのです。

学生時代にお金を払ってくれたのは、親、またはそれにあたる方です。むろん義務教育は無償ですが、その間の教育コストは税金という形で、やはり親が間接的に払っています。私たちは、学生時代に親がお金を払ってくれたおかげで学校に通えました。学校では先生から勉強を教えていただきました。学生時代、親の顔を見て「この人のおかげで学校に行けるのだ」と、先生の顔を見て「この方のおかげで、勉強でき成長できるのだ」と意識できた人はおそらく稀ではないかと思います。ですから、平気で授業をエスケープしたり怠けたりします。私自身もそうでした。このようにお金に対する意識が希薄なまま、社会人になって初任給をもらっても、「お金をもらったのだ」という実感は湧きません。やがて毎月の給料にも慣れると、「少ない」「減った」と不満だらけになっていきます。学生と社会人の違い――すなわち「お金」を意識しないままでいると、このような不幸な状態に陥ってしまいます。さて、社会人が、お金をいただいて勉強しているとお話ししました。人からいただいたものは、粗末にしてはいけません。同時に、それをくださった方に感謝すべきです。では、いったい社会人は誰からお金をいただいているのでしょうか?

私は、これまでセミナーや講演で、この質問を約4万人の方にしてきました。そうすると、およそ8割の方が「社長」か「会社」とお答えになります。皆さん、そろって「何を当たり前のことを訊くんだ」と訝しげな顔をされます。それだけ、「お金は社長(会社)がくれるもの」という観念が根強く頭にこびりついているということでしょう。もし、あなたも同じようにお考えでしたら、ぜひここで考えを改めてください。お金をくださるのは社長でも会社でも、まして経理部長でも銀行でもありません。では、誰がお金をくださるのか?お客様です。「大切なお金を誰からいただいているのか」を知らないでいては、社会人として失格です。学生時代にお金を払ってくれていた保護者、社会人としての自分にお金を払ってくれるお客様、人間はそのような大恩人ともいうべき存在を忘れてしまう傾向にあるようです。毎日の生活がつつがなく送れることが当たり前になってしまい、その大前提となっている事実を忘れてしまうのです。▼原理原則④社会人にお金をくださる大恩人は、お客様だという厳然たる事実を自覚する

5. 「現実」「現場」「現物」の三現を重視する

5つ目の原理原則は、「現実」「現場」現物」の三現を重視することです。社会人はお客様からお金をもらっています。ところが、多くの社会人はそれを忘れてしまいます。それは、現場を見ていないからです。

会社によってさまざまでしょうが、一般的には職階が上がるほど、人は現場から離れていきます。それにつれてご縁の意識が薄まり、素直な心も磨滅していきます。すると、社会人としての自分が、誰からお金をいただいているのかがわからなくなっていきます。

ですから私のセミナーでも、現場でお客様と触れ合っている方は、実にあっさりと「お客様から給料をいただいています」とお答えになります。実際に毎日お客様からお金を払っていただき、「ありがとうございます」と頭を下げていれば、「社長」「会社」などという答えが出るはずがないのです。

ですから、お客様からお金を払っていただいている、という事実を教えるには、現場を見せるのが最良の手段です。お客様が商品をお選びになって、レジやカウンターに持ってきます。包装が終わるとお客様は財布からお金という「現物」を取り出して渡してくれます。これほど生々しい「現実」はありません。

これが「現場」で起きている「現物」に関する「現実」なのです。「現実」「現場」「現物」の「三現」を重視するという原理原則を知っている会社は、お客様に感謝しているので、お客様を大切にできます。だから、強いのです。

社員を育てるには、とにかく現場を見させるのが一番です。それには何より社長や幹部が現場を知り、社長や幹部が「お客様からお金をいただいている」という認識を共有しなければなりません。

本社でふんぞりかえって「利益を上げろ」「売上を伸ばせ」と命令しているようなリーダーではいけないのです。トップがわかっていないことを、社員に周知徹底することはできません。

リーダーは、現場に足を運んでください。現実と現物を見てください。いかなる業種においても、真実は現場の中にしか存在ないのです。

6. 社会人は仕事のやり方を誰から学ぶか

社会人がいただくものは、お金のほかにもう1つあります。それは仕事のやり方です。会社に入り、仕事のやり方を教えて「いただく」のです。では、社会人は仕事のやり方を誰から学ぶのでしょうか。それは先輩・上司です。仕事のやり方を学ぶのは、先輩・上司です。では、先輩や上司は誰から仕事のやり方を教えてもらったのでしょうか。これも簡単です。その先輩や上司です。では、その先輩や上司は?さらにその上の先輩や上司です。いくら続けても答えは同じです。

職責によって先輩や上司は「部長」「常務」「専務」と職級は分かれますが、最終的に行き着く先は1つ、「社長」です。

では、社長はいったい誰から仕事のやり方を学ぶのでしょうか?仕事は先輩や上司から学ぶという事実に基づいて考えれば、社長が学ぶのは「会長」「相談役」ということになります。

その会長や相談役は?これも繰り返しになってしまいそうですが、最後はある存在にたどり着くはずです。それは「創業者」です。個人の起点は両親ですが、今、その会社があるのは創業者のおかげです。創業者がいない会社はありえません。

全国に約300万あると言われる会社、その1社1社に例外なく創業者がいます。その方がいたからこそ、それぞれの会社が存在し、そこで働く社員の生活が成り立っています。

生物としての自分を生んでくれたのは両親。そして、社会人としての今があるのは創業者のおかげです。会社によっては、もう亡くなられていて創業者の存在が薄くなっているかもしれませんが、それではいけません。親がいたから人間としての自分がいます。創業者がいたから、社会人としての今の自分がいます。社会人の人生があるのは、創業者のおかげです。この事実は絶対に忘れてはいけないことです。

株式会社武蔵野本社は、環境整備のおかげでぴかぴかに磨き上げられていますが、1カ所だけ埃だらけの場所があります。それが、社長室です。元々は創業者藤本寅雄の自宅の居間でした。最も創業者の匂いが残っている場所です。最も創業者を肌で感じさせる社長室、特に框より上は、掃除をしません。ですからどんどん埃が積み重ねられていきます。

社長室の埃は、創業者、会社の歴史を忘れないための象徴です。社員は、積み重なった埃を見るにつけ、会社の歴史を感じ、創業者への感謝と社員の誇りも大きくなります。また、全社員は藤本の命日である2月24日の前後2週間に墓参をすることになっています。こうして、創業者のありがたさを全社員に徹底する仕組みを、幾重にも設けているのです。

7. 創業者の時代から今日まで仕事のやり方を教えてくださったのは誰か

では、創業者はいったい誰に仕事を教わったのでしょうか。創業者も、起業前までは、先輩や上司など、仕事のやり方を教えてくれた人が存在しています。ところが起業したらそういうわけにはいきません。

かつての会社はもはやライバルです。有益なことを教えてくれるはずはありません。とすると、創業者は誰からも仕事のやり方を学べないのでしょうか。そうではありません。仕事のやり方を教えてもらえなければ、とっくにその会社は倒産しています。他社が教えてくれるはずはありません。会社にいるのは部下だけです。となると、他にいるのは――、

答えは1つです。お客様です。創業者は「お客様」から仕事のやり方を学んだのです。創業者のみならず、実は、創業者の時代から、今日この日までずっと、私たちに仕事を教え続けてくださった方がお客様です。

社会人にとってお客様とは、それほど絶大な存在なのです。先輩や上司に仕事のやり方を学んだ、というのは事実として納得しやすいのですが、「お客様」となるとわかりづらいかもしれません。

確かにお客様から「こうやれ、ああやれ」と手取り足取り仕事を教えていただいた経験などないのが普通です。しかし、実は、どのお客様もわかりやすい形で仕事のやり方を教えてくださっています。

お客様からの教えの代表的な例は、「クレーム」です。たとえば、部品の交換がしづらいというクレームは、お客様が、商品やサービスの欠点や改善点を教えてくださっているのです。どの会社でも、開発した商品に不備がないと判断したからこそ発売に踏み切ります。

ところが、現実には不都合がゼロということはありません。社員がいくら考えても気づかなかったことを、実際に使ったお客様が指摘してくれるのです。これ以上の「教え」はありません。クレームとは対照的な「お褒めの言葉」も、重要な教えです。

お客様は、どのような機能に喜ばれるのか、どのような対応に感動されるのか、教えてくださっているのです。大切なのは、クレームが出たからといっておろおろしたり、逆に褒められたからいい気になったりするだけではいけない、ということです。

なぜ怒られたのだろう、どうして褒めていただいたのだろう、さらには「次はどうすればいいだろう」と関係者全員で考え、結論を共有し、お客様の教えを活かして成長していかなければならないのです。

7つ目の原理原則は、「お客様は最高の教育者である」です。この原理原則を知らない会社は危険です。せっかくお客様が仕事のやり方を教えてくださっているのにメモをしなかったり、あるいはメモをしても後から見返すことを怠ったりするため、情報はまったく共有化されません。

その結果、お客様からの貴重な教えは放置されたままになります。一人が失敗したということは、根本的な改善をしない限り他の人間も同じミスをする可能性が大です。

しかし、皆がその失敗を忘れてしまうと対策はなされません。当然同じミスを重ねてしまいます。そして「何だよ、あの客。2、3回忘れたくらいで」とお客様のせいにして、また忘れてしまう。

このようなことが続けばどうなるかは言うまでもありません。お客様から見捨てられるのは時間の問題です。「何度同じことを言わせるんだ!」となり、最後は「もう教えることはない」と言われてしまいます。つまり「いくら教えても仕方ない、もうお宅とのご縁は終わりだ」と、お客様から見捨てられるのです。「現実」「現場」「現物」の事実を一番よく見ているのは、お金を払っていただいているお客様です。そして創業の時代から現在に至るまで、お叱りやお褒めの言葉で仕事のやり方を教え続けてくれているのです。お客様は最高の教育者なのです。

8. 「社会人の大恩人」をどのように呼んでいるか

ときどき、数は少ないながらも「お金をくださる方はお客様」「お客様は最高の教育者」という事実を、すんなり受け入れられない方がいらっしゃいます。

そういう方は、ほぼ例外なくお客様のことを「お客」、あるいはもっとぞんざいに「客」と呼びます。お客様はどこまでも「お客様」です。

「お客」でも、まして「客」でもありません。この点について、「どうでもいいではないか」と考えているようでは、とても豊かで恵まれた人生を歩むことはできません。

もちろん、平然と「客」と口にしてはばからない人も、お客様に聞こえるような局面で客呼ばわりすることはないでしょう。しかし、普段から「お客様」と考えない集団の感性は、しょせん「客」止まりになってしまうのです。

練習のときに手を抜いて、本番だけ上手くやろうとしても無理でしょう。日頃から「客」呼ばわりだと、社風が日々劣悪化する一方です。そして、店や営業所にそのような空気が流れます。その空気は掃除、挨拶、活気と各所に表れます。

それを見逃すほどお客様は鈍感ではありません。「客」呼ばわりの雰囲気を感じたお客様は、同じような品質、価格となれば、「お客様」という感覚を持つライバル店に流れてしまうのは明らかです。自分がお客様の立場になったときのことを考えてみましょう。

「お客さん」よりは「お客様」と呼ばれた方がうれしくありませんか。一番うれしいのは「鈴木様」「佐藤様」と名前で呼ばれることです。その域に達すると、お客様はライバル店に流れることはありません。

かつて病院は「お医者様」に「患者」が頭を下げる場所でした。きちんと医療費を払っているのに、付け届けや謝礼が当然という世界でした。しかし、いまや、きちんとした病院は、必ず「患者様」「ご家族様」と呼ぶようになりました。

まだまだ「患者」よりも病院の方が力関係では上です。感じが良くても悪くても、患者に選択権はあまりない上に、命に関わるものだからです。

そんな病院ですら「患者様」に変わりました。それなのに、お客様が選択権を持つサービス業が、いつまでも「客」と言っていては、お客様に支持されるわけがありません。

自分がお金をいただいているのはこの方なのだ、という事実を知れば、「客」などと呼べるはずがありません。たえず「お客様」と考えることで感謝の心が芽生え、それが表情にも挨拶にも表れます。

ますます社風が良くなっていきます。お客様の満足度が高まると、会社は美しい花と美味しい実(利益)が得られます。結果的に自分の収入アップにもつながる、まさにプラスの連鎖です。会社も、人生も、すべては、原理原則を実践するかどうかで、変わっていくのです。

9. マーケットには、自分と自社の都合はあるのか

一倉定先生に次のような言葉があります。「市場にはお客様とライバルしかいない」お客様が「お宅ではなくライバルを選ぶ」という決定をされると、会社は、倒産、廃業に追い込まれます。社長や会長の決定によるものではありません。

我々社会人は、お客様によって生かされています。この原理原則が共通の認識となっていない会社は、今度はお客様によって存続を拒否されます。生殺与奪の権を握っているのはお客様なのです。

たとえ1社でもライバルが存在する限り、自社を離れたお客様はライバルを選ばれます。マーケットにはお客様とライバルしかいないのですから、当然の帰結なのです。

原理原則を踏まえて環境整備、企業文化づくりに取り組む

これまで、9つの原理原則を紹介してきました。これらを理解しないまま環境整備を行っても成果は出ないはずです。

しかし、原理原則を知らない人に限って、会社に入社すれば社会人と考えて、「自分はベテランの社会人だ」と吹聴します。正しい理解のもとに、正しい行動を積み重ねていきましょう。

年齢を重ねれば重ねるほど、原理原則を知っている人と知らない人、実践している人としない人の差は大きくなります。

それが、私がこれまで実際に数限りなく拝見してきた「事実」です。では、最後にもう一度、9つの原理原則を振り返っておきましょう。

原理原則

  1. 今の自分に起きていることは、100%自分の意思決定であることを自覚する原理原則
  2. ご縁の自覚を持つ原理原則
  3. 両親・先祖に感謝する原理原則
  4. 社会人にお金をくださる大恩人は、お客様だという厳然たる事実を自覚する原理原則
  5. 「現実」「現場」「現物」の三現を重視する原理原則
  6. 創業者を大切にする原理原則
  7. お客様は創業の時代からずっと最高の教育者という事実をかみしめる原理原則
  8. いつでも、どこでも「お客様」「○○様」と呼ぶ原理原則
  9. 市場には、お客様とライバルしかいないことを肝に銘じる原理原則

を知ったところから、環境整備・強い企業文化づくりが始まります。

これらの原理原則を、しつこいくらいに確認することで、初めて環境整備が、実効性を伴ったものになっていきます。

原理原則に沿った行動をすれば、必ず、美しい花が咲き、豊かな実がなります。お客様から、「あなたの会社は、花と実を採ってもいいですよ」と許可していただけるのです。

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