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Chapter3輸送のしくみと書類

目次

Chapter3輸送のしくみと書類

0301海上輸送に使う船の種類定期船0302定期船サービス(LinerService)0303海上輸送コンテナの種類0304海上輸送コンテナのサイズ0305コンテナヤード(CY)とコンテナフレートステーション(CFS)0306FCL貨物とLCL貨物0307コンテナ貨物輸出手続きの流れ0308コンテナ貨物輸入手続きの流れ0309定期船(コンテナ船)のブッキング0310定期船の運賃0311定期船(コンテナ船)の船荷証券0312定期船(コンテナ船)の書類0313貨物の検数と検量0314コンテナデマレージとディテンションチャージ不定期船0315不定期船サービス(TramperService)0316不定期船の市場0317不定期船(ばら積み船)の運賃0318不定期船の用船契約0319不定期船貨物の輸出手続きの流れ0320不定期船貨物の輸入手続きの流れ0321不定期船(ばら積み船)の書類船荷証券0322船荷証券(BillofLading)の機能と条約0323船荷証券(B/L)の種類0324海上運送状(SeaWaybill)0325サレンダードB/L(SurrenderedB/L)0326B/Lの危機(B/LCrisis)0327B/Lの紛失航空輸送0328航空輸送の貨物とスペース0329航空運賃0330直載貨物と混載貨物0331航空運送状(AirWaybill)0332航空輸送の書類複合輸送0333国際複合一貫輸送(InternationalMultimodalTransport)0334ロジスティクス

Chapter3輸送のしくみと書類

0301Trading海上輸送に使う船の種類積載する貨物の性状に合わせて、さまざまな構造の船舶が使われます。

輸送船舶の大型化と多様化海上輸送に用いられる貨物船は、積載する貨物の性状に合わせて多種多様な構造を持った船舶が開発されています。

船舶の大きさは一般的には本船に積載可能な重さを示す重量トン(DeadweightTon)で表されますが、コンテナ船の場合には20フィートコンテナが何個積めるかを示す、TEU*1という単位が使われています。

コンテナ船コンテナ貨物専用の貨物船で、船倉はコンテナを重ねて積込むのに適した直方体の構造になっています。

雨天でも船への積降ろしができて航行速度も速いので、定期船航路に用いられており、衣類や家電製品など一般貨物から食料品まで幅広い貨物が輸送されています。

ばら積み船(BulkerまたはBulkCarrier)穀物や石炭などのばら荷の輸送に適した単層の船倉の船で、船の大きさにより、ハンディサイズ(3万~6万重量トン)、パナマックス型(6万~8万重量トン、船幅約32.2m以内でパナマ運河通過可*2の最大船型の意)、ネオパナマックス型(8万〜12万トン、運河拡張後の最大船型)、ケープサイズ(12万重量トン以上で喜望峰回りとなる船の意)と分けて呼ばれています。

ハンディサイズは鋼材製品や肥料など、パナマックス型は穀物や石炭など、ケープサイズは鉄鉱石などを主要貨物として利用されています。

専用船貨物の比重や特性に応じて船型や船倉が特化された船で、木材チップ専用船(WoodChipCarrier)、自動車専用船(PureCarCarrier)などがあります。

タンカー液体貨物輸送のためのタンク構造の船倉を持つ船で、原油タンカー(CrudeOilCarrier)のほか、プロダクトタンカー、LNGタンカー、LPGタンカーなどがあります。

*1TEU:TwentyFootEquivalentUnit*2パナマ運河の拡張工事が2016年に完了し、船幅49Mまでの大型船が通過できるようになりました。

0302定期船Trading定期船サービス(LinerService)製品類の輸送には、主にライナーサービスが利用されます。

定期船の航路定期船サービスは、決まった港から港への特定航路の輸送を提供するサービスで、船会社はスケジュールを公表し、不特定多数の荷主から貨物を集荷します。

日本からの定期船航路には、欧州航路、北米西岸航路、北米東岸航路、中南米航路、アフリカ航路、アジア航路、中近東航路、大洋州航路など多くの航路があります。

大手船会社は配船数や航路サービスを充実させるため国内や海外の有力船会社とアライアンス(共同運航組織)を組み、世界中に網の目のように定期船航路を張り巡らしています。

定期船の船舶定期船には、コンテナ船、在来型貨物船などの船舶が使用されますが、航行速度が速く、雨中でも荷役ができてスケジュールが安定するコンテナ船の使用が主流となっています。

コンテナに積まれた貨物は鉄道やトラックに積み替えが容易であり、海陸一貫輸送によるDoortoDoorの輸送を可能にしました。

0303定期船Trading海上輸送コンテナの種類一般的なドライコンテナのほか、特殊コンテナが用意されています。

コンテナの種類ドライコンテナ(DryContainer)最も一般的なコンテナで、家電製品から工業製品など幅広く利用されています。

構造は鉄あるいはアルミ製の直方体で、20フィート(6,096mm)コンテナと40フィート(12,192mm)コンテナがあります。

また、高さが1フィート高く容積かつ貨物に適した背高(HighCube)コンテナもあります。

どのサイズのコンテナを選ぶかは、貨物の重量・容積と運賃率を考慮して選びます。

冷凍コンテナ(ReeferContainer)外部電源を使い冷却・保温機能を持つコンテナで、温度管理(−25℃~+20℃程度)が可能なことより、肉、魚、精密機械、薬品、フィルムなどの輸送に使用されています。

オープントップコンテナ(OpenTopContainer)屋根が開放されているコンテナで、上方から重量物や長尺貨物を積むことができます。

鉄コイルや大型タイヤなどをクレーンで積む場合に適しています。

フラットラックコンテナ(FlatRackContainer)屋根および壁が開放されており、上方や側面からクレーンや大型フォークリフトで重量物や長尺貨物を積む場合に適しています。

クルーザーなどの輸送に使われています。

タンクコンテナ(TankContainer)液体貨物を輸送するタンクを持つコンテナで、モルト(原酒)、醤油、化学品などの輸送に使われています。

0304定期船Trading海上輸送コンテナのサイズコンテナのサイズはISOにより規格化されています。

海上輸送コンテナの規格海上輸送コンテナはISO(国際標準化機構)により、寸法、強度、コンテナ番号記載方法などが規格化されています。

すべてのコンテナには、「ABCU123456」のような固有の番号が付けられ、扉面に表示されています。

この番号は最初の4文字で船会社、続く番号でコンテナが特定されるしくみになっており、船会社はこのコンテナ番号を使って、本船への積付け場所やコンテナの現在地確認などの管理を行っています。

コンテナの積載可能重量コンテナの強度を考慮した最大積載重量は次のサイズ表に記載されているように約21トン~26トンありますが、貨物の入ったコンテナを港湾地区から内陸まで輸送する場合には、道路や橋の重量規制により積載重量が制限を受ける場合があります。

道路や橋の規制は貨物と車体と含めた総重量で規制されるので、規制値からトレーラーヘッド、シャーシ、コンテナ自重等を差引いた重量が貨物の最大積載重量となります。

内陸まで輸送する場合には輸出国の道路交通法規制に注意が必要です。

コンテナシール(Seal)コンテナはバンニング終了後、ドアにシール(封印)が施されます。

シールは、税関による貨物検査が実施されるとき以外は、輸入国でデバンニングを行うときまで開封されることはありません。

コンテナが船から荷おろしされたときや荷受人に引渡されたときに、シールに異常がないかが確認されます。

コンテナ番号とシール番号は船荷証券に記載されます。

0305定期船Tradingコンテナヤード(CY)とコンテナフレートステーション(CFS)コンテナ船の荷役はコンテナターミナルで行われます。

コンテナターミナル(ContainerTerminal)コンテナ船輸送では貨物はすべてコンテナに詰込んだ状態で海上も陸上も輸送されます。

コンテナ船はコンテナターミナルと呼ばれるコンテナ船専用の荷役設備と保管管理の施設を持つ港湾施設で積揚げを行います。

コンテナターミナルは、通年24時間天候に関わりなく稼働しており、コンテナ船がスケジュール通りに入出港できる体制を支えています。

コンテナヤード(CY)*1コンテナヤードは、船積み前の輸出コンテナや船から荷おろしした輸入コンテナの荷捌きと一時保管を行う場所で、空コンテナの保管や修理などの作業も行われます。

コンテナヤードの入り口にはゲートと管理棟が設けられており、出入りするコンテナの情報を管理し、搬出入手続き、実重量測定、コンテナ外観の検査などの作業を行っています。

輸出者はコンテナヤードのゲートで貨物入りのコンテナを運送人に引渡し、輸入者はコンテナを引取ります。

コンテナフレートステーション(CFS)*2コンテナフレートステーションはコンテナ1本に満たない小口貨物の詰合わせを行う運送人の施設で、コンテナヤードの近くに設けられています。

小口貨物の荷主は貨物をコンテナフレートステーションにトラック等で搬入し運送人に引渡します。

運送人は同じ仕向港向けのほかの小口貨物とコンテナに詰合わせた後にコンテナヤードに搬入します。

輸入港側では、コンテナフレートステーションで貨物がコンテナから取出された後に受荷主に引渡されます。

▶コンテナターミナルの概要コンテナ船が接岸する岸壁をバースと呼び、本船の船側でコンテナ積揚げ荷捌きを行う場所をエプロンと呼んでいます。

エプロン上にはコンテナを積揚げするガントリークレーンが設置されています。

エプロンの手前のエリアはこれから船積みするコンテナや荷揚げ後のコンテナを保管する場所でマーシャリングヤードと呼ばれ、ストラドルキャリアーやリーチスタッカーと呼ばれるコンテナ専用の機器を使い、荷捌きが行われています。

0306定期船TradingFCL貨物とLCL貨物FCL貨物は単一荷主、LCL貨物は複数の荷主によるコンテナ使用となります。

FCL貨物とは一人の荷主の貨物だけで1つのコンテナを満載できる貨物をFCL*1貨物と呼んでいます。

FCL貨物は、輸出者の工場や倉庫で貨物をコンテナ詰めした後、コンテナヤードに搬入されます。

仕向港においても輸入者の施設に到着するまでコンテナから貨物を出すことなく最終仕向地までDoortoDoorで輸送することができますので、輸送時間の短縮、輸送途中の貨物破損リスクの回避、梱包費の節約などコンテナ輸送のメリットを最大に発揮できる輸送方法となっています。

LCL貨物とは一人の荷主の貨物だけで1本のコンテナに満たない小口貨物をLCL*2貨物と呼んでいます。

LCL貨物は、コンテナフレートステーションで運送人により同じ仕向港向けのほかの貨物とコンテナに詰合わせが行われた後、コンテナヤードに搬入されます。

小口貨物でもコンテナ輸送を利用できる便利な輸送方法です。

シッパーズパックとキャリアーズパックコンテナへ貨物を詰め込む作業をバンニング(Vanning)と呼んでいます。

バンニングを荷主が行うことをシッパーズパック*3、運送人が行うことをキャリアーズパック*4と呼んでいます。

一般的には、FCL貨物はシッパーズパック、LCL貨物はキャリアーズパックとなりますが、荷主がキャリアにバンニングを任せてキャリアーズパックによるFCL貨物を仕立てることも可能です。

保険求償において、「不適切な梱包」は免責事由であり、コンテナへの積付けは梱包と同様に解釈されています。

このためシッパーズパックの場合は、適切なバンニングを行うことが保険求償の前提条件となります。

*1FCL:FullContainerLoad

*2LCL:LessthanContainerLoad*3シッパーズパック:Shipper’sPack*4キャリアーズパック:Carrier’sPack

0307定期船Tradingコンテナ貨物輸出手続きの流れコンテナ貨物の輸出手続きの流れは次の通りです。

ブッキング~船積手配貨物の量や性状に合わせて適切なコンテナと必要な本数を決めて船会社にブッキングを入れます。

輸出者と輸入者のどちらがブッキングを行うかは、貿易取引条件(インコタームズ)によって決まります。

輸出者は、海貨・通関業者に船積依頼書とインボイス、パッキングリスト、輸出許認可書類など輸出通関に必要な書類を送り、輸出手続き代行を委託します。

FCL貨物輸出の流れコンテナバンニング海貨業者はコンテナヤード(CY)から空コンテナを借受けます。

このとき、CYオペレーターより機器受渡書(EIR)が発行されます。

輸出者は自社の施設あるいは海貨・通関業者の倉庫や上屋で貨物のコンテナ詰め(バンニング)を行い、コンテナをCYに搬入します。

輸出通関手続き通関業者は税関のNACCSシステムを使い輸出申告を行います。

輸出通関における保税搬入原則の見直し(2011年)により、貨物入りコンテナをCYや保税地域に持ち込む前に税関への輸出申告を行うことができるようになりました。

ただし、輸出許可が下りるのはCYや保税地域に搬入後となります。

船積み~B/L発行海貨・通関業者は、輸出者から送られてくる船積依頼書(SHIPPINGINSTRUCTION:S/I)に従って輸出貨物情報をNACCSシステムに入力し、B/L記載事項の基本情報を伝えるB/Lインストラクションやコンテナ毎の情報を伝えるコンテナパッキングリスト(forCLP)を船会社に電送などで送ります。

これを受けて船会社はB/Lを作成し発行します。

輸出者が輸送費を負担する取引条件であれば、輸出者は船荷証券発行に先立ち運賃を船会社に支払います。

LCL貨物輸出の流れ貨物のCFS搬入輸出者またはその委託を受けた海貨・通関業者は、トラック等で貨物を運送人から指定されたコンテナフレートステーション(CFS)に搬入します。

貨物はCFSにて検定機関による検数と検量を受けます。

輸出通関手続き海貨・通関業者は税関のNACCSシステムを使い輸出申告を行います。

税関への輸出申告はCFSに搬入する前に済ませておき保税輸送をするか、CFS搬入後に行います。

CFSオペレーターは、税関の輸出許可が下りたことを確認のうえ、複数の輸出者の貨物を混載してバンニングを行います。

船積み~B/L発行CFSオペレーターは、貨物入りコンテナをCYに搬入し、CYオペレーターに各輸出者より受取った輸出許可通知書を提出します*。

一方、海貨・通関業者は、B/Lインストラクションやコンテナパッキングリスト(forCLP)をNACCSシステムを使い船会社に電送などで送り、これを受けて船会社はB/Lを作成し発行します。

輸出者はCFSでの作業料であるCFSチャージを船会社に支払います。

また、輸出者が輸送費を負担する貿易取引条件であれば、輸出者は船荷証券発行に先立ち運賃を船会社に支払います。

*税関各種手続きは、NACCSシステムを使いオンラインで処理されています。

0308定期船Tradingコンテナ貨物輸入手続きの流れコンテナ貨物の輸入手続きの流れは次の通りです。

船積書類の入手輸入者は輸出者から直接または銀行経由で入手したインボイス、船荷証券、原産地証明書などの船積書類を海貨・通関業者に渡し、輸入通関から商品引取りまで一連の輸入手続き代行を委託します。

本船の輸入港到着が近付けば、船荷証券のNotifyPartyに記載された連絡先に本船到着案内が船会社代理店より送られてきます。

FCL貨物輸入の流れ貨物引取りの準備本船の輸入港到着後、荷おろしされたコンテナはコンテナヤードに蔵置されます。

海貨・通関業者は、船荷証券を船会社に差し入れて、CYオペレーター宛の荷渡指図書(D/O*)を受取ります。

近年はD/Oデータを送信する簡素化(D/Oレス)も普及しています。

輸入者が輸送費を負担する貿易取引条件であれば、船荷証券に「FreightCollect」(運賃着地払い)と記載されていますので、輸入者は船会社に運賃を支払います。

輸入通関手続き海貨・通関業者は税関のNACCSシステムを使い輸入申告を行い、税関の指示に従い、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書、船荷証券のコピーなどの書類を提出します。

また、必要な関税や消費税の納入を行います。

コンテナ引取り~デバンニング輸入許可あるいは保税輸送の許可など税関手続きを終えてから、海貨・通関業者はコンテナをCYから引取り、コンテナからの貨物取出し(デバンニング)を行う自社施設または倉庫に国内輸送(ドレー:Dray)します。

デバンニング完了後、海貨・通関業者は空になったコンテナをCYに返却します。

CYからコンテナを搬出するときと空コンテナを返却するときには、CYオペレーターより機器受渡書(EIR)が発行されます。

LCL貨物輸入の流れコンテナからのデバンニング本船の仕向港到着後、荷おろしされたコンテナはコンテナヤードにいったん蔵置された後、速やかに船会社によりCYからCFSに回送されます。

CFSオペレーターはコンテナから貨物の取出し(デバンニング)を行い、各輸入者別に商品を仕分けます。

デバンニング時には、コンテナロードプラン(CLP)と照合して商品の数量不足やダメージの有無をチェックし、デバンニングレポートを作成します。

輸入通関手続き海貨・通関業者は税関のNACCSシステムを使い輸入申告を行い、税関の指示に従い、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書、船荷証券のコピーなどの書類を提出し、輸入者は必要な関税や消費税の納入を行います。

輸入通関を海貨・通関業者の上屋(保税施設)で行う場合には、CFSからの保税輸送の手続きを行います。

貨物引取り海貨・通関業者は、船荷証券を船会社に差入れて、CFSオペレーター宛の荷渡指図書(D/O)を受取ります。

輸入者が輸送費を負担する取引条件であれば、船荷証券の運賃表示が「FreightCollect」(運賃着地払い)となっていますので、輸入者は貨物引取りの前に船会社に運賃を支払います。

海貨・通関業者は、CFSオペレーターに荷渡指図書(D/O)と輸入許可書または保税運送承認書を提出し、CFSチャージを支払った後に商品を引取ります。

*D/O:DeliveryOrder

0309定期船Trading定期船(コンテナ船)のブッキング船会社にコンテナ船のスペース予約することをブッキングと呼んでいます。

ブッキングの要点ブッキングは、貨物の荷揃い予定日に国内輸送や通関などに要する日数を考慮し、適切な入出港予定の本船を選び船会社に電話やメールなどで予約を入れ、船会社よりブッキング番号(予約確認番号)を受取ります。

輸出者と輸入者のどちらがブッキングを行うかは、貿易取引条件により決まります。

本船情報を把握すること本船情報には、本船名、航海番号、船積港の到着予定日(ETA*1)と出港予定日(ETD*2)、仕向港のETA、積揚港などの情報があります。

貨物情報を船会社に正確に伝えること商品明細、重量、容積、梱包状態などを船会社に伝え、FCL貨物の場合は予約するコンテナの種類と本数を確認します。

LCL貨物の場合、コンテナの種類は船会社の判断で行われます。

船会社に貨物の受渡し条件や運賃を確認することFCL貨物の場合にはコンテナを搬入するCYの場所と搬入締切日時(CYカット)の確認、LCL貨物の場合は貨物を搬入するCFSの場所と搬入締切日時(CFSカット)を確認します。

また、輸入国側でコンテナや貨物を受荷主に引渡すCYやCFS、あるいは最終仕向地などの場所(Placeofdelivery)を確認します。

運賃については、運賃料率と各種サーチャージ(割増運賃)、運賃前払い(Prepaid)か後払い(Collect)かの支払条件、またサービスコントラクトなどの優遇料率の適用を受ける場合にはブッキング時点で確認しておきます。

*1ETA:EstimatedTimeofArrival

*2ETD:EstimatedTimeofDeparture

0310定期船Trading定期船の運賃定期船運賃は基本運賃とサーチャージで構成されています。

定期船の運賃定期船の運賃は、船会社各社が航路別に運賃率(タリフレート*1)を設定しています。

運賃の建値には、重量建て、容積建て、従価建て(AdValorem)、梱包建て、ボックスレート*2などがあります。

運賃は、基本運賃(BaseRate)と割増運賃(Surcharge)の合計で算出される方式が一般的に採られています。

基本運賃は、船の基本的な運航費用から算出して一定期間固定しておく料率で、それぞれの貨物の運賃負担力を考慮して設定される品目別運賃(CommodityRate)と、貨物の種類には関係なく設定される品目無差別運賃(FAK*3)が設定されています。

割増運賃は、貨物の形状や船の運航上のさまざまな変動要素を考慮して追加で設定される料率で、重量貨物割増、燃料油割増、為替変動割増、船混み割増、ピークシーズン割増などがあります。

運賃の支払い条件先払い(Prepaid)と後払い(Collect)輸出者が船を手配し輸送費を負担するCグループとDグループの貿易取引条件では、運賃先払い条件でブッキングを行います。

この場合、船会社は運賃入金の確認後に「FreightPrepaid」と記載された船荷証券を発行し、仕向港においては船荷証券の差入れと引換えに貨物を引渡します。

輸入者が船を手配し輸送費を負担するEグループとFグループの貿易取引条件では、一般的には運賃は後払い条件でブッキングを行います。

この場合、船会社は、「FreightCollect」と記載された船荷証券を発行し、仕向港においては運賃入金確認を行ってから貨物を引渡します。

サービスコントラクト船会社は、大口顧客への優遇措置として、一定期間の船積貨物量の保証を行った荷主に割安な運賃を提供する場合があります。

この契約をサービスコントラクト(ServiceContract)と呼んでいます。

*1タリフレート:TariffRate表定運賃

*2ボックスレート:BoxRateコンテナ単位の運賃(FCL貨物)*3FAK:FreightAllKinds

0311定期船Trading定期船(コンテナ船)の船荷証券定期船の船荷証券の表面には船積情報が、裏面には運送契約の一般条項が記載されています。

コンテナ船の船荷証券(B/L:BillsofLading)定期船の主要航路ではコンテナ船が起用されています。

コンテナ輸送の船荷証券には、船会社が輸送責任を負う範囲として、コンテナや貨物の受取地点(PlaceofReceipt)と引渡地点(PlaceofDelivery)が記載されます。

船荷証券は、船会社が貨物を受取った時点で発行できるように「Received」の文言で始まる受取式船荷証券(ReceivedB/L)の書式が使用されています。

船荷証券の表面には、その船積みの内容を表す本船情報、荷主情報、貨物情報が記載され、裏面には船主責任や共同海損発生時の対応など船会社による運送引受条件の詳細が多岐にわたり記載されています。

船積確認文言(OnBoardNotation)荷為替手形決済では、貨物が船積みされたことを確認する船積式船荷証券(ShippedB/L)を要求されるのが一般的です。

コンテナ輸送の船荷証券は受取式なのでこのままでは要求を満たすことはできませんが、船積日を証明する文言(OnBoardNotation)が記載されることにより、船積式船荷証券と同様に扱われます。

L/C決済のルールである信用状統一規則に、その旨が規定されています。

不知文言(UnknownClause)FCL貨物で、荷主がコンテナ詰めを行った場合、船会社等の運送人はコンテナの内容物、数量、個々の重量については知ることができません。

このため船会社は、「Shipper’sweight,loadandcount(貨物の明細は荷主の申告ゆえその正確性は船会社は責任を負えない)」という主旨の免責文言を船荷証券に記載します。

0312定期船Trading定期船(コンテナ船)の書類コンテナの受取りや引渡し時に各書類が作成されます。

B/Lインストラクション(B/I)とはB/Lに記載する事項を船会社に連絡する書類として、従来はDockReceipt(D/R)が使用されていましたが、現在はJSA*1/JASTPRO*2による統一フォームであるB/Lインストラクションが利用されています。

また、NACCSの船積確認事項登録(ACL*3)業務を利用したB/Lインストラクション情報のデータ送信も行われています。

ACL業務は、海貨業者、通関業等が船会社やNVOCCあるいはCYやCFS等宛にB/L作成に必要な情報を送信する業務です。

船会社やNVOCCは受信したデータを自社のB/L作成システムに取り込むことにより、省力化と入力ミス回避の合理化が行えます。

コンテナパッキングリスト(forCLP)とはコンテナごとの各種情報を連絡する書類として、従来はコンテナロードプラン(CLP)が使用されていましたが、現在はB/LインストラクションのSupplementSheetとしてコンテナパッキングリスト(forCLP)が利用されています。

コンテナパッキングリスト(forCLP)には、そのコンテナに積まれた貨物情報(商品名称、数量、個数等)、船積情報(本船名、船積港、仕向港等)、コンテナ情報(コンテナ番号、シール番号等)が記載されます。

コンテナロードプラン(CLP)もACL業務を利用したデータ送信が行われています。

機器受渡書(EIR*4)とはコンテナFCL貨物輸送では、海上コンテナは船会社から荷主(輸出者)や受荷主(輸入者)に貸し出されます。

機器受渡書は、コンテナをCYから搬出・搬入する際にCYオペレーターが発行するコンテナの受渡し書です。

輸出の場合には、海貨・通関業者が空コンテナをCYのバンプールから借出したときにコンテナの詳細や状態を記録したEIR/OUT(機器受渡書/搬出)が発行され、コンテナシールが交付されます。

海貨・通関業者は、バンニングと輸出通関手続きを行った後、コンテナをCYに搬入し、コンテナ番号、シール番号、コンテナの状態の点検後、EIR/IN(機器受渡書/搬入)を受取ります。

LCL貨物の場合にはCYからのコンテナの借入れと搬入はCFSオペレーターが行いますので、EIRもCFSオペレーター宛に発行されます。

輸入港側ではこの逆の流れで業務が行われ、荷が積まれているコンテナをCYから搬出するときにEIR/OUT、デバンニング後の空コンテナをCYに返却するときにEIR/INが海貨・通関業者(FCL貨物)やCFSオペレーター(LCL貨物)宛に発行されます。

デバンニングレポート(DevanningReport)とはデバンニングレポートは、輸入コンテナから商品を取出した際の数量確認や貨物の状況を記録した報告書で、貨物に員数不足や損傷が発見されたときには、リマークとして記載し、運送人への賠償請求や保険求償の帳票書類として使用します。

記載事項の客観中立性を保つため、デバンニングレポートの作成は検査機関に依頼するのが一般的です。

FCL貨物の場合には輸入者(荷受人)が、LCL貨物の場合はCFSオペレーターが依頼します。

検査機関は、コンテナのシールが無傷かどうか、コンテナの天板や側板に損傷はないか、取出した貨物に員数不足はないかなどをチェックします。

0313定期船Trading貨物の検数と検量検数や検量は第三者機関により行われます。

貨物の検数(Tally)、検量(Measurement)とは輸出入貨物は定期船、不定期船にかかわらず必要に応じて検数、検量を行います。

検数は貨物の積込み時や陸揚げ時の個数計算と受渡しの証明、検量は重量や容積の計算と証明を行います。

これらは、港湾運送事業法により許可を受けた業者(一般社団法人日本貨物検数協会や一般社団法人日本海事検定協会など)が第三者機関として公正な立場で行っています。

検数票(TallySheet)検数は製品類を中心とした個数を確認できる貨物を対象として、運送人とともに貨物の受渡し場所で行われます。

コンテナ貨物輸出の場合、FCL貨物であれば輸出者や海貨業者の倉庫などバンニングを行う場所で行われ、LCL貨物であればCFSで検数人(チェッカー)により実施されます。

在来型貨物船の場合には、総積みでは船会社指定の港湾地区の上屋で、直積みでは本船上で検数が行われます。

いずれの場合でも、結果は検数票(タリーシートTallySheet)として発行されます。

輸入貨物の検数も同様に行われます。

重量容積証明書(CertificateofWeight&Measurement)重量容積証明書や重量証明書は、輸出者が第三者である検定機関に検量を依頼してその証明書を取得し、輸入者との決済や税関への申告に用います。

また、船会社は海上運賃の算出根拠とするために検定機関に検量を依頼します。

重量の計測は、計量器やバルク貨物の場合には船の喫水により計測するドラフトサーベイの方法で行われます。

0314定期船Tradingコンテナデマレージとディテンションチャージフリータイムを過ぎると超過料金が発生します。

コンテナ貸与の日数に制限コンテナ船のFCL貨物輸送では、コンテナは船会社が輸出入者に貸与しますが、一定日数を過ぎても返却されない場合は超過料金を課徴するシステムが採られています。

船積港においては本船の入出港予定に合わせてコンテナを貸出しますので超過が発生することはまずありません。

しかし、荷揚港においては、輸入手続きの不首尾や倉庫の引取り事情などによりコンテナの返却までに思わぬ日数がかかってしまうことがあるので、輸入時においては注意が必要です。

コンテナのデマレージ(Demurrage)輸入港において本船から荷揚げされたコンテナは、コンテナヤード(CY)に保管されますが、CYは長期保管を目的とした場所ではないので、コンテナを速やかに搬出する必要があります。

船会社はフリータイムと呼ばれる一定期間(1週間程度)は無料でコンテナをCYに保管しますが、フリータイムを超えても引取りが行われない場合には、デマレージと呼ばれる延滞留置料が課されます。

デマレージが発生した場合は、デマレージを支払わないとコンテナは引渡されません。

コンテナのディテンションチャージ(DetentionCharge)輸入者は貨物の入ったコンテナをCYから引取り、海貨業者や自社の倉庫でデバンニングを行った後に空コンテナをCYに返却します。

船会社はコンテナ貸出期間に制限日数(この場合もフリータイムと呼ばれます)を設けて無料貸出期間の期日までに返却されなかった場合には、ディテンションチャージと呼ばれる返却遅延料が課されます。

船積港においても、輸出者が制限日数内に貨物入りコンテナをCYに搬入できなかった場合にはディテンションチャージが発生します。

0315不定期船Trading不定期船サービス(TramperService)エネルギー資源や原料輸入の輸送に不定期船が用いられています。

不定期船の航路不定期船サービスは、荷主の要望に応じて指定された港から港へと配船する船の貸切りサービスで、世界中の大小の海運会社が各々の得意とする船型や水域で配船しています。

使用される船の種類は在来型貨物船、バルカー、タンカー、専用船と多種多様で、大きさも積載重量が1000トンクラスの近海航海用の小型船から40万トンクラスの鉄鉱石専用船や大型タンカーまで、用途や輸送距離に応じて幅広い選択肢があります。

日本の場合は主に原料類輸入の輸送に不定期船が用いられています。

主な航路として、鉄鋼原料である鉄鉱石や石炭の輸送では豪州、ブラジル、南アフリカ、インドからの航路、とうもろこしや大豆などの穀物関係ではアメリカや南米からの航路、石油ではタンカーを用いた中近東からの航路があげられます。

0316不定期船Trading不定期船の市場用船マーケットは24時間活動しています。

用船マーケット不定期船用船の交渉は、用船者(Charterer)と船会社(Owner)による直接交渉あるいは海運ブローカー(ShipBroker)が張り巡らせているネットワークを通して交渉が行われます。

多くの用船関係者が集まっている東京、ロンドン、ニューヨークのマーケットでは昼夜の区別なく交渉が行われています。

用船マーケットでは、貨物輸送のための用船だけではなく、船会社が船舶の仕入れを行う期間用船(TimeCharter)などの交渉も行われています。

航海用船(VoyageCharter)輸出入者が行う用船は、貨物を船積港から荷揚港まで輸送する契約を行う航海用船が一般的です。

輸出者と輸入者のどちらが用船を行うかは、売買契約における貿易取引条件により決まります。

すなわち、EグループとFグループの貿易取引条件であれば輸入者が用船を行い、CグループとDグループであれば輸出者が行います。

不定期船を起用する売買契約ではインコタームズのクラス2の規則(船舶輸送にのみ適した規則)、特にFOB、CFR、CIFが多く使用されています。

不定期船の運賃市況不定期船の運賃は船積みの都度交渉され、運賃は貨物と船舶の需給関係により日々刻々と変動しています。

また、燃料油コストや為替レートなどの変動要素も考慮に入れた運賃で交渉されています。

運賃が上昇する要因には、海上輸送量の増加、輸送距離の増加、船混みによる稼働船舶の減少、燃料油価格上昇などがあげられます。

一方、運賃が下降する要因には、海上輸送貨物量の減少、新造船供給量の増加などがあります。

これら強弱さまざまな要素が複雑にからみ合って、運賃相場は上昇下降を繰り返しています。

0317不定期船Trading不定期船(ばら積み船)の運賃積込費用と荷揚費用が運賃条件の要素となります。

運賃の建値不定期船運賃の多くはトン当たりの重量建てで運賃率が取決められていますが、貨物の性状によっては容積建てや1船当たりの運賃総額(LumpsumFreight)で取り決められる場合もあります。

トンの基準は、メートル法によるメトリックトン(MetricTon、1MT=2,204lbs)が一般的に使用されていますが、一部の商品や地域によっては英トン(LongTon、1LT=2,240lbs)や米トン(ShortTon、1ST=2,000lbs)が使用される場合もあります。

運賃条件穀物メジャー、鉄鉱石や石炭の資源メジャー、鉄鋼メーカーなど不定期船需要家の多くは荷役設備を保有し、本船への貨物の積込みや荷揚げを自社の費用で行っています。

このため、不定期船の運賃は積揚げの荷役費用を含むか含まないかを区別して、4通りの運賃条件が使用されています。

FIO(FreeIn&Out):積込費用、荷揚費用とも運賃に含まない。

FO(FreeOut):積込費用は運賃に含み、荷揚費用は含まない。

FI(FreeIn):、。

BerthTerm:、。

LinerTermとも呼ばれます。

また、積込み費用に加えて、積付け作業や貨物固定作業などの船倉内での作業の費用についても細かく規定する場合があります。

FreightRate:US$50.00perMetricTonof1,000kgFIO(運賃率は、1メトリックトン(1,000kg)当たり、US$50.00にて、積込み費用と荷揚げ費用はともに運賃には含まない。

すなわち用船者が積込みと荷揚げ両方の手配を行い費用を負担することとなります)

0318不定期船Trading不定期船の用船契約航海用船契約の留意点は、貨物の性状、航路、船舶の種類や大きさなどによりさまざまな要素があります。

航海用船契約(VoyageCharter)の要点本船情報を把握すること本船が安全に入港・接岸・荷役・出港できる港や岸壁などの荷役施設を提供すること(safeberthsafeportの提供)は用船者の義務とすることが一般的です。

このため、その船舶の大きさ(載貨重量トン、全長、全幅、高さ、最大吃水、船倉数やサイズなど)が港湾施設に適合しているかの確認が重要です。

また、本船の現在位置と船積港の到着予定日(ETA)などの本船スケジュールにも注意を払います。

貨物情報を船会社に正確に伝えること船積港、仕向港、商品明細(重量、容積、梱包状態)などの情報を船会社に伝え、その貨物輸送に適した能力のある本船であることを確認します。

航海用船契約の諸条件LAY/CAN(Laydays/CancellingDate)本船の船積港到着期日に係る規程です。

船会社は船の船積港到着日を保証することはできませんので、一定日数の幅を持たせて取決めます。

用船者はLAY/CAN期日の範囲内に到着した本船を使用する義務を負いますが、本船がCancellingDate(解約日)までに到着しない場合はその用船契約をキャンセルする権利を有するという規定です。

荷役準備完了通知(N/R*1)本船が船積港や荷揚港に到着し、荷役準備が完了したことを本船から荷主や受荷主に伝える通知で、上記のLAY/CANの範囲内到着の判断材料となります。

本船が入港してもバース(berth)に空きがなく待たされる場合に備えて、通常はWIBON*2条項が付されます。

滞船料(Demurrage)積揚荷役を用船者が行う場合、船会社は港での本船停泊期間に制限を設けることが一般的に行われます。

この許容停泊期間(LaytimeAllowed)を超えて船積み(または荷揚げ)を行った場合に超過日数に対して用船者が船会社に支払う賠償金の取決めが滞船料の規定です。

許容停泊期間は、1日当たりの荷役トン数の取決めや、確定した日数での取決めなどの方法により算出されます。

また、超過日時数の計算は、次項の天候や日曜祝日にかかわらずすべての時間がカウントされます。

早出料(DespatchMoney)滞船料とは逆に、許容停泊期間より早く船積み(または荷揚げ)を終えた場合に船主が用船者に支払う報奨金を早出料といい、通常は滞船料の半額の料率で取決められています。

W.W.D.(WeatherWorkingDay)滞船料/早出料の算出のために停泊日数を計算する際、荷役のできない悪天候の時間は算入せず好天の時間だけをカウントする「好天荷役日」の取決めです。

SHINC*3とSHEXU.U*4.W.W.D.と同じく、停泊期間の計算方法に関わる規定で、SHINCは「日曜祝日もカウントする」意、SHEXU.U.は「日曜祝日はカウントしないが、荷役を行った場合は実働時間のみカウントする」意です。

C.Q.D.(CustomaryQuickDespatch)その港での荷役日数に安定性があり、滞船料/早出料の規定は必要ないと判断された場合、その港の慣習に従ってできるだけ早く荷役を行う意味のC.Q.D.(慣習的早荷役)の条件を採用する場合もあります。

停泊期間計算書(LaydaysStatement)滞船料や早出料計算書のことで、通常は滞船料が発生した場合は船会社が作成し、早出料が発生した場合は用船者が作成して請求しています。

*1N/R:NoticeofReadiness*2WIBON:WhetherInBerthOrNotバースに到着していなくてもN/Rを通知(Tender)できる意*3SHINC:SundayHolidayIncluded*4SHEXU.U.:SundayHolidayExcluded,UnlessUsed

0319不定期船Trading不定期船貨物の輸出手続きの流れ日本から不定期船で輸出される貨物には鉄鋼製品や大型機械などがあります。

一般的な輸出手続きの流れは次の通りです。

本船の確定輸出者が輸送を手配する貿易取引条件であれば、輸出者は商品の出荷予定に国内輸送や通関にかかる日数を考慮して船積みに適した本船を用船し、輸入者に船積予定を連絡します。

輸入者が輸送を手配する場合であれば、輸出者は輸入者に荷揃い予定日を伝えて船積予定本船の明細、船積港到着予定日、船舶代理店など船積みに要する本船情報の確認を求めます。

船積み準備本船が決まれば、輸出者は海貨・通関業者に船積依頼書(S/I*1)と輸出通関に必要なインボイス、パッキングリスト、輸出許認可書類などを送り、輸出手続き代行を委託します。

船積み船積みには直積み(自家積み)と総積みの方式があります。

直積みは大口貨物の場合に用いられる方式で、輸出者が艀などで貨物を国内輸送し本船に横付けして積込む方法です。

この場合、輸出通関手続きは艀中扱いまたは本船扱いの手続きがとられます。

また大手鉄鋼メーカーのように外航船が接岸可能な船積設備を所有する輸出者であれば、自社岸壁に船を寄港させて直積みする場合もあります。

総積みは小口貨物の場合に用いられる方式で、輸出者は船積港の指定された上屋で輸出通関手続き済みの貨物を船会社に引渡し、船側までの輸送と本船への積込みは船会社が行う船積方法です。

書類の流れ海貨・通関業者は、船会社から預かった本船宛の船積指図書(S/O*2)にメーツレシート(未署名)と輸出許可証(E/P*3)を添えて船会社代理店を経由して本船に渡します。

船積みが完了すれば、本船は貨物受取証であるメーツレシート(署名済み)を輸出者宛に発行して写しを船会社に送ります。

船会社はメーツレシートと引換えに、海貨・通関業者経由または直接、輸出者に船荷証券を発行します。

運賃先払い(FreightPrepaid)の場合は、船荷証券の発行は船会社が運賃入金確認後となります。

また、用船契約(CharterParty)に基づいて発行される船荷証券B/LはCharterPartyB/Lと呼ばれ、B/Lの裏面は白紙で、表面に当該用船契約を参照する文言が記載されます。

(例:「AllothertermsandconditionstipulatedinCharterPartydated……shallbeincorporatedherein.」といった文言)。

*1S/I:ShippingInstruction

*2S/O:ShippingOrder*3E/P:ExportPermit

0320不定期船Trading不定期船貨物の輸入手続きの流れ日本に不定期船で輸入される貨物は穀物、鉄鉱石、石炭、粗糖、木材チップ、原油、石油製品など多種に及びます。

書類の準備輸入者は本船の荷揚港到着予定に合わせて、必要な許認可取得、船積書類の入手、輸入通関準備、揚港での荷揚げ準備などの輸入手続きの準備を行います。

船積書類は輸出者から直接送られてくるか、あるいは荷為替手形の一部として銀行経由で送られてきます。

荷受け準備輸入者は入手した船積書類を海貨・通関業者に渡し、輸入通関から商品引取りまで一連の輸入手続き代行を依頼します。

海貨・通関業者は、船荷証券を船会社に差し入れて、荷渡指図書(D/O)を受取ります。

荷渡指図書は、直取りの場合は本船宛に、総揚げの場合は埠頭で貨物を保管している上屋管理者宛に作成されます。

荷揚げ荷揚げには、輸入者が直接本船から揚げる直(自家)取りと船会社がすべての貨物を本船から荷揚げする総揚げの方式があります。

直取りは大口貨物の場合に用いられる方式で、海貨・通関業者は、本船に荷渡指図書を呈示し、荷揚げを行います。

荷揚げは、輸入者の施設(自社岸壁や自社穀物サイロなど)や本船に横付けした艀に行い、荷揚げ方法に応じて税関に輸入通関手続き(輸入申告、保税運送、本船扱い、艀中扱いなど)を行います。

荷揚げ貨物の確認は検数機関に依頼し、荷揚げ完了後は貨物受取証としてボートノート(B/N*)を本船に渡します。

総揚げの場合、貨物は船会社代理店の手配により本船から荷揚げされ、検数機関による確認を経て、ボートノートが本船に渡されます。

貨物は港湾内の上屋に搬入されますので、海貨・通関業者は輸入通関手続きを行い、荷渡指図書を上屋管理者に呈示して貨物を引取ります。

*B/N:BoatNote

0321不定期船Trading不定期船(ばら積み船)の書類不定期船業務においても、貨物の受取りや業務の指図など、目的に応じた書類が作成されます。

用船契約書(CharterParty)用船契約書は、貨物や航路により各種の書式が使われており、たとえば一般的な貨物輸送にはジェンコン(GENCON)書式、日本向け石炭輸送であればNIPPONCOAL書式が使用されています。

各書式には船主責任やストライキ条項など詳細が規定されています。

船積依頼書(S/I*1)輸出者から海貨・通関業者に送る船積業務の依頼書で、B/L記載事項などの指示を行います。

また船積手続きや輸出通関に必要となるインボイス、パッキングリスト、輸出許認可書類なども送付します。

船積指図書(S/O*2)船積指図書は、船会社から本船船長宛に出される貨物の船積みを指示する指図書です。

荷主、受荷主、仕向港、商品明細などB/L情報とほぼ同様の事項が記載されます。

メーツレシート(M/R*3)メーツは本船の一等航海士(Mate)のことで、船積完了後に貨物の受取証として輸出者宛に発行される書類がメーツレシートです。

メーツレシートの書式や記載事項もB/L情報とほぼ同様の事項が記載されます。

実務的には、海貨・通関業者が船会社より船積指図書とメーツレシートのブランクフォームを預かり、輸出者からの船積依頼書(S/I)に基づいてB/L情報を記入して、船会社にはS/Oを、本船にはM/Rを提出して署名を取得する流れで作成されています。

保証状(LetterofGuarantee)本船が受取った貨物に損傷が発見された場合、メーツレシートに損傷の状況がリマーク(Remark留保事項)として記載され、そのリマークは船荷証券(B/L)に記載されることになります。

しかしながら、貿易取引ではリマークの入っていないクリーンB/Lが要求されるのが通常で、とくにL/C決済の場合にはリマークの入ったB/Lは銀行に買取りを拒否されます。

このような場合、船会社の合意が得られれば、輸出者はリマークをB/Lには記載しないことによる一切の責任を負う保証状(L/G)を船会社に差し入れて、クリーンB/Lを発行する場合もあります。

到着案内書(ArrivalNotice)本船の仕向港到着予定日(ETA*4)が近づけば、船会社代理店は船荷証券に記載されているNotifyParty宛に到着予定案内や貨物引取りに必要な港湾諸チャージ等の請求金額を連絡し、貨物引取り準備を促します。

荷渡指図書(D/O*5)荷渡指図書は、仕向港において船会社が本船または上屋管理者宛てに発行する、貨物引渡しの指図書です。

輸入者は船荷証券を船会社代理店に差入れ、その引換えに船会社より荷渡指図書を受取り、本船または上屋管理者に呈示して貨物を引取ります。

実務的には、正当な荷受人であることが確認できる場合、荷渡指図書は省略される運用も行われています。

ボートノート(B/N*6)ボートノート(B/N)は本船から貨物を荷揚げした際に、輸入者の委託を受けた検数機関が本船宛に渡す貨物受取証です。

ボートノートには品名、個数、荷印、荷揚日などの貨物荷揚げに関する明細が記載されます。

もし、個数の不足や貨物に損傷が発見されればその状況はボートノートにリマークとして記入され、船会社への賠償請求や保険求償に使用されます。

*1S/I:ShippingInstruction

*2S/O:ShippingOrder*3M/R:Mate’sReceipt*4ETA:EstimatedTimeofArrival*5D/O:DeliveryOrder*6B/N:BoatNote

0322船荷証券Trading船荷証券(BillofLading)の機能と条約運送人の責任は条約で規定されています。

船荷証券の機能貿易取引において、輸出者から輸入者に流通していく書類の中で最も重要な役割を占めるのが船荷証券(B/L)です。

船荷証券は、貨物の受取証であり引渡し請求権を持つこと、有価証券であること、運送契約書であることの3つの機能を持っています。

船荷証券や運送人の責任に関する国際的なルールヘーグ・ルール「船荷証券統一条約」(1924年)船荷証券に係る運送人の権利・義務を詳細に規定した条約で、運送人の責任となる損害(堪航能力不足、商業過失)と責任とならない損害(航海過失、天災その他)などを定めています。

ヘーグ・ヴィスビー・ルール「船荷証券条約の一部を改正する議定書」(1968年)本条約はコンテナ貨物の台頭など輸送環境の変化に対応してヘーグ・ルールを補完した改正で、運送人の賠償責任限度額を1梱包もしくは1単位当たり666.67SDRまたは総重量1kgにつき2SDRのいずれか高いほうとするパッケージリミテーションなどを規定しています。

ハンブルグ・ルール「国際連合海上物品運送条約」(1992年)荷主の権利の強化を求めて国連UNCTADの場で開発途上国中心に策定された条約で、運送人の責任範囲はヘーグ・ルールより拡大され、パッケージリミテーションも835SDR/パッケージまたは2.5SDR/kgと重く規定されています。

日本を含む先進諸国の多くは批准していません。

ロッテルダム・ルール「新国連国際海上物品運送条約」(2009年)国際海上物品運送法の統一を目的に国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)が策定し、2009年9月にロッテルダムにて調印された条約です。

日本を含む先進諸国の多くはまだ批准していません。

本条約ではパッケージリミテーションは875SDR/パッケージまたは3SDR/kgと規定されています。

0323船荷証券Trading船荷証券(B/L)の種類船荷証券はフォーム、記載内容、機能などにより分類されます。

オリジナルとコピー有価証券として有効な原本がオリジナルで、紛失時に備えてOriginal(1st)、Duplicate(2nd)、Triplicate(3rd)の3通が発行されます。

3通はいずれもオリジナルとして貨物引渡し請求権の効力を持っており、いずれか1通を船会社に差し入れると貨物は引渡され、同時に他の2通の効力は消滅します。

コピーはB/L情報の確認や伝達用に使用されます。

船積式(ShippedB/L)と受取式(ReceivedB/L)船荷証券の書式による分類です。

船積式B/Lは、貨物の船積みが確認されたことを示す‘Shipped’の文言が印刷されている書式で、港から港の船舶海上輸送で使用されています。

受取式B/Lは、運送人が貨物を受取ったことを示す‘Received’の文言が印刷されている書式で、コンテナ輸送や複合一貫輸送で使用されています。

記名式(StraightB/L)と指図式(OrderB/L)船荷証券のConsignee欄の記載内容による分類です。

記名式は、Consignee欄に荷受人名を明記したB/Lで、貨物は記載された荷受人にのみ引渡されます。

指図式は、Consignee欄に荷受人名を明記せず「toorder」や「toorderofshipper」と記載し、ShipperがB/Lに裏書き(endorsement)することにより荷受人を指定できるようにして流通性を持たせたB/Lです。

指定を受けた荷受人は裏書を繰り返すことにより権利を移転させることができます。

荷受人を指定せずに白地裏書(blankendorsement)された場合は、B/L持参人に貨物は引渡されます。

CleanB/L(無故障)とFoulB/L(故障付)船会社が受取った時点で貨物にキズなどの瑕疵が発見され、その旨のリマーク(Remark)が記載されたB/LをFoulB/L(またはDirtyB/L)、そのようなリマークの付いていないB/LをCleanB/Lと呼びます。

信用状統一規則では「銀行は、無故障運送書類(cleantransportdocuments)のみ受理する」と規定されています。

StaleB/L(呈示期限切れ)信用状統一規則で規定されている運送書類の呈示期限(notlaterthan21calendardaysafterthedateofshipment)を過ぎてしまった状態のB/Lのことです。

たとえば、B/Ldateが5月1日(水)であれば、B/Ldate翌日からカウントし21日目の5月22日(水)がStaleとならない最終日で、23日以降がStaleとなります。

信用状によっては、呈示期限が短縮されている場合もありますので、注意が必要です。

LongFormB/LとShortFormB/L裏面に運送約款が記載されているB/LがLongFormB/Lで、記載が省略されて裏面は白いB/LがShortFormB/Lです。

通常、定期船はLongFormB/L、不定期船ではShortFormB/Lが使用されます。

CharterPartyB/L(用船契約B/L)

用船契約(CharterParty)に基づいて発行されるB/Lです(0319書類の流れ参照)。

信用状統一規則(UCP600)では、「CharterPartyB/Lをacceptする文言が入っていれば買取りが行われる」と規定していますのでL/C決済の場合、輸出者はL/Cに「CharterPartyB/Lacceptable」の文言を挿入するように輸入者に義務付けておく必要があります。

CombinedTransportB/LまたはMultimodalTransportB/L複合一貫輸送において全区間をカバーして発行されるB/Lです。

上記の船荷証券(B/L)は、受取式の書式で作成されたオリジナルB/Lで、リマークの記載のないClean(クリーン)B/Lです。

Consignee(荷受人)欄は指図式で記載されているOrderB/Lですので、オリジナルB/Lの裏面にShipperが裏書することによって貨物の権利譲渡が可能となる流通性を持っています。

本サンプルは受取式書式ですが、船積確認文言(OnBoardNotation)が付記されているので、船積式と同等に取り扱われます。

本サンプルのような定期船コンテナ輸送には、裏面に運送契約が記載されているLongFormB/Lが使用されます。

上記の船荷証券(B/L)は、船積式の書式で作成されたB/Lのコピーです。

オリジナルではないので有価証券ではありません。

Consignee(荷受人)欄は記名式で記載されているStraightB/Lです。

記名式B/Lは、多くの国では裏書による権利譲渡が許されていないため、オリジナルであっても基本的には流通性は持っていません。

本サンプルB/Lには「No.3holdCargopartlywet」というRemark(リマーク)が記載されており、このままオリジナルB/Lが発行されるとFoul(故障付)B/Lとなります。

本サンプルのように用船契約に基づいて発行されるCharterPartyB/Lには、通常は裏面が白紙のShortFormB/Lが使用されます。

0324船荷証券Trading海上運送状(SeaWaybill)海上運送状は、有価証券ではなく流通性を持ちません。

海上運送状(SWB:SeaWaybill)とは海上運送状は、運送書類の一種であり貨物受取証と輸送契約書の機能は持っていますが、有価証券ではなく、貨物引渡請求権はありません。

海上運送状の書式は船荷証券とほとんど同じように見えますが、いくつかの重要な点での違いがあり、その一つとして非有価証券であることを明確にする「NonNegotiable」(流通性がない意味)の文言が表示されています。

海上運送状の記載事項は船荷証券と変わりはありませんが、受荷主(Consignee)欄は必ず記名式で発行されます。

仕向港において、輸入者は海上運送状を船会社に提出する必要はなく、海上運送状に記載された受荷主であることが確認されれば貨物は引渡されます。

海上運送状の利用企業グループ内の貿易のように、荷受人が固定しており代金決済に船荷証券(B/L)をあえて必要としない取引では、船荷証券の紛失リスクがなく事務処理も軽くなる海上運送状の利用価値が高まります。

また、貨物の引渡しに海上運送状の提出は不要であることから、B/Lの危機への対応策としても有効です。

海上運送状は、万国海法会(ComitéMaritimeInternational:ベルギーの公益法人)により「海上運送状に関するCMI統一規則」(CMIUniformRulesforSeaWaybill)が1990年に採択されており、荷送人による運送品処分権などが規定されています。

0325船荷証券TradingサレンダードB/L(SurrenderedB/L)サレンダードB/Lは、条約や法律に基づかない便宜的・変則的な手法なので、できるだけ避けるのが賢明です。

サレンダードB/LとはサレンダードB/Lは、船積みの元地で回収(Surrender)されたB/Lのことで、船荷証券の種類を表すものではありません。

日中間貿易のように近距離貿易輸送の場合、書類よりも船のほうが先に仕向港に到着してしまう「B/Lの危機」への対応策の一種です。

サレンダードB/Lの流れ輸出者は船積地で発行されたオリジナルB/L全通を船積地で船会社に差入れ、すなわちB/LをSurrenderし、船会社に対して輸入者への貨物引渡しを依頼します。

船会社は、引渡し先の間違いを避けるため記名式のB/Lに限定することが一般的です。

また、荷主からの求めがあれば、「Surrendered」のスタンプが押されて無効となったオリジナルB/Lが荷主に渡されます。

船会社は、B/Lを元地で回収した旨を仕向港の代理店に連絡し、輸入者はB/Lの提示なしに貨物の引渡しを受けます。

サレンダードB/Lの留意点サレンダードB/Lを行う場合に、輸出者としては代金回収の手立てを確保しておくことが重要です。

サレンダードB/Lは、B/Lが持つ担保証券としての機能を放棄していますので、荷為替手形決済には基本的には不向きです。

また、サレンダードB/Lは信用状統一規則に記載されている書類ではありません。

信用状取引に使用できるかどうかは、銀行との協議次第となります。

0326船荷証券TradingB/Lの危機(B/LCrisis)近距離の貿易取引では、船積書類よりも先に本船が仕向港に到着するときがあります。

船荷証券の危機(B/LCrisis)コンテナ船の高速化などの理由で、貨物が仕向港に到着しているにもかかわらず、B/Lが受荷主の手元に届いていない、いわゆるB/Lの危機と呼ばれる事態がとくに近隣諸国との貿易において発生しています。

対応策として以下の方法が採られています。

保証状(L/G*)荷渡し最も一般的な対処方法で、輸入者が船会社に保証状(L/G)を差入れて貨物を引取る方法です。

船会社は通常は銀行の連帯保証を求めますので輸入者には銀行との交渉と手数料の負担がかかります。

輸入者はB/L入手後、船会社にB/Lを差入れて保証状を解除して銀行に返却します。

保証状荷渡しで貨物を引取った場合、後日到着した船荷証券を含む船積書類にディスクレパンシーが発見されても、輸入者および銀行は、ディスクレを理由にアンペイドの措置を採ることは事実上できません。

仮にアンペイドの措置を採って船積書類を輸出地の銀行に返却しても、船荷証券の正当な所持者による船会社への貨物の引渡し請求に対して船会社は実行できず、結局はL/Gに基づいて輸入者およびその連帯保証人である銀行がインボイス金額と場合によっては利息や損害金などの賠償の責を負うことになるためです。

B/L直送輸出者から輸入者にB/Lを直接送付する方法です。

輸出者としては、代金回収の手立てを確保しておくことが重要となります。

B/L全通を送る場合は、紛失防止のため必ず別便で送ることが肝要です。

海上運送状(SWB)の使用荷受人が決まっておりB/Lを流通させる必要がない取引であれば、海上運送状を使用する方法が考えられます。

グループ企業でない場合、輸出者は代金回収に不安のない決済条件で売買契約を結んでおくことが肝要です。

B/L元地回収(SurrenderedB/L)輸出者がB/Lを船積元地で船会社に差入れる方法です。

この場合も、B/L直送と同様に輸出者としては、代金回収の手立て確保が重要です。

B/L元地回収(サレンダードB/L)は、条約や法律に基づかない変則的手法ですが、日本とアジア間で便宜的に使われることがあります。

B/L元地回収の手法は、代金回収問題以外にも船会社等運送人とのトラブルが発生することもあるので、できるだけ避けるのが賢明です。

欧州等では、前述のSeaWaybillが一般的に使われています。

*L/G:LetterofGuarantee

0327船荷証券TradingB/Lの紛失万一の紛失に備えてオリジナル3通は別便で送付します。

オリジナルは3通発行される船荷証券は有価証券ですので、紛失した場合に簡単に再発行できるものではありません。

紛失対策として、船荷証券のオリジナルは通常3通発行されており、いずれか1通を船会社に差入れれば貨物を引取ることができ、その時点で残りの2通は失効します。

この機能を活かし、オリジナル3通は必ず別の便で送付し、B/L全通を紛失してしまうリスクを防ぎます。

万が一なんらかの理由でオリジナルB/L全通を紛失してしまった場合は、貨物引取りのための実務的な手続きと有価証券を再発行するための法的手続きを進めることとなります。

B/L紛失時の実務的手続き日本の輸入者がB/Lを紛失した場合は、B/Lの再発行を船会社と交渉するか、あるいは保証状荷渡しによる荷渡しで貨物を引取り、一方で当該B/Lを無効とする除権決定を得る法的手続き(公示催告手続き)を取る方法が考えられます。

B/Lの再発行には銀行連帯保証(BankL/G)やCashDepositを要求されるのが一般的です。

また、除権決定を得るには数カ月以上の日数を要するといわれています。

日本の輸出者がB/Lを紛失した場合、当該B/Lを無効とする法的手続きは輸入地の法に従うこととなります。

いずれにせよ、B/L再発行や法的手続きは想像以上の時間と費用がかかることとなりますので、B/Lの取扱いには細心の注意が必要です。

0328航空輸送Trading航空輸送の貨物とスペース航空輸送には旅客機と貨物専用機が使用されています。

航空輸送に適した貨物航空輸送は、1958年に民間航空業界にジェット機が就航、1960年代に貨物専用機も登場し、その後は貿易取引の主要輸送手段の一つとして急速に発展してきました。

スピードを特徴とする航空輸送は次のような貨物の貿易輸送に利用されています。

・緊急を要する貨物プラント機器類の修理部品など・商品の劣化が進みやすい貨物生花、生鮮食料など・運賃負担力の高い貨物電子機器、IC関連機器など・盗難リスクを避けたい貨物貴金属、美術品、紙幣など・旅客に付随して急送する貨物引越荷物、愛玩動物など・地上での輸送力が弱小な場合僻地への輸送航空輸送に用いられるスペース航空輸送には、旅客機と貨物専用機の両方が使用されます。

旅客機の場合は、上半分のメインデッキは旅客が使用し、客室下部のベリースペースに旅客荷物と商用貨物が積込まれます。

貨物専用機は窓がなく、メインデッキとロワーデッキ(ベリースペース)の両方が貨物室として使用されます。

積込み方式航空機への搭載は、ULD*と呼ばれる航空コンテナやパレットなどの器具を使用する方法と、そのままばらで積むバルクローディング方式があります。

コンテナローディングシステムは、貨物室の形状に合わせて作られた航空用コンテナに貨物を入れる方式で、貨物の保護に適しています。

パレットローディングシステムは、硬質アルミ製の板(パレット)に貨物を積付ける方式で、この場合も機体貨物室の形状に合わせてユニット化します。

バルクローディングシステムは旅客手荷物のように貨物をそのまま積む方法で、1梱包の大きさや重量は制限を受けることになります。

*ULD:UnitLoadDevices

0329航空輸送Trading航空運賃航空運賃はIATAが策定します。

航空運賃タリフ航空運賃は国際航空運送協会(IATA*1)が策定し各国政府機関が認可した運賃表(Tariff)が基本運賃として採用されています。

基本運賃には以下の種類があります。

一般貨物賃率(GCR*2)一般的な運賃で重量が増えるほどkg当たりの運賃率が逓減する設定となっています。

品目分類賃率(CCR*3)一定の地区間や地区内で輸送される動物、貴重品、新聞、雑誌などの特定された貨物品目に対する割引または割増運賃率で、ClassRateとも呼ばれ、GCRに優先適用されます。

特定品目賃率(SCR*4)特定品目に対して特定区間に設定されている割引運賃で、SPECまたはCORATEとも呼ばれ、GCR、CCRに優先適用されます。

有効期限や適用条件が定められている品目もあります。

最低料金(MinimumCharge)上記の賃率に対して算出された料金が一定額に満たない場合に適用される下限金額のことです。

航空運賃は、上記の基本運賃に各航空会社が設定する燃料サーチャージなどの割増運賃(Surcharge)の合計で算出されます。

航空運賃の計算方法航空運賃の算出は、実重量(actualweight)と容積重量(volumeweight)の比較で計算重量が決定されます。

具体的には、容積重量を6,000cm3=1kgとして換算し、端数は0.5kg単位で切上げて比較し、実重量と容積重量のどちらか大きい重量を運賃計算重量として運賃を計算します*5。

*1IATA:InternationalAirTransportAssociation*2GCR:GeneralCargoRate*3CCR:CommodityClassificationRate*4SCR:SpecificCommodityRate

*5フォワーダー(利用航空運送事業者)はIATA運賃にしばられないので、異なる容積重量の換算率を適用することがあります。

0330航空輸送Trading直載貨物と混載貨物航空貨物輸送はフォワーダーによる混載貨物の利用が主流となっています。

航空貨物輸送の手配方法航空貨物輸送では、輸出者あるいは輸入者が航空会社と直接輸送契約を結ぶ直載貨物(StraightCargoまたはDirectCargo)と、フォワーダーと呼ばれる航空貨物混載業者に申込む混載貨物(ConsolidationCargo)の2通りの方法があります。

直載貨物の航空運賃はIATA運賃が適用され、航空会社が提供するサービスは空港から空港の輸送に限定されます。

混載貨物においては、フォワーダーは各荷主の貨物を取りまとめたうえで自らが荷主となり航空会社と輸送契約を結びます。

フォワーダーが荷主に提供する運賃はIATA運賃には縛られず自由に設定することができますので、IATA運賃の重量逓減制を活用して低い運賃率を航空会社から仕入れて、顧客に割安な運賃を提供しています。

フォワーダーは、輸出者の施設での貨物ピックアップから、梱包、ラベリング、書類作成、通関業務代行などの一貫サービスを提供しています。

この利便性より、現在は混載貨物が航空貨物輸送の主流となっています。

輸出者、輸入者のどちらが航空輸送手配を行うかは、貿易取引条件により決まります。

直載貨物の流れ大きなロットの貨物、ほかの貨物と混載が困難な危険品、到着後の貨物引取りに一刻を争う保冷品などは、フォワーダーを通さず直載貨物として輸送されています。

直載貨物では、輸出者が準備した商品を航空代理店が集荷して、輸出通関後に航空機に搭載されます。

到着空港では、貨物は荷卸し後貨物ターミナルに搬入されます。

航空会社は航空運送状に記載されている荷受人に連絡を取り、荷受人は輸入通関手続きをして貨物を引取ります。

直載貨物の航空運賃は上述のIATA運賃が適用され、航空運送状は航空代理店から荷主に発行されます。

混載貨物の流れ輸出者が航空輸送の手配を行う場合、輸出者はインボイスやパッキングリストなど輸出通関に必要な書類を準備し、フォワーダーに貨物のピックアップから、梱包、ラベリング、書類作成、通関業務代行など一連の輸出業務を委託する方法が一般的に行われています。

フォワーダーはほかの貨物との混載を仕立てて1つの貨物として、航空会社の貨物ターミナルに搬入します。

到着空港においては、フォワーダーは航空会社から貨物の引渡しを受けて受荷主(輸入者)別に小分けして、貨物を引渡します。

輸入者が航空輸送の手配を行う場合、フォワーダーは出発空港の代理店を通して輸出者と連絡を取り、貨物受取り場所や時期の打ち合わせを行います。

到着空港側では、輸入者は輸入通関から国内配送までの業務まで一貫してフォワーダーに委託する場合が多く、フォワーダーは業務完了後に一通の請求書で精算を行います。

0331航空輸送Trading航空運送状(AirWaybill)航空運送状は有価証券ではありません。

航空運送状(AWB*)航空輸送の運送人である航空会社やフォワーダーは貨物を受取った証として航空運送状を発行します。

航空運送状は運送契約書の機能を持っていますが、有価証券ではなく、表面に「NotNegotiable」と表示され流通性のない旨が記載されています。

実運送人である航空会社が発行する航空運送状をマスター・エアウェイビル(MAWB)、フォワーダー(利用航空運送事業者)が発行する航空運送状をハウス・エアウェイビル(HAWB)と呼んでいます。

航空運送状のフォームはIATAにより統一化されており、通常オリジナルは3通発行されます。

オリジナルNo.1は航空会社用、No.2は受荷主用で貨物と一緒に仕向空港に送られ、No.3は荷主に発行されます。

航空運送状の書式は受取式(Received)で、荷受人(Consignee)欄は常に記名式で発行されます。

到着空港において、荷受人が貨物の引渡しを運送人に請求する際、航空運送状の呈示は必要ありません。

運送人は航空運送状に記載されている荷受人であることが確認の後、貨物を引渡します。

航空輸送と条約航空運送状の法的性質や運送人の責任等を規定する条約には、ワルソー条約、ヘーグ議定書(改正ワルソー条約)、モントリオール条約(1975年採択、1998年発効、日本は2000年に批准)があります。

モントリオール条約では運送人の賠償責任額1kg当たり19SDR(2009年改正)と規定されています。

*AWB:AirWaybill

0332航空輸送Trading航空輸送の書類航空輸送の貿易取引でL/C決済を行うしくみは次の通りです。

リリースオーダー(BankReleaseOrder:航空貨物引渡指図書)航空貨物の代金決済を信用状付き荷為替手形で行う場合、信用状発行銀行は、自らを貨物の荷受人とした航空運送状を信用状の要求書類として貨物の担保性を確保するのが一般的です。

銀行は、輸入者(すなわち信用状発行依頼人)から輸入担保貨物保管書(AirTrustReceipt)を受取り、航空会社または混載業者宛のリリースオーダーを発行し、輸入者への貨物引渡しを指図します。

実務的には、リリースオーダーは航空会社またはフォワーダーが作成して輸入者に渡し、輸入者は銀行の署名捺印を取得した後に、航空会社またはフォワーダーに提出して貨物を引取るという運用がなされています。

フォワーダーの請求書フォワーダーは、通関手続きや梱包など請け負った業務をまとめて航空運賃とともに一本の請求書で請求を行います。

航空貨物到着案内(ArrivalNotice)到着空港では、フォワーダーは貨物到着案内を輸入者(荷受人)に送付し、輸入通関など諸業務の連絡を行います。

荷渡指図書(航空輸送)輸入者(荷受け人)は到着案内を受取れば、デリバリーオーダー(D/O荷渡指図書)の発行を受けて、荷物を引取ります。

0333複合輸送Trading国際複合一貫輸送(InternationalMultimodalTransport)NVOCCが国際複合一貫輸送の中心的役割を果たしています。

複数の輸送モードを組合せ、一本の運送契約で引受け国際複合一貫輸送とは、船、鉄道、トラック、航空機などの輸送手段から2つ以上を組み合わせて行う国際輸送を、1つの運送契約として引受ける輸送形態です。

たとえば海と空の組合せでは、日本から米国西海岸のシアトルまでを船舶輸送しその後欧州まで航空輸送するSea&Air輸送、海と陸の組合せでは、日本からナホトカまでを海上コンテナ輸送しその後欧州までを貨車で輸送するシベリア・ランド・ブリッジ(SLB)があげられます。

国際複合一貫輸送の手配国際複合一貫輸送契約の引き受けは、自ら輸送用具を持つ船会社や航空会社のほかに自らは輸送用具を持たないNVOCC*と呼ばれる輸送業者が行っています。

国際複合一貫輸送では、複合運送証券(MultimodalTransportB/LあるいはCombinedTransportB/Lと呼ぶ)あるいは、船荷証券、SeaWaybill,AirWaybillが複合運送人により発行されます。

複合運送証券における運送人の責任は、輸送区間ごとに適用される各下請運送人の運送約款と法体系を採用するネットワーク・ライアビリティ・システムが主に適用されています。

(参考:複合運送人が全輸送区間を単一の責任原則で責任を負うユニフォーム・ライアビリティ・システムを採用している国連国際物品複合運送条約は1980年に成立していますが発効はしていません)

0334複合輸送Tradingロジスティクス各種情報をシステムで管理し、物流の全体最適化の取組みが行われています。

ロジスティクス(Logistics)ロジスティクスとは、顧客の要求を満たすために、製造地点から消費地点に至る商品の保管や輸送の一連の流れを効率的に計画・運営・管理する活動のことです。

元々は米国の軍事用語で、前線部隊が必要とする兵員、武器弾薬、食料品、医療品などの物資を作戦計画に合わせて効率的に配送する活動のことですが、ビジネスにおいても顧客ニーズに合わせて行う活動として用いられています。

このロジスティクス活動は企業内だけでなく複数の企業を跨って行うことも有効で、原材料の調達から製造、在庫、客先への製品輸送販売の一連の鎖(チェーン)を管理することからサプライチェーンマネージメント(SCM:SupplyChainManagement)と呼ばれています。

サードパーティーロジスティクス(3PL)ロジスティクスやサプライチェーンマネージメントを実行していくためには、一連の物流や在庫情報の把握とその情報分析ツールとなる物流システムの構築が必要となってきます。

このような物流管理を請負う物流業者をサードパーティーロジスティクス(3PL)業者と呼んでおり、企業の物流業務の全体あるいは一部の管理運営サービスを提供しています。

 

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