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Chapter1インチキダイエットに騙されるな!

はじめに私は今、猛烈に怒っている。

日本のダイエット業界やメディアのやり方に、その無責任さに、だ。

科学的根拠のないインチキダイエットや食事法を次々と打ち出しては、その後のフォローは何もなし。

キレのある誘い文句と甘い言葉で次々と消費者を騙し続けているその態度に、心底うんざりしている。

なんなら、ぶっ潰してやりたいと思っている。

筋トレと正しい食生活により肥満体型を脱した私だが、かつては体重が110㎏あった。

インチキなダイエット情報の被害者になったこともあるし、経験上、太っている人間にとってダイエットがいかに大切なものかも理解しているつもりだ。

間違ったダイエットや食事の情報は、消費者の人生を大きく左右しかねない。

実際、過去に流行ったさまざまなインチキダイエットが原因で心も体も傷ついた人は大勢いる。

ダイエットの失敗が引き金となって摂食障害になった人、「瘦せられない自分はダメな人間だ」と思い込んでしまった人……。

藁にもすがる思いでダイエットを試しては失敗をくり返す。

それがどれだけ心と健康に悪影響を与えるか、ダイエット業界やメディアの人間は考えたことがあるのだろうか?この世には体型について本気で悩む人間や「またダイエットに失敗しちゃった。

アハハ!」では終わらない人間もたくさんいる。

こういった人たちは、インチキ情報を垂れ流したダイエット業界やメディアの犠牲者になってしまっている。

そのことを考えるたび、私は悲しみと、それ以上の怒りを覚える。

しかし、私がここでいくら怒ったところで、ダイエット業界やメディアの人間たちはこれからもインチキでふざけたダイエット情報を世にばらまき続けるだろう。

その犠牲者は減らないどころか、今後も増え続けていくはずだ。

情報を発信する側が変わらないのであれば、受け手側自身で防衛策を講じる必要がある。

インチキダイエットに踊らされないために必要なのは、本物の知識を身につけること。

そしてそれは、この本のタイトルにもした「最強の食べ方」を知ることだ。

この本で紹介するメソッドは決して派手ではないし、テレビや雑誌で紹介されるような華やかでキャッチーなものでもない。

だが、ダイエットの原理原則に立ち返ったメソッドなので、無理なく続けられ、一生モノの知識になる。

あなたの人生のコンパスとなり、今後の食生活をより充実したものにしてくれるはずだ。

この本で伝える内容をダイエット業界やメディアは絶対に伝えようとしないだろう。

揺るぎのない真実は、お金にならないからだ。

真実を伝え、本当に効果のある情報が広まってしまえば彼らは商売上がったりだ。

これから教えるメソッドは、そんなダイエット業界やメディアが「本当は伝えたくない」内容である。

そして、この本で伝える基本的なポイントを押さえていないダイエットは、すべてインチキだと思っていい。

約束しよう、本書のメソッドを知ったが最後、これがあなたの「最後のダイエット」となる。

現に私はこのメソッドに出会ってから10年間、一度も別のメソッドを試していない。

試す必要がなかったと言ったほうが正確かもしれない。

ここで自己紹介をさせてほしい。

私の名前はTestosterone。

1988年生まれの日本人だ。

日本生まれアメリカ育ち、話せる言語は3つ。

学生時代は、総合格闘技で州のチャンピオンシップ一歩手前まで無敗で上り詰め、現在はアジアの大都市で社長を務めている。

その傍ら、常に最高のパフォーマンスを発揮するため、筋トレエリートたちに囲まれながら日々黙々と筋肉を鍛え上げている。

また、2016年に完全無料のボディメイク情報サイト「DIETGENIUS」、2017年には有料オンラインパーソナルサイト「GENIUSPERSONAL」を、同年に無料のアスリートメディア「STRONGGENIUS」を立ち上げ、そこの代表も務めている。

ツイッターのフォロワーは18万人を超え(2017年6月現在)、ベストセラー作家という肩書も手にした。

そんな向かう所敵なしの俺が教えるメソッドだ。

期待してくれ!……すまない。

完全に調子に乗った(笑)。

だが、今回教える「最強の食べ方」が、文字通り最強であることは間違いない。

そこは安心してほしい。

「最強」と大々的に銘打っていると、「難しそう」とか「素人にはハードルが高そう」と思う人もいるかもしれない。

たしかに、「○○するだけ!」みたいな流行りのダイエットに比べると簡単だとは言わない。

だが安心してほしい。

私が教えるメソッドは超シンプルであることにこだわった。

ダイエットや正しい食事法について絶対に学ぶべき最低限のポイントのみを凝縮しているので、ムダなことは一切教えない。

むしろ、多くの人はこの最低限押さえるべきポイントに見向きもせず、食べ合わせだとか食べるタイミングだとか、優先順位の低いことに気をもんで結局ダイエットに失敗していく。

「ビタミンBがどのくらい必要で、リコピンはこのくらいで……」といった枝葉の部分ばかり気にしている。

だが、基礎を押さえない限り、いくらその他の細かい部分を気にしたところで仕方がない。

そこで、その基礎の部分をこの本に詰め込んだ。

よく考えてみてほしい。

最低限押さえるべきポイントを理解せずに行うダイエットは、アルファベットを覚えずに英語を勉強するくらい非効率的だ。

そんなことで、貴重なお金や二度と取り戻せない時間を浪費することは非常にもったいない。

万が一、健康を害すことがあれば笑い話では済まされない。

さあ、心の準備はいいだろうか。

私がみなさんに伝えたい「最強の食べ方」。

その正体は、先に答えを言ってしまうと、「マクロ管理法〔*〕」である。

聞き慣れない言葉かもしれないが、このマクロ管理法をマスターすれば、健康な肉体を手に入れることができる。

そして、食事という投資を迷わず正しく行うことができ、身体という資本を最高の状態に保ち続けることができる。

この本を通して、一生モノの知識となる「最強の食べ方」を授けよう。

断言しよう。

この本をじっくり読んで、最強の食べ方を会得するために使う時間は、あなたの人生において最も費用対効果の高い時間となる。

面倒だと思わず、しっかり読み切ってマスターしてくれ。

身体を常に最高の状態に保ち、自分の人生を堂々と歩んでいこうではないか!

本文に出てくる最強用語一覧■マクロ管理法性別・身長・体重・年齢・活動量、減量や増量などの目的別に、1日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスを導き出し、それに沿って食事をするメソッド■マクロ栄養素(3大栄養素)タンパク質・脂質・炭水化物のこと。

生命の維持に欠かせない存在■マクロバランスタンパク質・脂質・炭水化物をどのような割合で摂取して1日の総カロリーを満たすかということを指す■代謝人間が生きていくために必要な、エネルギーの生成などの生化学反応の総称■基礎代謝生きているだけで消費するエネルギーのこと■スキニーファット瘦せ太り。

筋肉が少ないため身体は細いが、脂肪は残っている状態■GI食後血糖値の上昇度を示す指標。

この値が高いほど、食後血糖値が上昇する。

GI値が高いものを「高GI」、低いものを「低GI」と呼ぶ■血糖値血液内のブドウ糖(グルコース)の濃度のこと。

摂取した炭水化物はブトウ糖(グルコース)に分解され、吸収されて、血液中に送られる■グルコースブドウ糖のこと■ケトン体体内の脂肪酸が燃焼するとき、肝臓で作られる物質。

通常、脳はブドウ糖をエネルギー源にするが、ブドウ糖が枯渇したときにケトン体がエネルギー源となる■MCT(中鎖脂肪酸)油はその分子の構造によって短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸に分けられる。

なかでも中鎖脂肪酸は、エネルギーへの変換が速く、中性脂肪になりづらい■テストステロン男性ホルモンの一種。

筋肉を増やしたり、生殖機能の発達に大きな役割を果たす■インスリン主に、血糖値を正常な値にするために働くホルモン。

脂肪燃焼を抑制する働きがあることや、インスリンによって血糖値が乱高下すると脂肪が蓄積しやすくなることから、「肥満ホルモン」という別名も持つ■プロテイン直訳すると「タンパク質」だが、水や牛乳に溶かして飲むパウダータイプやドリンクタイプなど、タンパク質を補給する食品を指すことが多い■トランス脂肪酸マーガリンなどに含まれており、一定量を摂取すると悪玉コレステロールを増加させ、心臓疾患のリスクが高まると言われている■不飽和脂肪酸血中の中性脂肪やコレステロール値の調節をサポートする存在■EPA・DHAエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸。

不飽和脂肪酸の一種で、魚に豊富に含まれる■アミノ酸スコア食品に含まれる必須アミノ酸の含有比率を評価する数値。

数値が高いほど「良質」とされる■オレイン酸不飽和脂肪酸の一種。

血液をサラサラにする効果などを持つ■リノール酸不飽和脂肪酸の一種。

血中コレステロールを下げる効果などを持つ■食事誘発性熱産生食事後に代謝量が増えること。

食事を消化分解するときに内臓の働きが活発化することなどが要因本文の用語には*を付けています

もくじはじめに本文に出てくる最強用語一覧Chapter1インチキダイエットに騙されるな!Lesson01等価交換がこの世の原則。

「楽に瘦せるダイエット」は、9割がインチキだ!Lesson02愚かなダイエットの果てに待つ、過食という「地獄」Lesson03日本人にとって炭水化物抜きダイエットは「超難関」Lesson04朝バナナダイエットで「太りやすく瘦せにくい身体」ができあがるLesson05筋トレがやっぱりすごい根本的理由Lesson06本気で瘦せたいなら、「ランニング」は恐ろしくコスパが悪いLesson07「どれだけいい運動も、悪い食習慣は倒せない」Lesson08「食事の知識」はビジネスマンの最強の教養であるChapter2筋トレビジネスエリートがやっているたった一つの「基本」Lesson09世界一シンプルで世界一続く!最強の「マクロ管理法」Lesson10必要なのはたった5つのステップだけLesson11【マクロ管理法の5ステップ①】1日の基礎代謝を計算するLesson12【マクロ管理法の5ステップ②】1日の消費カロリーを計算するLesson13【マクロ管理法の5ステップ③】目的ごとに1日で摂取すべき総カロリーを計算するLesson14【マクロ管理法の5ステップ④】目的ごとに各マクロの摂取量を割り出すLesson15【マクロ管理法の5ステップ⑤】あとは食事をするだけLesson16ダメとは言わない。

牛丼やラーメンの「現実」を見つめようLesson17「スイーツ食べちゃった……」焦るな、まだ間に合う!Lesson18アメリカで大人気のダイエットも、マクロ管理法がベースLesson19夜に食べすぎたら、反省はしても後悔はするな!Lesson20誘惑は、最初から計画に組み込め!Lesson21ルールをきちんと守っているのに、体重の変化がないときは?Lesson22マクロ管理法で、食べ物への感覚が研ぎ澄まされるChapter3何を食べ、何を食べないか──それが問題だ!Lesson23皮なし鶏むね肉と卵は「神食材」Lesson24逆に聞くが、プロテインを摂らない理由は何だ?Lesson25仕方なく外食するなら、「ステーキ」「焼肉」「刺身」Lesson26野菜ジュース、グラノーラ……健康そうな「不健康食品」に注意Lesson27「数字のトリック」に騙されるな!Lesson28アルコールはやめよう。

どうしてもの1杯は、「蒸留酒」でLesson29どうしても断れない上司との飲み会は「肉バル」を予約せよ

Chapter4これで完璧!「ワンランク上」の食べ方の知識

Lesson30ハイパフォーマーになりたいなら「低GI」を選べLesson31「肥満ホルモン」と筋トレの関係Lesson32「小分けにして食べる」は、いいことだらけLesson33二度と騙されない!「本物の情報」の見分け方Lesson34一時的減量を目的にするな!人生は続くぞおわりに巻末付録最強の筋トレめしレシピ

この世には、ありとあらゆるダイエットが存在している。

「最強の食べ方」という本を手に取るくらいだ。

あなたもさまざまなダイエットを実践してきたことだろう。

本当に効果のあるダイエットから科学的根拠がないものまで、いつの時代にも多くのダイエットが存在するが、ダイエットをするうえで絶対に忘れてはいけない大原則がある。

それは、カロリーという概念だ。

「摂取カロリー<消費カロリー」であれば瘦せ、「摂取カロリー>消費カロリー」であれば太り、「摂取カロリー=消費カロリー」であれば維持。

という非常にシンプルな原則である。

単純な話で、食べ物から摂取したカロリーを消費できなければ太る。

反対に、摂取カロリー以上の消費をすれば瘦せる。

どんなトリックを使おうとも、この原理原則をひっくり返すことはほぼ不可能だ。

そんなの当たり前?いやいや、1日に摂取すべき総カロリー数について触れていないダイエットは意外と多い。

「○○なら、いくらでも食べてOK!」といった触れ込みを見たことがある人は少なくないはずだ。

そして、ダイエットでは総カロリーだけでなく栄養価も大切な要素となる。

春雨スープとサラダだけ食べていればたしかに瘦せてはいくが、栄養価が圧倒的に足りない。

詳しくは後ほど説明するが、栄養価が足りなければ筋肉が減り、「代謝〔*〕」という人間が生きていくために消費するエネルギーの量が落ちてしまう。

つまり、カロリーだけ気にしていては「健康的に」瘦せることができないのだ。

だからこそ、1日の総カロリー数と3大栄養素の割合(タンパク質・脂質・炭水化物をどのような割合で摂取して1日の総カロリーを満たすか、ということ。

この本の中では「マクロバランス〔*〕」と呼ぶ)について触れていないダイエットは基本的にウソだと思っていい。

厳密に言えば「すべて」とは言い切れないが、一般の人がインチキダイエットに騙されないための一番の指針にはなる。

楽に瘦せるダイエットばかりが流行するが、そんなダイエットなど存在しないと思ってほしい。

ダイエットに限らず、人生において本当に価値のあるものは簡単に手に入らない。

「努力は一切必要ない!」とか「誰にでもできますよ~」なんていうのは詐欺の決まり文句だ。

等価交換がこの世の原則である。

楽して価値のあるリターンを得ようという態度がそもそもよくない。

だが、この本で紹介するメソッドとノウハウは、実践しやすいものになっている。

ダイエットの原理原則を愚直に落とし込んだので、複雑ではない。

食べ合わせがどうとか食べる順番を気にする人も多いが、そんな細かなことをいちいち気にしていたら脳がフリーズしてしまう。

やらないといけないことが多いと途端にやる気がなくなってしまうだろう?そんなことでは元も子もないので、細かなメソッドはいったん横に置いておき、超シンプルなものにこだわった。

詳しくはChapter2で伝えるが、マクロ管理法とは、あなたの性別・身長・体重・年齢・活動量から1日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスを導き出し、それに沿って食べるだけ。

超シンプルな食事法だ。

シンプルさにこだわったのには、理由がある。

それは、決して一時的なメソッドにしてほしくないからだ。

ダイエットや正しい食事は一生モノである。

過激なダイエットをすれば、たしかに短期間で瘦せるかもしれないが、そんなことを一生続けるなんて鉄人のようなメンタルがなければできない。

そもそも、鉄人のようなメンタルがあれば自分の体型に悩んでいないだろう。

というか、身体にも悪い。

1カ月で落としていい体重の目安は5%までだ。

それ以上は身体への負担が大きすぎるし、筋肉も減ってしまう。

一生続けられる健康なライフスタイルを習慣にしてほしいと思っているから、シンプルで誰でもできるメソッドにした。

複雑すぎてなかなか実践できない「最上級のプラン」と、シンプルで確実に実践できる「優秀なプラン」、どちらが「最強」と呼ぶにふさわしいだろうか?どう考えたって正解は後者だ。

シンプルで誰でもできるからこそ「最強」なのだ。

なぜ私がここまでインチキダイエットに対して怒りをあらわにしているか。

その理由の一つとして、私自身が身をもって経験した辛い過去があるからだ。

私は学生時代、プロの格闘家たちに混じって本格的に格闘技をやっていた。

プロの格闘家たちはリスク覚悟で過激な減量を行っている。

それは、1試合で数千万円稼げるからこそなのだが、負けず嫌いな私は一緒になって彼らと全く同じ内容を、しかも減量に至ってはさらにハードな内容でやっていたのだ(笑)。

試合のために普段は90㎏ある体重を3カ月で80㎏まで落とし、最後は「水抜き」でさらに10㎏落とすという過激な減量をくり返していた。

今でこそ過激な減量と水抜きはその危険性が認知され、あまり行われなくなってきているが、当時はまだイケイケな時代。

仲間と共に厳しい減量と練習をし、試合が終わるたびにバカ食いするという生活が続いた。

レストランにあるスイーツを全種類頼むとか、レストランを3軒ハシゴするとか、試合後はそういう行動をくり返していた。

試合前日に70㎏、当日に80㎏、3日後には93㎏みたいなことはザラ。

すると、いつしか私は、スイーツを食べると脳内麻薬が出る身体になってしまった(笑)。

いわゆるアルコール依存症のスイーツ版。

ひとたび口にすると、自分の意志で止めることはできず、バカ食いするようになってしまったのだ。

もう美味しくないし苦しい……という状態になっても、なぜだか手が止まらない。

スイーツと上手く付き合っていこうと何度も試みたが、あきらめた。

アルコール依存症と同じで、一度飲めば発作が起こる。

「週に1回、ケーキを一つだけ♡」なんていうバランスのいい食べ方ができないので、もう完全に断っている。

克服できない弱点は避けて通るしかない。

「見るな触れるな」で避けているが、それでも接待などの食事会で魔が差しデザートを食べてしまったりすると、今でも発作に襲われる。

自制心が比較的強い私ですらそんな状況に陥るのだから、過食に陥る危険は誰にでもある。

私の場合は、過度な体重制限によって過食に走ってしまったが、「過度な体重制限」をそのままダイエットにすると、当てはまる人は少なくないと思う。

さらに、過食で自己嫌悪に陥り、拒食に入ってしまうと本当の地獄が訪れてしまう。

幸い、大切な大切な筋肉ちゃんが犠牲になる拒食なんて選択肢にすらなかったから、私は拒食にはならなかった。

冗談じゃなく、筋肉に命を救われたのだ(笑)。

だが、もしこれが、一般の人や女子高生、OLさんといった、筋肉の知識がなく「瘦せている=美しい」という概念を持った人であれば、拒食になる可能性が高い。

もし「過食拒食」のサイクルに一度入ってしまうと、抜け出すことは非常に難しい。

場合によっては、うつ病になることだってあるかもしれない。

特に女性で、拒食と過食をくり返す人は珍しくない。

男性で摂食障害になることは珍しいが、摂食障害までいかなくても、間違ったダイエットによって何らかの形で健康を害することは十分考えられる。

間違ったダイエットによって人生の取り返しがつかなくなる場合もある。

だからこそ、無責任に間違った情報を垂れ流すダイエット業界やメディアに怒りを覚えている。

そして、それを正そうとする人や、正しいダイエット法を広める人がいないから、私が自分でやることにしたのである。

「最強の食べ方」の具体的な話に入る前に、間違いだらけのダイエットがあまりにも多いので、もう少し触れておきたい。

昨今、ブームとなっているのが炭水化物抜きダイエットだ。

夕食時だけ炭水化物を抜いたり、定食でライス抜きにするといったライトなものから、まるでベジタリアンが肉類を徹底的に避けるかのごとく、日々の食事から炭水化物を排除する人までいる。

この炭水化物抜きダイエットだが、素人は手を出すべきではないというのが私の意見だ。

本来の炭水化物抜きダイエットは「炭水化物を抜けばOK!」なんていう単純なダイエットではない。

そうではなく、炭水化物の代わりに「ケトン体〔*〕」をエネルギーとして利用するのだ。

だが、普段の食事から炭水化物をカットしたからといって、すぐにケトン体をエネルギーとして使用できるかというとそうでもない。

簡潔に言うと、炭水化物をほぼカットする代わりに、脂質から摂取するカロリーの割合を大幅に引き上げる必要があるのだ。

その他にも、1日の炭水化物摂取量は20~40g以内に抑えるであるとか、適量のMCT〔*〕(中鎖脂肪酸)オイルを摂取するとか、高タンパクを心がけるなど、たくさんのポイントがある。

炭水化物抜きダイエットをやっている人も多いと思うが、この事実を知っていただろうか?気軽に始められそうな炭水化物抜きダイエットだが、実はそういったルールを理解しないといけない。

はっきり言ってめんどくさいし、何より、炭水化物だらけの日本食との相性は最悪だ。

日頃から炭水化物を摂取しすぎている人が、炭水化物の量を少し減らすことで結果として上手くいっている場合もある。

しかし、炭水化物抜きダイエットは正しい方法で行わないと、仕事や運動のパフォーマンスが間違いなく落ちることを覚えておいてほしい。

たとえば、炭水化物を徹底的にカットしている人で「仕事中ボーッとして集中できない」と悩んでいる人が周りにいたりしないだろうか?くり返すが、炭水化物抜きダイエットは米が主食である日本では色々とハードルが高い。

一時的であればできるかもしれないが、これを一生続けていくのは、「炭水化物抜きダイエットが趣味!」といったレベルの人や、フィットネス競技者でないと厳しいだろう。

継続して続けられることも、ダイエットにおいては重要なこと。

炭水化物抜きダイエットが素人でも長期的かつ、手軽にできるかといえば、どうしても疑問符がついてしまう。

優秀なダイエットであることに間違いはないのだが、それは正しくやった場合のみということを覚えておいてほしい。

「朝バナナダイエット」や「キャベツダイエット」など、いつもの食事を「特定の食べ物に置き換えるダイエット」は度々流行っている。

気軽さが売りになっているので、みなさんの中にも実践したことのある人は多いだろう。

この手のダイエット法は、普段の食事より低カロリーな物を食べて1日の総摂取カロリーを減らす、というロジックだ。

カロリーを最も重視する日本のダイエット的には「正解」とされている。

だが、1日に摂取すべき総カロリーとそこから導かれたマクロバランスを重視するマクロ管理法から見ると、決してすすめられる方法ではない。

そもそも、マクロ管理法抜きにしても問題点の多い方法である。

普段の食事を特定の食品に置き換えることによって、摂取カロリーは低くなる。

ダイエットの大原則である「摂取カロリー<消費カロリー」の状態が続くので、たしかに瘦せてはいくだろう。

しかし、瘦せていくのも一定のポイントまでだ。

特定の食品に偏って十分なタンパク質が摂取できていないと、筋肉の分解が起きてしまう。

これは、必要な栄養を食品から摂れていない身体が、筋肉を分解してエネルギー源にしてしまうからだ。

そして、長く続ければ続けるほど筋肉量が減っていく。

筋肉が減れば、代謝も落ちてしまう(代謝については後述する)。

このとき、体重計に乗ってみると、体重は減っているだろう。

体脂肪も多少減っているが、筋肉もガクッと減っている。

では、ここで「ダイエットに成功したから」といって普通の食事に戻したら……?筋肉が減り、代謝が落ちている状態なので、同時に消費カロリーも落ちている。

その状態でダイエット前と同じ食事をすると、同じ内容や量でも太りやすい状態になってしまう。

つまり、ダイエット前よりも「太りやすく、瘦せにくい身体」に仕上がってしまうのだ。

もちろん、リバウンドもしやすくなる。

このとき「リバウンドしたから」といってまた置き換えダイエットをすると、また筋肉が減り、代謝が落ちていくだろう。

完全なる悪循環だ。

つまり、誤った方法でダイエットすればするほど地獄が待っているのだ。

その頃には筋肉が減っているから、プロポーションも悪くなるはずだ。

「目標体重」には到達したかもしれないが、ポヨッとした、ブヨブヨの身体になってしまう。

いわゆる「スキニーファット〔*〕」というやつだ。

プロポーションの悪化に加えて、さらに身体のハリもなくなる。

タンパク質が不足していると肌や髪、爪の調子も悪くなるというおまけ付きだ。

置き換えダイエットは長期間続けられないし、その「おかしさ」はロジックで考えたらすぐにわかることである。

そもそも、一人ひとり体重や性別も違う。

しかも、「バナナを食べればいい」と一概にいっても、大きさや栄養価は異なっている。

「○○だけ食べればいい」というのはちゃんちゃらおかしい話である。

バナナダイエットではなく、「サラダチキンダイエット」なら、かなりマシにはなるが……(笑)。

「結婚式のために瘦せたい!」など、短期的なものなら有効だが、「健康のために瘦せたい!」といった長期的な目標を達成したい場合、このダイエットは破滅への一歩だ。

失敗が目に見えているダイエットに挑戦する価値などない。

この本を手に取ったあなたは、どうかこのようなダイエットの犠牲者にならないでほしい。

ここで少し、身体の仕組みについて紹介しておきたい。

当然だが、人間は生きているだけでエネルギーを消費している。

呼吸をしたり、体温を維持したりといった、生きているだけで使われるエネルギーを「基礎代謝〔*〕」と呼ぶ。

この基礎代謝、脂肪を減らすうえで重要である。

なぜなら、基礎代謝が上がれば、運動をしなくても生きているだけでより多くのカロリーが消費されるからだ。

たとえば、同じ量の食事を摂っていても消費するカロリーが多いから太りにくくなる。

当然、瘦せやすくもなる。

ここまで取り上げてきたような「食事を制限する系のダイエット」がおすすめできないのは、その基礎代謝を減らしているからだ。

では、基礎代謝を上げるには何が有効か。

それは、「筋トレ」である。

実は、筋トレ単体の消費カロリーはそれほど大したことはない。

筋トレのすごいところは、筋トレ「後」にもカロリーを消費してくれる点にある。

運動には「強度」という概念が存在していて、簡単に言えば「その運動をどれくらいの時間続けられるか」という指標だ。

徒歩やジョギングのように長時間続けられる運動の強度は低く、筋トレや100m走のように短時間で全力を投入するような運動の強度は高くなる。

実は高強度の運動は、運動終了後にもエネルギーを消費している。

これを「EPOC」(運動後過剰酸素消費量)と言い、ランニングやウォーキングといった低強度の有酸素運動だと、この効果があまり得られない。

加えて、筋トレによって分泌される成長ホルモンは脂肪の分解を促進する働きも持っている。

また、筋トレによって身体に筋肉がつくと、仕事をしたり歩いたりといった普段の生活で使うエネルギーである「活動代謝」も増える。

しかも、筋トレをすると、基礎代謝が上がることに加えて、テストステロン〔*〕やエンドルフィン、アドレナリンなどの分泌も促してくれる。

つまり、やる気アップやリラックス効果まであるのだ。

筋トレで、「非モテ」も「うつ気味」も「仕事」もすべて解決すると公言している私だが、大まじめに説明するなら、ここで述べたことが、私が筋トレをいつもおすすめしている理由なのである。

*正確には基礎代謝+活動代謝と言ったほうがいいかもしれないが、話がややこしくなるので「基礎代謝=1日の生活において消費されるカロリー」という定義で話を進めていく。

ダイエットの大原則である「摂取カロリー<消費カロリー」。

この原理原則に従えば、消費カロリーを増やすこともダイエット成功への近道となる。

そのため「最近太ってきたな~」などと思ったとき、一番にランニング(有酸素運動)を始めてみる人は多いだろう。

週末になるとよくランナーを見かけるし、ジムにはランニングマシンがずらりと並び、多くの人が汗を流しながら走っている。

このランニング、初心者でも始めやすいエクササイズであり、カロリー消費以外にもリフレッシュや趣味として楽しめる側面があるので、とてもいい運動であることに間違いはない。

実際に私も行っている。

だが、「ランニングを主軸としたダイエットが効果的か?」と問われれば、答えはノーと言わざるを得ない。

その理由は、実際の消費カロリーを見てもらえばわかるはずだ。

ランニングの消費カロリーはおおよそ「体重×距離(㎞)」である。

たとえば、60㎏の人が10㎞走ったら600の消費になる。

10㎞走るのはだいぶしんどいが、消費カロリーはたったこれだけなのだ。

一方で、みなさんは体脂肪を1㎏落とすのに、何消費しなければならないか、ご存知だろうか。

答えはずばり、約7200。

つまり、体重60㎏の人が体脂肪を1㎏落とすには、単純計算で120㎞走らなければならない。

120㎞、つまり東京マラソンを3回走り切ってやっと1㎏の体脂肪が燃えるイメージだ。

どうだろう、気が遠くなる数字ではないだろうか?ランニングはたしかにダイエットには非常に効果的だが、このようにランニングのみのアプローチでは効率が悪いのである。

摂取カロリーには敏感なのに、消費カロリーに注意を払っている人が少なく感じる。

また、運動量を増やして食事量を減らしたのに、体重が減らなかったり、鏡に映る自分が少し太って見えるなんて経験はないだろうか?それは、身体は体脂肪と一緒に筋肉も分解してしまうからだ。

筋肉が減れば、身体にハリがなくなりだらしない体になってしまううえに、同じ運動をしても消費するカロリーが落ちてしまう。

そのため、以前と同じ距離を走っても、消費カロリーは減っていく。

これでは効率が悪い。

筋肉はカロリーを非常に効率よく消費してくれる存在だ。

体脂肪を燃やしてくれるのは筋肉なのに、体重を減らすのに必死なあまり筋肉を犠牲にしてしまうから、そんな悲しいことになる。

だからこそ、過度な食事制限をしながらランニングをすることはやめてほしい。

そんなキツいダイエットを我慢しながらやっても、待っているのは「太りやすく、瘦せにくい身体」。

もし代謝が落ちてしまった後で、ランニングと食事制限をやめてしまうと、ダイエット開始前より太ってしまうなんてことになりかねない。

運動と食事は両輪である。

極端な運動や食事制限をしてはバランスが崩れてしまう。

運動すればするだけ、カロリーを減らせば減らすだけいいというわけではない。

ランニングをして瘦せたいのであれば、そのアプローチはやはり、筋肉をつけて代謝の向上を主軸としたうえで行ったほうがいいのだ。

「巻くだけダイエット」や「食べる順番ダイエット」など、行動を変える系のダイエットも人気だ。

こういったものの中には、きちんとしたロジックがあり、実際にダイエットに役立つものもある。

たとえば、いつもの食事を「野菜類(食物繊維)→おかず(タンパク質)→ご飯(炭水化物)」という順番に変える食べる順番ダイエット。

たしかに、野菜を先に食べることで血糖値〔*〕の上昇が緩やかになったり、お腹が膨れて食べる量が減ることはある。

だが1日の総カロリーとマクロバランスを守ることに比べると、食べる順番を変えることによって受けられる恩恵なんて微々たるものだ。

マクロ管理法を押さえる、すなわち1日の総カロリーとマクロバランスを押さえていないと、いくら小手先のダイエットをしても大きな成果は得られない。

アメリカにこんな格言がある。

“Youcan’touttrainabaddiet.”「どれだけいい運動も、悪い食習慣は倒せない」たとえば、牛丼セットやボリューミーなハンバーガーのセットを食べたら、それだけで1000近く摂取したことになる。

他にも、菓子パンやカツ丼など、ビックリするようなカロリーがある食べ物はそこら中に存在している。

1日の総カロリーのバランスを見ながら食べるのであれば、運動や基礎代謝でカバーできるが、毎食のように爆発的なカロリーがある「悪い食事」をしていると、いくら運動をしても、瘦せるどころか帳尻も合わせられなくなる。

ここで10㎞のランニングで消費するカロリーを思い出してほしい。

60㎏の人が10㎞走っても、消費するのはせいぜい600だ。

「食べた分、運動する!」という人もいる。

食べすぎたときに運動をすれば、少しはマシになるのは事実だが、それでも限界はある。

「筋トレをすれば基礎代謝が上がり、太りにくくなる」とも言ったが、やはり「悪い食事」を倒すことは不可能だ。

ちなみに、ダイエットや減量を「生業」にしている人たちがいることをご存知だろうか。

それがボディビルダーだ。

「減量のプロ」である彼らは、減量するとなったら、一体どのような方法をとるのだろうか。

ランニング?エアロバイク?筋トレをもっと激しく行う?違う違う。

正解は「減量=食事をカットする」こと。

これはボディビルダーのみならず、筋トレオタクたちの間でも常識になっているが、運動の内容も基本的に変えない。

変えるとしても、体脂肪率を10%から9%に下げるときのような、食事での調整が難しくなったときにはじめて運動が出てくる。

要は、運動による減量は最後の最後の手段なのだ。

もちろん、別のアプローチを取る選手も存在はするが、先ほど説明した減量法が王道と言っていいだろう。

筋肉が多く、ただでさえ代謝の高いマッチョたちですら、減量のときには運動ではなく、食事を見直すのだ。

ムキムキでデカいボディビルダーや筋トレオタクなんて「自分には関係ない」と思うかもしれないが、体脂肪を15%→5%に下げる世界で勝負をしている彼らにしてみたら、あなたの体脂肪率を25%→15%にすることなんて朝飯前だ。

一般人でも、減量やダイエットのプロである彼らの行動から学べることはあるし、それが食事による減量なのだ。

「悪い食事」はそこら中に転がっている。

手軽に食べられるファストフードはカロリー過多なものが実に多い。

また、500のコーラを1本飲んだだけでも、225も摂取することになる。

カロリーは意外と多く摂ってしまいがちなので、本当にダイエットをしたいなら気をつけてほしい。

大事なことだから、もう一度言おう。

「どれだけいい運動も、悪い食習慣は倒せない」

バリバリ仕事をしようと思っても、健康でなければベストは尽くせない。

そもそも、毎日を楽しく生きていくためにも健康な身体はマストだ。

そして、その健康な身体づくりを司るのは、他でもない「食事」である。

筋トレをはじめとする運動ももちろん大事だが、やはり一番は食事だ。

にもかかわらず、多くの人が食事に関する知識が乏しいというのは、どう考えてもおかしい。

多くの人が、学生時代に家庭科の勉強で何となく聞いていた程度だと思うし、あとは、テレビや雑誌、最近ではネット記事から得た上辺の知識ばかりといったところだろう。

目先の利益に飛びつくダイエット業界やメディアももちろん悪い。

もちろん悪いのだが、感覚や勘に頼りすぎてわけのわからないダイエットに踊らされる消費者側の意識も低すぎる。

断言しよう、食事に関する知識は学歴より大事だ。

学歴がいくら高くても、仕事が完璧だったとしても、身体を壊してしまっては、人生は台無しになってしまう。

よくスポーツ選手に対して「身体が資本」なんて言うが、ビジネスマンだって主婦だって、誰だって身体が資本だ。

もし日々のダルさや眠気を感じているなら、もしかしたら食事が問題かもしれない。

身体が必要とする栄養をきちんと摂取すれば、仕事や日々の活動のパフォーマンスは上がっていくだろう。

また、ダイエットに成功して身体の調子もよくなれば、間違いなく気分もよくなる。

日々の生活に潤いも出てきて、今まで悩んでいたことが、ウソのように感じられるようになる。

自分のことも好きになる。

気分がよくなると、精神的にも余裕が生まれるし、周りの人にも気を配れるようになる。

不足していたタンパク質を補ってやれば肌にツヤも生まれ、生活にハリも出てくるだろう。

すべてが上手く回り出して、人生そのものが驚くほど楽しくなっていく。

うさんくさい宗教みたいだって?何とでも言ってくれ。

でも信じる者は本当に救われるぞ(笑)。

人生が上手くいくかいかないかを抜きにしても、ダイエットや食事に関する正しい知識は絶対に持っていたほうがいい。

そして、この本で紹介するマクロ管理法は、人生において知っておくべき最低限かつ最強の知識だ。

はっきり言って、そんなに難しくない。

本当は政府が国を挙げて取り組むべき内容だ。

さて、前置きが長くなったが、Chapter2からはいよいよ「最強の食事法」であるマクロ管理法について伝えていく。

 

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