MENU

CHAPTER 6安眠を促す呼吸ハック

CHAPTER 6安眠を促す呼吸ハック私たちは毎日、 1日中呼吸をしていますが、自分の呼吸の仕方には、ほとんど気づいていません。意識して「上手に」呼吸をすることは、精神的にも肉体的にも調子を上げるのに大いに役立ちます。呼吸法は、副交感神経系に働きかけるので、血圧と心拍数を下げることができます。すると、心と身体の両方が穏やかになり、落ち着いてくるのです。呼吸に集中することで、身体と健康に対する意識が強まり、快眠を妨げるような心配事から気持ちを遠ざけることができます。この章の呼吸のテクニックを試して、リラックスして穏やかに眠れる状態をつくりましょう。

目次

139 「 4-7-8呼吸法」で眠くなる

アリゾナ大学統合医療センターのアンドルー・ワイル博士は、「リラックス呼吸」とも呼ばれるこの先駆的な呼吸法を、「天然の精神安定剤」と説明しています。たちまちリラックスできて、ものの数分で眠りにつけるからです。 やり方は次の通りです。 「4-7-8」のリラックス呼吸法 ❶舌を前歯のすぐ裏側の上あごにつけたまま、まず口から息を「フーッ」と吐き出す。 ❷次に口を閉じて、鼻から 4カウントかけて息を吸う。 ❸息を 7カウント止める。 ❹最後に口から 8カウントかけて、息を「フーッ」と吐く。 ①~④を 3回くり返すと、すでに眠くなっているかもしれません!

140 左の鼻ワザ 141 蜂のような音を出して

『Journal of the Indian Academy of Clinical Medicine』に掲載された研究から、左鼻腔から呼吸すると、高血圧の人の心拍数と血圧が下がることがわかりました。 まず、右の人差し指と中指を眉間に置いて、右の親指で右の鼻を閉じます。 そのまま、左の鼻から長くゆっくりと深い呼吸を続けます。 1分間に 6回の呼吸を目指しましょう。 このように呼吸することで、副交感神経系に働きかけて、リラックスできると考えられています。心を落ち着かせる効果を感じてみましょう。

141 蜂のような音を出して

「蜂の呼吸法」は、ブラーマリーとも呼ばれるヨガのテクニックで、気持ちを鎮めるのに役立つと言われています。蜂の呼吸法 ❶椅子またはベッドに座って腰を立てる。そっと目と口を閉じる。上下の歯は少し離す。 ❷鼻から深く息を吸い込んで、鼻から息を吐き出す。このとき、唇を閉じたまま、すぼめないようにして、「ん ーーーー」とハミングする。息を吐き終わるまで、ハミングを続ける。 ❸可能であれば、両手を頭の側面に近づけ、親指で耳の軟骨を押して耳道を塞ぎ、外部の音を遮断して、ハミングを頭のなかでさらに深く振動させてみる。 ①~③を 5 ~ 6回くり返すと、働き蜂のようなせわしなさが薄れてゆき、のんびりした気分になります。

142 セブン・イレブン呼吸法

ほとんどの人は、浅すぎて速すぎる呼吸をしています。これにより、酸素摂取量が少なくなるだけではなく、副腎がストレスホルモンを分泌し、危険に備えて身体が緊張状態になるのです。すると、心拍数と血圧とコルチゾール分泌量が急上昇します。「セブン・イレブン呼吸法」は、あらゆることをスローダウンさせるための呼吸法です。やり方は、とてもシンプルです──7カウントかけて息を吸い、 11カウントかけて吐き出す──これだけです! ただ、呼吸が浅い人にとってはかなり難しく感じられかもしれません。そんなときはカウントを少なくしてみてください。たとえば 4カウントで息を吸い、 6カウントで息を吐く、というように。 重要なのは、息を「吸うよりも長く吐く」ことです(息を吸うと心拍数が速くなり、息を吐くと遅くなります)。吸うよりも長く息を吐くと、副交感神経系が刺激され、自然に血圧が下がり、筋肉がゆるんで穏やかな気分になります。

143 海岸に打ち寄せる波を想像して

動揺や緊張を和らげる呼吸法です。海岸に打ち寄せては引いていく波をイメージして行います。ゆったりとベッドに腰かけるか、横になってやってみましょう。波のように呼吸する方法 ❶眼鏡を拭くときに息を吹きかけるようなイメージで、ゆったりと深い均一な呼吸で「ハァッ」と音を立てる。 ❷吸うときと吐くときの両方で、長くゆっくりとした音を出す。 ❸口を開けて ①②を練習し、やり方をマスターしたら、今度は口を閉じて鼻でやってみる。 このように呼吸をすると、喉の奥にある声門(喉頭の一部)が引きしまり、筋肉が収縮します。睡眠中の呼吸に似ているため、心を落ち着かせるだけでなく、身体をだまして眠りに誘う効果も期待できるのです。

144 好きな色を選んでみて

「色の呼吸法」(カラーブリージング)は、ヨガやピラティスのクラスの最後によく使われる呼吸法です。自分が落ち着ける色を選んで、その色をイメージしながら息を吸い、ストレスをあらわす別の色をイメージしながら息を吐きます。色の呼吸法(カラーブリージング) ❶まず、鼻からゆっくりと 3カウントで息を吸い、口から 5または 6カウントで息を吐く。 ❷次に、選んだ色に包まれている自分を想像する。その色の光や霧で満たされた柔らかな繭のなかにいる姿、頭からつま先まで自分が完全にその色に満たされている姿をイメージする。息を吸うたびに、その色が身体に入ってくることも想像してみる。 ❸最後に、ストレスの色を吐き出す。その色が、すべての緊張を引き連れてあなたの身体から出ていく様子をイメージする。 ……色の力を取り入れた呼吸法、どうでしょうか? 自分がリラックスできる色なら、何色でも OKです。落ち着ける色に「青」を選ぶ人が多いので、色を選ぶのが難しい場合は、「青い空」か「穏やかに波立つ青い海」を想像するのもいいでしょう(ちなみに、吐き出す色には「真っ赤」を選ぶ人が多いです)。

145 肌呼吸で力みをとる

リラックスするために意図的に「きちんと」呼吸しようとすると、それ自体がストレスになることがあります。それでは、本末転倒です! 肌呼吸をイメージするエクササイズは、呼吸の力みを取り除いてくれます。呼吸法に取り組むときに、不快感ややりすぎ感を感じる人は、ぜひ練習することをおすすめします。 まずベッドに横になり、全身の皮膚が酸素を吸い込んでは排出する様子をイメージしてください。身体の個々のパーツを意識するほうがやりやすい場合は、空気が手や腕から吸収され、足の裏から出ていく様子をイメージしてみてもいいですね。いろいろ試してみて、自分にとって最適なやり方を見つけてください。 肌呼吸をイメージすることによって、身体がリラックスしてきます。そうすると、自然と呼吸も遅くなってきます。

146 朝一の鼻呼吸習慣

鼻を片側ずつ使って呼吸しましょう! このヨガの呼吸法を定期的に 6 ~ 10週間行うと、心拍数と血圧が大幅に低下し、ストレスと不安が軽減されることがわかっています。片側ずつかわりばんこの鼻呼吸法 ❶右手の親指で右の鼻をそっと閉じ、左の鼻から息を吸い込む。 ❷右手の薬指で左の鼻を閉じる。 ❸親指を離して、右の鼻からゆっくりと息を吐く。 ❹今度は右側から息を吸い込み、親指で右の鼻を閉じて、左側から息を吐く。そして左側から息を吸う。 ❺①~④の一連の流れを、心がリラックスするまでくり返す。 この鼻呼吸を朝一番に行うと、 1日の良いスタートを切ることができます。寝る前や、夜中に目が覚めたときにも効果があるので、ぜひやってみてください。

147 「四角い」お腹で呼吸って?

お腹にもやもやとした不安を抱えたまま、眠りについていることはありませんか? 考え事や心配事が押し寄せてきてパニックになりそうなときは、「四角いお腹の呼吸法」を試してみましょう。このテクニックは、兵士や外科医など、ストレスの多い職業の人に広く使われています。呼吸を遅くして、ストレスで緊張した状態からほど遠い、通常のリズムの呼吸に戻すことを目的としています。四角いお腹の呼吸法 ❶まずは、息を吸ってお腹をふくらませ、息を吐いてお腹をしぼませる( HACK 151参照)。 ❷次に、自分のお腹が正方形(四角い形)であるとイメージする。 ❸ 1本目の辺をなぞるのをイメージしながら 4秒間息を吸う。 ❹今度はその隣の 2本目の辺をなぞりながら、 4秒間息を止める。 ❺そして、 3本目の辺をなぞりながら、 4秒間息を吐く。 ❻最後に、 4本目の辺をなぞり終えるまで、 4秒間息を止める。 ❼ 2巡目のときは、 1回目で描いた正方形の線を消すイメージで行う。 線を描く →消す →描く……このイメージをくり返しながら、リラックスするまで、呼吸を数回くり返します。

148 シタリの呼吸法──身体も心もクールダウン

暑い夜で寝苦しいとき、ストレスで身体がほてって不快なとき、更年期のホットフラッシュが気になるときは、身体と心のほてりを鎮める「シタリ」というヨガの呼吸法を試してみましょう。シタリの呼吸法 ❶舌を突き出して、側面を上向きに丸めて、筒状にする。 ❷舌をストローだとイメージしながら、ゆっくりと 4 ~ 5カウント息を吸う。 ❸次に、舌を口のなかに戻し、 2秒間息を止めてから、鼻から 5カウント息を吐く。 ストローの形をした舌のなかを空気が通るときにひんやりと感じられて、身体も涼しくなり、心が落ち着きます。 舌を丸めるのがちょっと難しい人は次の方法を試してください。舌を丸めなくてもいい呼吸法 ❶口を少し開いて、上下の前歯をかみ合わせ、歯のすきまからゆっくりと息を吸う。 ❷次に、口を閉じて鼻から息を吐く。 ❸①②を数回、くり返す。

149 「太陽神経叢」のツボに刺激を

足裏のツボを刺激しながら、ストレスとそれに伴う呼吸の浅さを改善できる呼吸法があります。この呼吸法の目的は、腹部の神経線維の集まりである「太陽神経叢」の緊張を解放することです。 足指を足裏のほうに折り曲げると、親指のつけ根と人差し指のつけ根のすぐ下に、くぼみができます。これが太陽神経叢のツボです。太陽神経叢のツボをゆるめると、横隔膜(太陽神経叢の上)の圧力も弱まって、呼吸が浅くなったり、肺に空気が入りにくくなったりするのを防止できます。太陽神経叢のツボを利用した呼吸法 ❶ベッドに座って、安座の姿勢になる。足首の外側を、反対側の足の膝の上に置く。 ❷親指で太陽神経叢のツボをしっかりと押しながら、息を吸う。 20 ~ 30秒間圧力をかけながら、普通の呼吸を続ける。 ❸次に、親指の力をゆるめながらゆっくりと息を吐く。 ❹①~③を 3回くり返してから、反対側の足も同じように行う。 呼吸が深く、軽やかになり、うまくいけばストレスが消え去るのを感じるはずです。

150 シャボン玉とともに悩みも飛んでいく

シャボン玉には上手に吹くコツがあります。深く息を吸ってから、息をゆっくりと均等に吹き入れる必要があります。そうしないと泡がはじけてしまうのです。こうしたゆっくりした深い呼吸は心拍数を下げ、心を落ち着かせる副交感神経系に働きかけてくれます。 シャボン玉を吹くときのコツを利用した呼吸法が、「シャボン玉呼吸」です。シャボン玉呼吸は、セラピストや教師が子どもを落ち着かせたり、子どもの不安をなだめたりするときによく使うテクニックです。あらゆる年齢の人に応用でき、ストレスによる浅く短い呼吸を、心を鎮める深く長い呼吸に変えることに役立ちます。シャボン玉呼吸 ❶シャボン玉をつくるストロー(もしくは輪)を持っていると想像する。 ❷次に、約 4秒間かけて、鼻から深く息を吸う。 2秒間息を止めてから、唇をすぼめて、大きなシャボン玉をつくるように、ゆっくりと約 7秒間で息を吐く。 ❸さらに ①②の呼吸を続ける。「落ち着き」を吸い入れ、「不安」を吐き出すのをイメージしながら呼吸を続けるのもいいですね。自分のストレスをシャボン玉に閉じ込めて、それが空中に浮かんで、はじけて消えるところをイメージしてください。

151 赤ちゃんを見習おう!

赤ちゃんや小さな子どもは、自然に、そしてベストな方法で呼吸をしています──つまり「腹式呼吸」をしているのです。 肺にたっぷりと酸素を取り込んで息を吸ったり吐いたりすると腹部が上下します。この呼吸法は「横隔膜呼吸」とも呼ばれます。胸部と腹部を隔てる筋肉の横隔膜が、この呼吸によって下がることで腹部を前方に押し出し、肺を広げるスペースをつくるのです。 腹式呼吸(横隔膜呼吸)は効率がいいだけではなく、心を落ち着かせるのにも役立ちます。リラックスした状態で行うと、身体の緊張感を低下させることが実証されています。 自分の呼吸をチェックしてみましょう。息を吸うと、胸と肩が上向きに広がりませんか? 実は、多くの人は、胸で呼吸をする傾向があります。運動中や緊張しているときならいいのですが、そうでない場合も 1日中胸で呼吸をしていることが多いのです。これが続くと身体がストレスを感じて、さらに呼吸が浅くなり、息切れを感じて「過呼吸」になることさえあります。放っておくと、緊張や不安がさらに強まるかもしれません。 練習を重ねれば自然にできるようになりますから、ぜひ、腹式呼吸を取り入れてみましょう。腹式呼吸(横隔膜呼吸)の方法 ❶ゆったりした気分で横になって、お好みで膝と頭の下に枕を置く。 ❷次に、文庫本などの軽くて小さい冊子をお腹の上に置き、胸に片手を置く。呼吸しながら本が上下に動くのを感じ、胸がほぼ動いていないことを確かめる(少しなら動いても OK)。 ❸息を吸って、お腹(と本)を持ち上げる。息を吐いて、お腹が平らになるのを待つ。 うまくできなかったり力が入ってしまったりするときは、無理にお腹を動かさないでください。息を吸うと小さな風船がふくらみ、息を吐くと風船から空気が抜ける様子をイメージしましょう。 腹式呼吸を、昼夜を問わず習慣にするといいですね。 机や台所などの目がつきやすい所に「腹式呼吸!」のメモを貼って、定期的に自分の呼吸をチェックしてみてください。

152 「 1分間に 6回呼吸」のすすめ

ゆっくりと深く長い呼吸をすることで、身体と心を落ち着かせ、寝つきを良くすることができます。同じ間隔のゆっくりとした呼吸には、血圧を下げ、気持ちを落ち着かせる効果があるのです。 米国の『サイエンス』誌に掲載された研究が、仕組みを解明しています。なんと、脳内のニューロンのグループが呼吸の仕方をこっそり見張っていて、呼吸に応じて気分や心の状態を変えているらしいのです。 だから、呼吸の仕方を積極的に変えることで、その感じ方までを変えられる、というわけです。ゆっくりと呼吸すると、気持ちが落ち着きます。反対に、急いで呼吸すると、緊張感が生まれます。 ほとんどの人は 1分間に約 10 ~ 20回の呼吸をしますが、この速さではストレスや不安を悪化させやすいのです。 そこで、呼吸を 1分間に 6回にまで減らしてみてください。 4秒間息を吸って 6秒間息を吐くことを 6回くり返すと 60秒になり、結果 1分間に 6回の呼吸になります。 慣れていないと、ここまで呼吸を遅くするのは難しいかもしれませんが、呼吸がスローダウンすれば早く眠れるようになります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次