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CHAPTER 5身体に働きかける熟睡ハック

CHAPTER 5身体に働きかける熟睡ハックすんなりと眠るためには、たとえ身体は疲れていても、リラックスした状態であることが望ましいです。問題は、多くの人が日中にストレスを感じていて、その不安感を身体が抱え続けたままでいることです。そうすると筋肉が緊張して、頭痛や首と背中の痛み、こわばり、さらには筋萎縮やけいれんを引き起こすこともあります。ベッドに入る前に、身体がぎしぎしと固まっているように感じることはありませんか? もしそう感じることがあったとしたら、それは身体が緊張して硬くなり、ゆるむことができていないからです。この章では、身体に働きかけて眠りへと導くテクニックの数々を紹介します。手足をゆるめ、筋肉の緊張を和らげ、身体をゆったりと休息できる状態にして、安眠を手に入れましょう。

目次

107 眠たげな表情で心を操る

「表情フィードバック仮説」を知っていますか? 表情をつくることが感情に影響を与え、心の感じ方まで変えてくれるという心理学の仮説です。これを眠りに応用すると、まぶたを下げて小さくあくびをして眠そうな表情をつくるだけで、「疲れて眠い」というメッセージを心に送ることができるというわけです。 ただし、あくびの口をつくるときには、口を大きく開けるだけにして、息を吸わないようにしましょう。大きく息まで吸い込むと、頭が冴えてしまうからです。 あくびを想像する、というもうひとつのやり方もあります。周囲の人があくびをしているところを思い浮かべてもいいでしょう。 複数の研究から、あくびは周囲にうつりやすく、あくびを聴覚や視覚で感じたり想像したりするだけで、脳内のミラーニューロンが活性化され、あくびが出ることがわかっています。

108 舌を突き出して!

多くの人は、あごにストレスを抱えています。不安を感じると、無意識のうちに歯を食いしばります。これが脳に「苦痛を感じている」という信号を送るため、ますます緊張が強くなるのです。 ヨガの「ライオンの顔」のポーズを試してみましょう。あごをゆるめて不安を和らげるのに役立ちます。野性的な表情になりますが、暗いところでやれば誰かに見られることはありません。ベッドに横になったとき、あごが緊張していることに気づいたら、次の動作をやってみてください。ライオンの顔のポーズ ❶鼻から息を吸う。 ❷息を吐きながら、舌をあごのほうに突き出し、視線を上げる。 ①②を 5回くり返すと、あごがゆるむのがわかるはずです──身体全体も同じようにゆるんでいきます。

109 眼球を上に向けて!

アクティブなベータ波を減らし、眠りを誘うリラックスしたアルファ波を増やす動きをやってみましょう。眠りにいい眼球のエクササイズ ❶目を閉じて息を吸い、眉間を目指すように眼球を上に向ける。 ❷息を吐きながら眼球を下げる。 ①②を 4回くり返します。 こうすると、眠るとき眼球が自然に 20度ほど上向きになります。

110 自分に「眠りの合図」を出す

リラックスしてうとうとしてきたら、「眠りの合図」を出すチャンスです。そっと頬に手を置いたり、耳たぶや唇をやさしくなでたり、安らぎを感じさせる動作をしてみましょう。 調子よく眠れる夜に、この合図をくり返すようにしていると、身体がその動作を眠りと関連づけることを学習し、眠りのスイッチが入ります。 寝つけないときに眠りの合図を出せば、身体が眠りを感じるようになるでしょう。

111 アイマスクを試す

入院患者の睡眠の質を測定するためのさまざまな研究から、アイマスクを使用すると睡眠が改善され、メラトニンの分泌が増えることがわかっています。 アイマスクは、メラトニンの分泌を妨げる光の遮断に役立つだけではありません。まぶたにやさしく圧力をかけると、眠くなりやすいのです。 さらなる効果を求める人は、ラベンダーの香りがするアイピローを試してみてください。

112 手のひらでつくれるホットアイマスク

視神経をリラックスさせると言われる伝統的なチベットのヨガを紹介します。ゆっくりと呼吸をして、手から出る熱を目に届けましょう。目を休ませるヨガ ❶手をこすり合わせて温める。 ❷手のひらをお椀のような形にして、閉じた目の上に置く(このとき、圧力をかけないように注意)。 ❸目に手のひらが触れないように、手のひらの下側のふっくらした部分を頬骨にあてる。

113 パートナーを抱きしめよう

愛する人を抱きしめると、寝つきが良くなるだけではなく、健康全般にプラスの効果があります。 研究によると、抱きしめるという行為によって、血圧と心拍数を下げることができるそうです。 また、抱きしめると快楽ホルモンであるオキシトシンが分泌されますが、これはうつ病の予防に役立つと考えられています。加えて、誰かのそばで眠ると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が減るのです(コルチゾール量の上昇が長引くと、心臓病につながる炎症を引き起こす可能性があります)。 そしてもちろん、ストレスが少なければ、「おやすみモード」にも入りやすくなる、というわけです。 さらに、抱きしめることがセックスにつながれば、素晴らしい睡眠効果が期待できます( HACK 086参照)。行為中にオキシトシンの分泌が急増し、コルチゾール量が急降下するので、不安が取り除かれてリラックスできるのです。オーガズムに達すると、ホルモンのプロラクチンが分泌されて眠くなります。 パートナーを、ハグ……まさに、いいことずくめですね!

114 自分のことも抱きしめよう

抱き合う相手がいなくても、大丈夫です! 自分を抱きしめることでも、オキシトシンが分泌され、コルチゾールが減少し、心臓と血管へのストレスが軽減します。ひとりで寝ている人は、両腕を自分に巻きつけましょう。 不安を感じるときは、「バタフライ・ハグ」で自分を包み込んでみましょう。巨大なハリケーンで被災したメキシコの子どもたちのケアをするセラピストによって考案された方法です。バタフライ・ハグの方法 ❶両腕を胸の前で交差させて、両手のひらを軽く肩に添える。 ❷次に、両手で交互に、左右の肩を軽くたたく。 蝶の羽ばたきのように手を動かすこのテクニックによって、脳の両側に刺激を与えることができ、不安や感情を解放するのに役立つと言われています。

115 足を温めよう

足が温かいと、リラックスして早く眠れるかもしれません。『ネイチャー』誌に掲載されたスイスの学者による研究から、足を温めて血管を広げると、深部体温の放出に役立つことがわかりました。 眠る時間だと脳に知らせるためには、就寝時に深部体温を下げる必要があります( HACK 001、 005、 074、 091参照)。就寝時に深部体温が下がるのは自然に起こるプロセスですが、足先を温めることで促進されて、身体の睡眠メカニズムのスイッチが入りやすくなるのです。 韓国のある研究によると、寝るときに靴下を履いた人は、靴下を履かなかった人よりも、寝つきが早まり、睡眠時間が 32分長くなり、中途覚醒が少なくなったそうです。

116 ベッドにとろ ~り、溶けて広がる

これは、力まず簡単にできて、筋肉をリラックスさせるテクニックです。頭痛や背中の痛みなど、気になる部分に緊張があれば、そこに意識を向けてください。 寝そべって、自分がぺたんと広がっているイメージを保ちながら、身体を完全にリラックスさせましょう。 深く息を吸って……さぁ、想像してください。 あなたはチョコレート(もしくは、氷の塊)です。 太陽の光によってじわじわと温められて、ゆっくりとベッドの上で溶けていきます。 あなたは手足を広げて、好きなだけスペースをとります。 深呼吸を 2回行ってから、太陽がつま先を温める感覚をイメージしましょう。温かさを味わいながら、緊張がやさしくほぐれていくのを感じてください。 太陽の光は上へと移動して、今度は足首を温め、身体のあちこちを温めながら、頭まで進んでいきます。 身体中がぽかぽかしてきます。 あなたが抱えているこだわりやこわばりが、さらに解放されて、溶かされていきます。

117 3分間の背中マッサージ

『Journal of Holistic Nursing』に掲載された調査研究によると、 3分間の背中のマッサージを受けた患者は、治療を受けなかった患者よりも、夜間の睡眠時間が 36分増えました。 マッサージは、脳が睡眠ホルモンのメラトニンを生成するのに使うセロトニンを増加させると考えられています。 またマッサージによって、深い睡眠に関連する波形である脳内のデルタ波を増やすことがわかっています。 寝る前にパートナーに背中のマッサージをお願いしましょう。身体が落ち着いた感覚を得るには、ほんの数分でじゅうぶんです。普段より寝つきが良くなることが期待できますよ。

118 夜中に目が覚めたらボディスキャン

夜中に目が覚めたら、そのまま動かないでください。 身体は寝返りを打つ動きを、起きる時間が来た合図だと解釈して、アドレナリンを分泌する可能性があります。 もしも夜中に目が覚めたら、ゆっくりと呼吸をして、肌にあたるシーツや布団の柔らかさ、頬にあたる空気の冷たさに意識を向けましょう。そして、静止した感覚と、あわてずにリラックスできる充実感を味わってください。 もうひとつの方法は、足先から上に向かって、身体の各パーツに意識を向ける「ボディスキャン」を行いながら、それぞれに「眠い」というメッセージを伝えることです。「左足が疲れて眠い、右足が疲れて眠い」というように、心のなかでつぶやきます。眠くならない部分があっても、その気持ちに反発したり、不安になったりしないでくださいね。 感情をありのまま認めて受け入れ、落ち着かない身体の部分にあたるシーツの感触にそっと意識を向けてから、残りのボディスキャンを進めましょう。

119 つくり笑顔でも効果的!

ストレスを感じて眠れないのは、笑いごとではありません。でも、つくり笑いでもいいから笑顔になるだけで、ストレスを軽減できるかもしれません。 カンザス大学の研究者が行った実験で、被験者は箸を口に 2通りの方法でくわえるように指示を受けました。口角を上げて箸をくわえるか、中立の表情で箸をくわえるかのどちらかです。その後ストレスの多い作業をしてもらったところ、「ほほえんだ(口角を上げて箸をくわえた)」人の心拍数は無表情の人よりも早く回復しました。 本心から嬉しくなくても、笑っているふりをするだけで、身体のストレス反応が軽減されることがわかったのです。顔の筋肉を笑顔になるように動かすと、脳内で化学反応が起こり、ドーパミンとセロトニンが分泌されます。これはどちらも幸せな気分に関連する神経伝達物質です。多くの心理学者は、 1日を通して笑顔を増やすことで、否定的に考えがちな脳の癖が修正され、眠りを含むあらゆることを肯定的に捉えやすくなると考えています。笑顔になりましょう。笑ったときの幸福感をぜひ味わってください!

120 いびき予防には舌の運動

自分の(またはパートナーの)いびきで眠れないことが続くのなら、口腔咽頭(唇の内側から喉にかけて)のエクササイズを行うと効果的です。 いびきは、上気道の柔らかい組織や筋肉がゆるんだ状態で振動するときに発生します。ですから、これらの筋肉を引きしめてゆるみを少なくすると、いびきをかきにくくなるのです。いびき予防の舌の運動法 ❶舌先を前歯の後ろの上あごに押しつけてから、後ろにスライドさせる。 ❷次に、舌先が前歯の根元に触れた状態で、舌の裏側を口の底に押しつける。 ❸また、舌を吸うようにして上あごにつけ、押しつける。 米国胸部専門医学会の学術誌『チェスト( CHEST)』に掲載されたブラジルの研究によると、このようなエクササイズを行うと、いびきをかく頻度が 36%低下し、騒音のレベルが 59%低下したそうです。

121 心臓のドキドキを受け入れる

激しい運動をしているときを除けば、日中に心臓の鼓動について考えたり感じたりすることはめったにありません。ところが、静かにベッドに横たわっていると、心臓の音に意識が向きやすくなります。気分が落ち着いていれば、何の問題もありません。心拍が聞こえる……別に気にしない……そのまま眠ってしまう……という流れになるでしょう。 でも、不安を感じるなら注意が必要です。聞こえてくる心拍の速さが心配になると、それが引き金になってアドレナリンが分泌され、心拍がさらに速く強くなるかもしれません。それを不快に感じてパニックになったり、「心臓発作を起こすのでは」とさえ思うこともあります。そうなると、眠気なんて吹き飛んでしまいます。もちろん、夜間にしょっちゅう心拍が速くなるのであれば、何らかの病気の可能性もあるので、医師の診察を受けるのがいいでしょう。でも、健康上の問題がないのなら、単純にストレスと不安によって心拍が速くなっていることが考えられます。 問題は、ベッドの上でこのような不快感を何度か経験すると、その感情をベッドと関連づけるようになることです。その結果、ベッドに横になると、「心臓の音が気になったらどうしよう」と不安になってしまうのです。こうなると、ストレスがかかり、心臓がドキドキして、心拍が速くなります。自分が予想したことが現実となり、睡眠が台無しになるというわけです。 多くのセラピストは、身体に安らぎを感じるためには、「安全な」環境でそういった感覚を発生させる必要があるとアドバイスしています。これは「暴露療法」と呼ばれるもので、過大な反応を引き起こして不安になるのを避けるために、感覚に対する感度を鈍らせるために行われます。 1分間、その場で速足の足踏みをするか、階段の上り下りを行って、心臓がドキドキするのを感じてください。そのときの感情から逃げようとせずに、感情に寄り添いましょう。そして、その状態が全く正常であり、身体が筋肉に余分に酸素を送っている結果だと言い聞かせるのです。 ポイントは、胸の鼓動が恐怖や不安を引き起こさなくなるまで続けることです。ベッドで心臓のドキドキを感じても、神経質な反応を引き起こしたり、パニックに陥ったりする必要がないことを、自分に教えてあげましょう。

122 「漸進的筋弛緩法」で身体をゆるゆるに

眠りにつくためには、身体の力が抜けているのが理想的です。 でも、緊張してピリピリしているときに、筋肉と身体をすっかりリラックスさせるのは、口で言うほど簡単ではありません。 そこで、“ぎゅっと力を入れてから、力を抜く”という、効果的なテクニックをご紹介します。 1回につきおよそ 5秒間、筋肉を圧迫してから力を抜くと、カチコチになっていた部分がゆるんでいきます。身体の力を抜くエクササイズ ❶ベッドに横になって、ゆっくりと息を吸う。 ❷つま先に力を入れて、約 5秒間「グー」にしてから、力を抜く。 ❸次に足首、ふくらはぎ、太もも、おしりの順に力を入れて、力を抜く(足から始めて、上へと向かう)。 ❹最後にお腹(引っ込める)、胸(深呼吸をする)、手(ぎゅっと握る)、腕、肩、首(肩を上げて耳に近づける)、まぶた(ぎゅっと目をつぶる)を行う。 うまくいけば、頭に到達する前に眠れていることでしょう。 たとえ眠れなかった場合でも、横たわったまま、静かな感覚を味わいましょう。 このテクニックは「漸進的筋弛緩法」と呼ばれています。さまざまな研究から、これを実践した人の睡眠の質が改善することがわかっています。

123 耳栓で雑音をシャットアウト

眠りがとても浅い人は、ちょっとした音で目を覚ましてしまいます。何度も目覚めると、一晩に完了する睡眠サイクルが少なくなります。睡眠の質は、睡眠サイクルを完了する回数によって測定されるので、少なすぎるとぐっすり眠れていないことになります。 研究から、耳栓が入院患者の睡眠にプラスの効果をもたらすことがわかっています。 スポンジやシリコンなどの素材でできたもの、成形可能タイプ、形状記憶タイプなど、さまざまな種類の耳栓がありますので、いろいろ試してみて、自分に最適なものを見つけてください。

124 靴下にお米を入れる!?

HACK 115でも触れましたが、就寝時に深部体温が下がると、脳に「眠る時間ですよ」と知らせる合図になります。足を温めるのは深部体温の放出に役立つのですが、真夏の暑い夜のようにベッドに熱がこもっていると不眠の原因になります。 暑くて寝苦しい夜に、布団の涼しいスポットを探して手足を動かしてしまう人は、湯たんぽに氷を入れて、ひとつかふたつ、布団のなかに置いてみましょう。つま先や腕や太ももに触れると、ひんやりして最高の気分が味わえます。寝具が冷たくなりすぎないように、薄いタオルで包むことをおすすめします。 もうひとつ試してほしいのが“冷や米でクールダウン”という方法。靴下に米を詰めて、フリーザーバッグに入れ、冷凍庫で数時間冷やすのです。アイスパックや冷凍エンドウ豆の袋のように使えて、溶けたときのべたつきもありません。この冷や米入り靴下を、膝の裏側、足首、肘などの脈が感じられるポイントにあてたり、額の上に短時間置いてみるといいでしょう。

125 テニスボールで仰向け寝を防止

仰向けでぐっすりと快適に眠れる人もいます。 ただし、『スリープ( Sleep)』に掲載された研究から、眠りに問題がある人は、ほとんどの時間を仰向けの姿勢で過ごしていることがわかっています。 仰向け寝には、睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に呼吸が一時停止する)やいびきといった呼吸障害を引き起こす可能性があり、そのことが良くない眠りにつながっていることがあります。 仰向け寝を回避するために、パジャマの背側にポケットを縫いつけ、毎晩テニスボールを入れるという方法を試してみましょう。 または、ポケットつきのパジャマを前後ろ逆に着る(着心地が悪くなければ!)という手も。こうすることで、寝返りで仰向けになりかけても、ポケットに入れたテニスボールが邪魔をします。その結果、あなたは横向きにならざるを得ません。 穏やかなやり方とは言えませんが、これも横向きに寝るための解決策です!

126 「バイノーラル・ビート」を聞く

ヘッドフォンを装着し、横になってバイノーラル・ビートを聞きます。これが機能するのは、左右の耳に異なる周波数の音を送り込むことで、第 3の音と呼ばれる錯覚をつくり出すからです。 この第 3の音は、使われる周波数に従って脳波に影響を与えると言われています。低周波(デルタ波)は、深い睡眠に関連しています。この周波数の音を聞くことで、脳波が同調して眠りに誘われるというわけです。 さまざまな科学的・医学的研究のデータが、バイノーラル・ビートを聞くことで眠りが改善し、不安が減り、コルチゾールが減少し、メラトニンが増加することを示しています。 睡眠に特化したデルタ波のバイノーラル・ビートの音源は、 CDもありますし、オンラインでも購入できます。ただし、ヘッドフォンを着用するのを忘れないでください。そうしないと機能しません。

127 目をリラックスさせて眠りを誘う

意識的にまばたきすると、目が潤ってなめらかになり、目を休めてリラックスさせることができます。 目に疲れを感じたら、次のエクササイズを試してみてください。目を休ませるエクササイズ ❶ベッドに横になり、口をそっと開いてあごの力をゆるめる。眉を上げ下げして額もゆるめて、顔をリラックスさせる。 ❷そっと目を動かす。上を見て息を吸い、下を見て息を吐く。次に左を見て息を吸い、右を見て息を吐く。 ❸すばやく 10回ほどまばたきをしてから、目を 20秒ほど閉じて、呼吸に意識を集中させる。 ❹①~③の流れを 3回くり返す。 ❺終わったら、呼吸に集中しながら、ゆっくりと 10回まばたきをする(吸うときに目を閉じ、吐くときに目を開いても OK)。 心が落ち着いてくるはずです。

128 「ハートの 7番」をマッサージする

「ハートの 7番」(「神門」とも呼ばれるツボ)は、不安から起こる不眠症の治療に使われる指圧ポイントです。 このツボを見つけるには(ちなみに、胸の近くではありません)、薬指と小指の間の真下にある手首のしわを探します。手首の外側の腱の横にわずかなくぼみがあります。ここを約 1分間押し続けます(または軽く円を描くようにマッサージします)。 反対側の手首も同じようにマッサージします。 このテクニックは、夜中に目が覚めて不安を感じるときに効果があります。 目立たず行うことができるので、日中に気持ちを鎮めたいときにもおすすめです。

129 夜中のパニックのなだめ方

静かな暗闇のなかで横になっていると、夜中に不安やパニックに襲われることがあるかもしれません。 日中に抑え込んだ心配事がよみがえってくるのでしょうか。あっという間に、アドレナリンが身体中を駆けめぐり、心拍が速まり、呼吸が浅くなって、手のひらが汗ばみます。あるいは、心臓がドキドキして、恐怖で目を覚ますかもしれません。どちらにしても、楽しいことではありません。パニックになればなるほど、ますます事態は悪化します。 簡単ではありませんが、こうなってしまったらまずは落ち着いて、一通りの感情を出し切り、パニックが収まるのを待ちます。ゆっくりと呼吸をして、楽しいことに意識を向けましょう。 横になっていると動揺が強くなる場合は、ベッドから出てゆっくり歩き回り様子を見ます。肩を回してゆるめます。 冷たい水を口にふくんでみたり、冷たい水で顔をぬらすのもいいでしょう。水に触れると、心拍数が減少する「潜水反射」が起こります。これは、哺乳類が水中に長くとどまるための進化だと考えられています(心拍数が減少することで、必要な酸素を減らせるため)。 パニック発作や不安で死ぬことはないのでご安心を。心臓発作や脳卒中ではないのですから。 アドレナリンの大量分泌の影響は 6 ~ 8分間ほど続くかもしれませんが「さあ来い。乗り越えてやる」という態度でいてください。恐怖でアドレナリンの分泌に拍車をかけるより、抵抗せずに一通りの感情を受け入れたほうが、心穏やかになれます。

130 枕はまるごとまるっと冷やす

暑くてなかなか寝つけない真夏の夜には、枕ごと冷やしてしまいましょう! ビニール袋に枕を入れて、冷蔵庫の空きスペースに置いておき、 1日冷やします。または、枕カバーだけをフリーザーバッグに入れて冷凍庫で冷やしてもいいですね。 眠るときに数分間、心地良いひんやり感が味わえます。 首とこめかみには、血管が皮膚に近い「パルスポイント(脈が感じられるポイント)」があるため、血液がすばやく冷却されて、身体の他の部分のほてりも感じにくくなります。 冷却ジェル枕や、枕用ジェルマットを購入するのもおすすめです。

131 副腎のツボ押しが落ち着く

脅威や危険を察知すると、副腎(腎臓のすぐ上にある)がストレスホルモンを分泌し、交感神経系が活性化されて、危険に対処する準備に入ります。そして、危険や緊急事態が過ぎ去ると、今度は副交感神経系が活性化され、次の危険に備えて身体が休息モードに入ります。 でも、多くの人は、常に要求の多い環境で数々の障害物を乗り越えながら日常生活を送っているため、超警戒モードがほぼ継続しっぱなしの状態になっています。そのため、副腎が働きすぎて疲労し、身体のだるさや集中力の欠如、睡眠障害といった症状が起きます。 リフレクソロジー(反射療法)では、足の「副腎の反射区」をマッサージすることで、副腎を癒して「落ち着かせる」ことができると考えられています。 足裏の親指のつけ根から少し下がった土ふまずの上部に副腎のツボがあります。小さな円を描くように、親指でしっかりと押しましょう。痛みを感じるかもしれませんが、毎日数分間、この部分をマッサージするといいでしょう。

132 6つの門を閉じる

リラックスできなかったり、イライラしたり不快に感じたりするときに、心と神経系を落ち着かせるのに役立つヨガのポーズを試してみましょう。 サンスクリット語で「シャンムキー・ムドラ」と呼ばれる「 6つの門を閉じる」ポーズです。 6つの門とは、 2つの目、 2つの耳、鼻、口です。つまり、実質的にすべての感覚を遮断することで、心を周囲で起こっているあらゆることから引き離し、自分の内側に集中するのです。シャンムキー・ムドラのポーズ ❶足を組んで座り、両手を顔の横に上げて、肘を外側に向ける。 ❷親指を耳に当て、人差し指を閉じたまぶたにそっと軽く置いて、目の端を軽く押す。 ❸中指の先を鼻の横に置き、鼻を密閉せずに少し押して、快適に呼吸できるようにする。 ❹薬指は唇の上、小指は口の下に置く。 ❺そのまま、ゆっくりとした深い呼吸の音に耳をすます。息を吸ったり吐いたりしながら、音に集中する。 寝る前に、このポーズを床やベッドの上で数分間続けてみてください。まぶたの裏に、温かい色や形が見えることがあります。

133 お腹もホカホカに

皮膚の温度は自然と、夜間は高く、日中は低くなります。 つまり、日中に上昇して夜に低下する深部体温とは逆のリズムで変化するのです。 皮膚(特にお腹の部分)を穏やかに温めると、寝つきが良くなることが研究からわかりました。温めることで、睡眠調節に関わる脳の領域の神経活動が増加し、眠る時間だというメッセージが身体に送られるのです。 温かい湯たんぽをベッドに持ち込んで、お腹の横に置いてみましょう。温度が高すぎないことが重要です。熱すぎると不快に感じて眠りにくくなり、逆効果です。自分の肌よりほんの少し温かいぐらいがいいので、微調整しましょう。

134 ベロもでろ ーんと

眠る準備のために全身をリラックスさせるのが大変だと感じる人は、舌だけでもいいのでリラックスさせましょう。そうすれば、身体の残りの部分も不思議なくらいにゆるんでくるかもしれません。一部の専門家によると、舌をゆるめると心もゆるむらしいのです。 私たちが「自分に語りかけている」とき、または頭のなかでうるさいおしゃべりが止まらないときは、舌が緊張し、細かく動いて内なる声を「話す」そうなのです。舌をリラックスさせると、内なる声は話すことができなくなり、ネガティブな思考が止まるのです。 実は、舌はかなりの緊張を抱えています。ストレスを感じると、気づかないうちに舌を上あごに押しつけていることがよくあります(余裕があるときに、自分の舌の状態をチェックしてみましょう)。穏やかな眠りにつながる舌のエクササイズをぜひ試してください。舌をゆるめるエクササイズ ❶舌を上あごの位置に押しつけてから(緊張したときの舌の状態)、舌を落として力をゆるめる。このとき口も同時に開くと良い。 ❷目を閉じ、あごの力が抜けて心地良いことを確かめる。 こうすると、舌先と奥がゆるんで重く感じられたり、舌が短くなって奥に引っ込むのを感じるかもしれません。必要なときにつばを飲み込んで、ふたたび舌をリラックスさせましょう。この動作に集中すると、身体の残りの部分も魔法のようにリラックスしていきます。

135 唇に触れると心地いい

唇、特に上唇には、細かい触覚受容体と知覚神経終末が張りめぐらされています。つまり、触れられることに非常に敏感なのです。 唇に触れると心地良く感じます。多くの人は、無意識のうちに自分を落ち着かせるために、日中に唇を触っています。 心理学者で作家のリック・ハンソン博士によると、唇を触ったりもんだりすると、副交感神経線維が刺激され、身体がリラックスモードに切り替わるそうです。 2本の指で唇を軽くこするか、そっと押してみましょう。

136 日本の 5本指指圧

不安を感じると、手をもんだり、指を握ったりすることはありませんか? それは、あなたが気分を落ち着かせるために、無意識に日本の「仁神術」というセルフケアを行っているからです。 仁神術は指圧の一種で、さまざまな指をつかんでエネルギーの流れを遮断し、緊張を和らげるというもの。『 Journal of Holistic Nursing』に掲載された研究によると、このテクニックを使った看護師はストレスが減り、睡眠の質が上がったそうです。 仁神術では、 5本の指のそれぞれが異なる感情をあらわしていると考えます。親指は心配、人差し指は恐怖、中指は怒り、薬指は悲しみ、小指は自尊心です。感情を調整したいときに、日中でもベッドの上でも、いつでもどこでも行ってみてください。仁神術の方法 ❶最初に、片方の手指を大きく広げる。それから力を抜いて、 5本の指をふんわりと曲げる。 ❷次に、反対側の手の 5本指を使って、調整したい感情に応じた指を 1本握る。怒りのせいで眠れないと感じているなら中指を、何かにストレスを感じていたり心配事がある場合は、親指を握る。 ❸ 2分間そのまま保ち、脈動を感じる。 さらにストレス解消効果を高めたいときは、親指で手のひらの中央を押してみましょう。

137 胸焼け予防には左側を下にして寝よう

胃酸の逆流や胸焼けに、毎晩またはときどき(金曜の夜に食べすぎたりして!)悩まされていないでしょうか? こうした症状が出ると、ぐっすり眠るのは大変難しくなります。胃酸が食道に逆流すると、喉と胸のあたりにちくちくと焼けるような感覚があらわれます。抗酸剤は痛みを和らげるのに役立ちますが、副作用の可能性があることに加えて、毎日使うと費用がかさみます。 胃腸病学の研究から、左側を下にして寝ると、胃酸の逆流を減らせることがわかっています。理由は完全には解明されていませんが、この姿勢が、下部食道括約筋(胃酸を抑える筋肉の束)を胃のなかの酸の位置より上に保つからだと考えられています。 一方で、右側を下にして寝ると、下部食道括約筋が弛緩しやすくなり、胃酸が食道に逆流しやすくなります。足の間に枕を置いたり、枕を抱きしめたりして、左側を下にした姿勢で眠るように工夫してみましょう。

138 耳ツボのすすめ

耳の指圧(耳のツボを鍼を使わずに刺激する)が睡眠の改善に役立つことがわかっています。複数の研究で、この施術を受けている間の被験者は、入眠までの時間が短縮したことに加えて、時間が長く、途中覚醒の少ない睡眠をとることができたのです。 この治療は、足に行うリフレクソロジーと同じように、耳のツボが身体のすべての領域に対応しているという考え方のもとに行われます。耳ツボの治療では、耳のツボに「粒」または「磁石」をテープで固定してもらい、その後 1日に数回、ツボを自分でマッサージするようにセラピストから指示を受けます。 耳の指圧は、自分で行うこともできます。 睡眠に効果的な耳の指圧ポイントが「神門」で、心身をリラックスさせて眠りを誘うと考えられています。耳の上部を親指と人差し指ではさみ、親指を耳の軟骨のくぼみのほうへ動かします。次に、くぼみを押してマッサージするか、爪で 1分間押します。 もうひとつの重要なツボは、ストレスを緩和する「精神安定のツボ」です。耳珠(耳の顔側の外耳道の入り口にある出っ張り)の下のほうにあります。

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