会社の現実は「B/S」を見なければわからない
多くの社長が「勘定項目がわからない」という理由でB/Sの数字を見ようとしません。
一方で売上や仕入、給料といったP/Lの数字は、日頃から使っているため、わかりやすいから、P/Lの数字だけを見て「経常利益が出ているし我が社は大丈夫だ」と安心してしまう社長が実に多い。
繰り返しになりますが、利益は見解に過ぎません。現実は現金です。経常利益が出ていても現金がなければ倒産するし、赤字でもお金が回っていれば倒産しません。
P/Lを見たところで、会社の現実(=現金がどれだけあるか)はわかりません。会社の現実は、すべてB/Sに記されています。
小山昇が11年間、のべ500社以上に経営指導をしてきて1社も倒産していないのは、B/Sを中心に指導しているからです。
B/Sをベースに「長期的にどのようにお金を調達し、どのように使うか、売掛金や在庫など、短期的にお金が必要なものをどのようにまかなうか」を計画すると、「事業構造を変えていかないと、現金が回らない」ことがわかります。
そしてこの計画を達成するためには、「経常利益を増やさないといけない」あるいは「設備投資をやめよう」といった「社長の決定」が明確になります。
P/Lは「過去の結果」で変えようがありません。しかしB/Sは「現時点の状況を示す数字」であり、「社長の意思」でかえることができます。
どの「勘定科目の数字を、どれだけ持つか」によって、経営戦略が決まります。
私は意図的に「定期預金を増やす」とか「借入金を増やす」、「借入金を減らす」と決めています。
銀行は「B/Sの中身」を見てお金を貸す
B/Sの右側の「負債および純資産の部」には、支払手形、買掛金、経費未払金など、「資金をどこから、いくら調達したか」についての勘定科目が並んでいます。
この順番は「資金を調達しやすい順番」です。
銀行からいくら借りるのか、支払い手形を発行するのか、内部留保と当期の経常利益以外は、社長の意思で決めることができます。
左側の「資産の部」には、現金、普通預金、固定預金、受取手型、売掛金、棚卸資産など、「集めたお金がどんな資産に変わったか」についての勘定科目が並んでいます。
この順番は、「現金化しやすい順番」です。現金をいくら持つのか、預金はいくらにするのか、土地は所有するのか借りるのかは、社長の意思できめることができます。
資金の調達額や資産の額が同じでも「勘定科目の取り方」を変えると、銀行からの財務評価(格付け)が変わります。
銀行はB/Sを見てお金を貸すので、銀行からの信頼を得るには、少しでも借入が有利になるようにB/Sの中身を意図的に変えて、格付けを上げた方がいい。
勘定項目の取り方を変えると、銀行の格付けも変わる
資金運用とは、意図的にB/Sの勘定科目を変えることです。資金繰りが苦しいのは、それは社長が、「B/Sの数字の取り方」を決めていないからです。
ではB/Sをどのように変えれば、銀行からの評価が上がるのか。銀行の格付けを上げるには、
「資産の部は、より上位の勘定科目に数字を移す(上位項目を増やす)」
「負債の部は、より下位の勘定項目に数字を移す(下位項目を増やす)」の基本です。
資産は、固定資産(土地や建物など)よりも流動資産(受取手形、固定預金、現金など)が多いと銀行の格付けは上がります。なぜなら、現金化しやすい科目が多いほど、資金を回収しやすいからです。
負債は、資金を調達しにくい下位科目の数字が大きい方が、格付けは上がります。支払手形や買掛金よりも長期借入金が多い方が、信用力が高いとみなされます。資本金と内部留保が多いのが一番です。業種によっては決算期を変えると格付けが変わります。
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