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なぜ今、「感情と結果の法則」なのか?

「いい社長」を演じていませんか?  社長という重責を担う日々。  会社のこと。社員のこと。そして、社員のご家族のこと。  両肩に責任が乗って、重くて苦しんでいませんでしょうか?  自分の感情を押し殺して、「いい社長」を演じていませんでしょうか?  私はかつて、会社のなかで「いい人」を演じていました。  そして、苦しんでいました。「はじめに」でも触れたように、私は、短大卒業後、父が設立したサファイアの加工会社に入社しました。一応、役員でしたが、経理担当の新入社員でもありました。  なにしろ社長の娘ですから、仕事はできて当たり前。社員の誰よりも働いて当たり前……。  顔では笑っていましたが、内面はボロボロ。心のなかは、いつもイライラでした。  そんなある日。  こんな言葉を目にしました。「あなたは、明日死んでも、後悔しないですか?」  目にした途端、涙が溢れてきました。 「『明日死んでも後悔しないか』ですって?  とんでもない!  後悔しないどころか、後悔しか残らない!」って、そう思ったんです。  なぜなら、そのときの自分は、自分の足で歩いていなかったから。  社長の娘として、他人の目を気にしながら、いろいろなことを我慢して過ごしていた私。  人生においては、我慢ができる人、忍耐力がある人が器の大きい人だ、と思い込んでいました。「歯を食いしばって頑張ることが成功への道!」  そんな時代は、終わってしまったように思います。  今は、我慢して頑張っても、成功できるとは限りません。  いや、たぶん、頑張れば一時的には成功することがあるかもしれません。でも、人間、我慢には、限界があります……。  私がそのことに気づいたのは、それから時を経て参加したセミナーで出会った、ある言葉のおかげでした。突然の取引停止宣言!  父の会社で働いていたある日。  最大の取引先である企業から、こんな宣言をされました。「来年から、サファイアガラスの加工業務はすべて中国にシフトします。ですので、御社とのお取引は 1年後に停止します」  まさに青天の霹靂でした。「何?  どういうこと?」って、正直、そう思いました。  これって、もしかして、 1年後には仕事が無くなるということ?  お恥ずかしい話ですが、真っ先に浮かんだのは、社員たちのことよりも、自分と家族のことでした。  すでに結婚して子どももいるのに、私たちの家族、いったいどうなってしまうの?  長年のお付き合いで築いてきたと思っていた信頼関係が、こんなにもあっさりと蹴飛ばされてしまうほど、軽いものだったということもショックでした。  不安になった私は、藁をもつかむ思いで、いろいろなセミナーに通いました。  セミナーに行けば、この不安を取り除いてくれる「答え」を教えてくれると思ったんです。  数々受けたセミナーの1つで、私は、講師の方からこんな言葉を聞きました。「これからは、好きなことをして信頼関係を構築すれば、お金もついてくる」  聞いた瞬間は「?」って思いました。  なぜって、それまでの私は、「好きなことは趣味。信頼関係は友だち。お金は会社からもらう」と、考えていましたから。「好きなこと」と「信頼関係」と「お金」のベクトルが、まったく重なっていませんでした。  でも、「好きなことをしてお金になる」なんて、夢のような話です。「いったい、私が好きなことで、お金になりそうなことってなんだろう?」  そう考えて、私は慄然としました。  会社で「いい人」を演じ続けていたために、何を好きなのかさえ見失っていたのです!「感情コンサル」を仕事に  道に迷ったとき、成功している人の真似をするという手があります。

 自分はいったい何をしたいのかがわからなかった私は、成功している人を観察して、「これなら成功できるのでは?」という方法をなんとか見つけました。  でも、ここで思ったのです。「この方法でお金が入ってきたとして、自分は本当にうれしいの?」  考えた結果、出てきた答えは……、「 NO!」。  そのとき、私の周りには、額に汗して、眉間にシワを寄せて頑張っている社長さんがたくさんいました。  その姿を見て、正直、自分には無理だと……。  そして、私は自分の感情に問いかけました。  そう、ないがしろにしてきた自分の感情と仲直りするために相談したのです。「あなたは、いったい何がやりたいの?」  すると、こんな答えが返ってきました。「私は、私が本当に温かい気持ちで『これはみんなのためになるよね!』と思えるプロセスを経て結果が出たら、すごくうれしい!」  そして、思ったのです。 「『こうやれば、喜びのプロセスを経て成功できるよ』ということを、私と同じように悩んでいる人に伝えられたら、多くの人たちへ勇気や元気を届けられるのではないか?」  私のなかで、「好きなことをして信頼関係を構築すれば、お金もついてくる」という言葉の答えが、見えた気がしました。  感情と仲直りして素直に問いかけてみたら、おのずと答えが見つかったのです!  そのときに誕生したのが、他人の感情の奥にあるものを探ることで、心の問題を解決するという、「感情コンサル」でした。  今思えば、私はそのことをまず自分に試したわけです。ちなみに、感情コンサルを自分に施すことを、「感情セラピー」と呼んでいます。  おかげさまで、今の私は、感情コンサルを通してたくさんのお役に立つという、やりがいのある日々を過ごしています。  感情コンサルを受けてくださった方のなかから、「私もこの手法を取り入れて、他の人の役に立ちたい」と、そんな声があがりました。私と同じように、他の方に感情コンサルを施す「感情セラピスト」を育てる講座まで展開させていただいています。  私自身が、感情と仲直りして行動を変えることで、結果を手にすることができました。図らずも「感情と結果の法則」の恩恵にあずかったのでは、と感じています。頑張って結果を出すことも素晴らしいけれど……  私は、頑張って結果を出すことを否定するつもりはありません。  それはそれで、素晴らしいことです。  頑張って結果を出すのと、感情にしたがってやりたいことをやって結果を出すのと、どっちがいいとは言いません。ご自身に合っているほうをやればいいと思います。  でも、繰り返しますが、頑張りのなかに「我慢」が入っていたら長続きしませんし、最近は、残念ながら、「頑張れば必ず結果が出る」という世の中ではなくなってしまいました。  今の時代は、自分の感情にしたがって、「やりたいことを楽しんでやっている人」のほうが、苦労せずに成功しています。  そういう人は、やりたいことをやっているから、自然とエネルギーが湧いてくる。  我慢してやっているわけではないので、途中で挫折しない。  たくさんの人の役に立っているから、おのずと結果も出る。  ビジネスは、心から提供したいと思っているものを持っている人と、それを提供してほしい人のニーズがピッタリ合うと、頑張らなくてもうまくいくものですから、成功しやすいのも合点がいきます。  頑張ることで結果を出すのも素晴らしいけれど、これからは、ますます「喜びで結果を出す時代」になっていくのでしょう。  だから、今こそ、「感情と結果の法則」が有効なのです。感情の正体は、ただの「解釈の違い」「感情と結果の法則」を、たったひと言で言いあらわせば、「感情を変えると、望む結果が最速で手に入る」ということです。  なぜ、感情を変えると、望む結果が最速で手に入るのでしょうか?  一見、行動を変えたほうが、手っ取り早く結果に結びつきそうですよね。  ここからは、 3年前に起業した Aさん、 Bさん、 Cさんという 3人の社長さんを例にとり、「感情と結果の法則」や「感情コンサル」について、説明していきましょう。 Aさん →売上が順調に伸びている。  現在の(表面的な)気分 →「うれしい」  内なる感情は喜び、満足感。行動する原動力は『自己肯定』 Bさん →なかなか結果が出ない。  現在の(表面的な)気分 →「つらい」  内なる感情は空虚、悲しみ。行動する原動力は『不安』 Cさん →成功している知人がいるのに自分は結果が出ない。  現在の(表面的な)気分 →「落ち込む」  内なる感情は悔しい、怒り。行動する原動力は『劣等感・自己否定』  人というのは不思議なものです。「ありがたい」「自分はダメだ」「落ち込む」などの(表面的な)気分には目がいくのに、その奥にある「感情」にはなかなか気づかないのです。

この 3人をくらべてみると、目指しているのは、「結果を出したい」と全員同じです。その目標に対して、売上が「上がる」か「上がらない」かという「出来事」があって、その「出来事」に対して解釈が加わることによって、「感情」が発生します。  そもそも「感情」とは、ある「出来事」に対して、その人がどう「解釈」するか(思い込むか)によって生まれるものです。  たとえば、「料理を作る」という「出来事」に対して、「面倒くさい」と解釈する人は、「いやだ」と料理にマイナスの感情を抱きます。これに対して、「料理は楽しい」と解釈する人は、「大好き」と料理に対してプラスの感情を抱きます。「料理を作る」という「出来事」は同じ。でも、その人の解釈によって「感情」が異なるのです。その感情がもとになって、表面にあらわれる「気分」を決めていきます。  そして、感情はそのまま、次の行動を決める「原動力」になるのです。  プラス感情に属する原動力としては、安心、自己肯定、やりがいが代表例で、「行動できる」要因になります。いっぽうで、マイナス感情に属する原動力としては、不安や劣等感、自己否定などが代表例で、「行動できない」要因になります。  もう少し話を続けましょう。  感情の奥を深掘りすると「欲求(過去の自分)」があります。さらに一番奥には「愛、感謝」が存在しています。「欲求」とは、その人の過去の経験(特に幼少期)がもとで、生まれます。「満たされた思い出」を持つ人はポジティブな欲求を持ち、「満たされなかった・置き去りにされた思い出」を持つ人はネガティブな欲求を持つ傾向があります。

感情コンサルでは、ネガティブな欲求の原因になった「満たされなかった・置き去りにされた思い出」をつきとめて、今の自分と仲直りすることで欲求を整え、感情(原動力)を調節し、思考や行動、結果を変えていく、というプロセスを踏むケースが多いです。  というのは、誰でも欲求のさらに奥には、「愛・感謝」という温かい想いを抱えているからです。それが、過去の経験でゆがめられてネガティブな欲求を持ってしまうと、マイナス感情に陥るクセがつき、なかなか抜け出せなくなってしまいます。  ここまでが、私が考える心のメカニズムと感情コンサルのフレームワークです(次の図参照)。

なぜ、感情を変えると、望む結果が最速で手に入るのか?  話を 3人に戻しましょう。   Aさん →売上が順調に伸びている。   Bさん →なかなか結果が出ない。   Cさん →成功している知人がいるのに自分は結果が出ない。  という「出来事」を受けて、 3人は今後、それぞれどんな感情を抱き、次の行動に出るでしょう。   Aさん →引き続き楽しく仕事をする。するとまた、良い結果が出る。原動力が「自己肯定」なので、好循環のスパイラルに入る。   Bさん →自分のどこがダメなのかを探して、そこを埋めようと頑張る。しかし、感情が空虚、悲しみのままで、原動力が「不安」であるために、たとえ少しうまくいっても、また新たに「自分のダメなところ」に目がいってしまい、それを克服しようと頑張り続けてしまう。無理して頑張るエネルギーはそうは続かないので、そのうち、「もう無理……」と限界がきてしまう。   Cさん →人にできて自分にできない理由を探す。感情は悔しい、怒りのままで、原動力が「劣等感・自己否定」であるために、「得意なこと・好きなこと」ではなく、成功している人に勝とうとして、「儲かりそうなこと」を探してしまう。結果にこだわり頑張って、結果が出ないと焦って頑張り続けてしまう。結果が出て、ライバルに勝ったとしても、また、「もっと成功している人」と自分をくらべて新たな競争をはじめて、いつまで経っても終わらないゴールなき競争に、やがて燃え尽きてしまう。

いかがでしょうか?  マイナスの感情(原動力)を持ち続けるかぎり、 Bさんと Cさんの 2人は、いつまで経っても心が落ち着かないのです。  なぜなら、その感情(原動力)が不安や劣等感である限り、いつまでたっても自分に満足できないからです。当然、心は休まりません。  この「マイナスの感情」を変えないかぎり、いくら行動しても、満足の得られる結果は手に入りません。  感情を変えることで、行動パターンが変わり、望む結果が出やすくなるのです。  私がこの話をすると、「不安や劣等感という原動力がなくなると、自分がダメになってしまう気がする」という方がよくいます。本来なら、不安や劣等感が原動力で行動するより、やりがいを原動力に行動するほうが、いいに決まっていますよね。  でも、多くの方が、原動力をやりがいに変換する方法を知らないのです。  そもそもやりがいがない人は、世の中に 1人もいないものです。でも、不安や劣等感の奥に、過去に置き去りにされた自分の「穴」を埋めたい、というネガティブな欲求が存在していると、いつまでたっても自己肯定の感情をもつことができず、穴埋めするために頑張り続けます。これでは、やりがいを感じる回路が切れてしまうのです。  いっぽうで、不安や劣等感に苛まれて頑張り続けた結果、「燃え尽き症候群」になってしまった人を、私はたくさん知っています……。  心がギブアップする前に感情を変えて、一番奥に必ずある大切な想い(愛や感謝)を思い出し、「最速」で結果を手に入れましょう!  思えば、父の会社で働きはじめた頃の私は、感情を押し殺していました。「感情と結果の法則」とは、もっとも遠いところにいたと言っても過言ではありません。毎日が不安まみれだったわけです。もし、あのまま、「感情と結果の法則」に気づくことなく過ごしていたら、いったい、今の私はどうなっていたのでしょう。  考えただけでも、怖くなります。              *              *              *  ここまで、「感情と結果の法則」と「感情コンサル」について、詳しく説明してきました。実際のコンサルの現場では、「これが感情、こちらは気分。社長さんの欲求はこうで、その背後には……」などと、理屈っぽく対話をしているわけではありません。  読者のみなさんには、これから登場する 21名の社長さんたちのメンタル(心)が整う様子をじっくりご覧いただくことで、ご自身の悩みを解決するヒントをつかんでいただけたら幸いです。  ちなみに、第 5章の後半には、社長さんご自身が自分に感情コンサルを施す「感情セラピー」のやり方を、詳しく説明しています。事例ともども参考にしてください。  それでは、そろそろ第 1章にまいりましょう。

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