04一流の社長は「気づく力」がすごいお客さまや社会が求めていることに気づけているか?できる社長は、例外なく「細かいことに気づける人」です。気づきの多い人は、会社を正しい方向に導ける人でもあります。 知ることは、視野を広げる第一歩 私はよく講演で、聴衆の皆さんにこんな質問をします。「セブン‐イレブン( 7-ELEVEn)のロゴが、最後の『 n』だけ小文字なのに気づいていましたか?」 こう聞くと、「えっ?」と驚いた顔をされる方がほとんどです。 あるいは、こんなことも訊きます。「今日ここへ電車で来られた方、改札口で何番の改札機を通ってきましたか?」 ほとんどの人が答えられません。「自動改札機に番号なんてついているのですか? 知りませんでした」と言う人も少なくありません。 同じものを見ているのに、見えている人と見えていない人がいる。 これは能力の問題ではありません。気づけているかどうかの違いです。 そして、これらは、知ることで見えるようになります。 私の講演を聞いた帰りには、セブン‐イレブンの最後の「 n」にも気づき、駅の自動改札機に番号がついているのも見えるはずです。 ただ漠然と見ているだけでは見えていなかったものが、関心を持つことによって見えるようになる。「気づけるようになる」とは、こういうことなのです。先の項で、大きな記事はリード文だけでもいいので読んでくださいとお願いしたのも、皆さんの関心の幅を広げるためですが、関心が持てると、今まで見えなかったものが見えるようになるのです。 物事を見る「精度」の違い 気づきが多い、少ないの違いは、物事を見るときの「精度」が違うからではないか、と私は思っています。 粗いざっくりした目の網で魚をすくえば、ある程度の大きさの魚しか獲れません。 しかし、網の目がもっと細かければ、小さな魚がいろいろすくえます。 つまり、気づきが多い人というのは、細かい目の網で世の中の情報をすくおうとしている。つまり、精度が高い。だから、同じものを見ていても、他の人より気づきやすくなるのです。この能力は、普段からの訓練で必ず向上します。 いろいろなことによく気づくということは、発見が多いということです。「これはまずいぞ!」ということも、「これはヒントになる!」ということも、人が気づけないことでも気づけるから、危機を回避できたり、ビジネスのチャンスをつかんだりできるのです。 あなたは部下や社会の関心に気づけているか?「もの」や「こと」だけでなく、「人」のことによく気づくかも大事です。 リーダーとしての気づきが少ない人は、人に対する心の網の目が粗いことが多々あります。心に引っかかってこないといけないことが、引っかからない。ザアザアと網の目から漏れてしまっている。 こういう上司は、部下が困っていることにも気づけません。それはつまり、お客さまが困っていること、社会が求めていることにも気づけないということです。 別に、部下のご機嫌取りをして、好かれようとする必要はないのです。人の気持ち、心のひだに気づけるかどうか。そういう感性が磨かれていることが大事なのです。 最近は、パワハラ、セクハラなど、ハラスメントに対する社会認識が、昔とは大きく変わってきています。人の尊厳を傷つける行為に対して、世の中が非常に厳しくなっている。 ハラスメント問題の原因は、相手の「気持ち」への配慮が欠如していることです。 心の網の目が粗い人は、相手の気持ちが分からず、意思の疎通に対する配慮が足りていません。字面どおりのコミュニケーション
をしただけで、相手の感情の機微にまで目が向いていないのです。コミュニケーションには「意味」と「意識」の両方の疎通が必要なのです。 意識の大切さが分からず、相手の気持ちを慮れない人が、リーダーや社長になったところで、成功することはまれでしょう。 大雑把な人は経営者に向かない 知り合いのある社長さんが、「社内にゴミが落ちているとか、コピー機の蓋が開きっぱなしになっているとかに気づくのは、たいてい自分だ」と言っていました。私もそう思います。 いろいろな細かいことに気づけるかどうか。 社長が一番気づく。とくに、優秀な社長はよく気づきます。 よく気づくからこそ、社長業がやれているということもできるかもしれません。「大雑把な人は経営者に向かない」と私はよく言っています。 豪放磊落で、小さなことは気にしないような人のほうが経営者らしく見えるかもしれませんが、本当に良い経営者は、細かいことによく気づき、細やかな気遣いができるものです。細かいことに気づかない人は、社長としてダメ。 けれども、細かいことばかり考えている人もダメです。重箱の隅をつつくようなことばかり言う社長に、人はついていきたくなりません。 経営者としては、細かいことに気づきながらも、マクロ視点がなければいけない。そのバランスが大事です。 アンテナは高く、腰は低く 社会に広く関心を持ち、視野を広げる。気づきを増やし、感性を研ぎ澄ましていく。 この両方をうまくやるには、謙虚さ、素直さがなくてはなりません。「自分は何でも知っている」「自分には分かっている」と思い込んでいる人は、自分がいかに知らないことが多いか、気づけないことが多いかを、知らないのです。「まだまだ知らないこと、分からないことがたくさんある」という謙虚さを持っているから、人はもっと視野を広げよう、気づきを増やそう、と努力できるのです。 私は「アンテナは高く、腰は低く」の姿勢が大事なのではないかと思っています。 いろいろなことに幅広く関心を持ち、視野を広げていくためには、アンテナを高くしなければいけない。しかし、上から目線の横柄な態度ではダメです。 素直に、謙虚に、腰を低くして教えを乞う姿勢が大切なのです。 腰が低くないと、アンテナも高くならない、私はそう思っています。 Point心の網の目を細かくして、気づきや発見を多くすることが、優れた社長の条件。
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