私が、これまで 3万人以上の社長と会って気づいたことがあります。それは、会社の業績と社長の心理状態には密接な関係があるということです。 ・自信満々でポジティブな雰囲気を漂わせている社長 ・ネガティブな不安を口にする社長 大きく分けて 2種類のタイプの社長がいます。どちらのタイプがうまくいく傾向にあると思いますか? それぞれの会社の業績を比べると、不思議なことに、実は後者のほうがいい傾向にあるのです。 私が、金融機関の九州の支店で仕事をしていた頃の話をしましょう。 同じ時期に、 2人の不動産会社の社長と出会いました。 そのうち 1人は、大きな声で話す豪快な人で、自分の商売について自信満々に語っていました。新たに売却用不動産を購入するために、融資を申し込んできたのです。決算書をみると、前期は好調でかなりの黒字を計上していましたが、今期に入ってからの試算表では、深刻というほどではなかったのですが、売上がかなり減少していました。 私 「今は不動産がなかなか動かないからたいへんではないですか?」 社長「うちは営業力があるから、物件さえあれば業績は回復する!」 片やもう 1人の社長は、対照的に物静かな雰囲気で考え方がネガティブな人物でした。「今は不動産がなかなか動かないから、厳選した物件を仕入れる必要がある」と、慎重な見通しを持っていました。 ところが、業績をみると、売上・収益ともに安定しており内部留保も厚く、企業としての維持力は盤石のように思えました。 私 「それでも御社の業績は安定して推移していますね」 社長「いえいえ、たまたま商談がうまくいっているだけで楽観はできません。これから相当に情報を集めて戦略的に営業活動をしていかなければなりません」 この 2人の社長に会ってから約 2年後のことです。「自信満々社長」の会社は、業績が急激に悪化してしまいました。強気に業務拡大路線をとったものの、資金繰りが悪化してしまったのです。 一方、「ネガティブ社長」のほうは、順調に利益を伸ばして従業員も増えていました。情報収集を綿密に行ったうえで、物件を特定の地域の売りやすいものに絞って集中的に販売したことが功を奏したようです。 私はこのような結果になった要因として、「社長の慢心が大いに関係あるのではないか」とみています。 自信満々な社長は、経営環境に変化があったり会社に問題点が発生したりしても、危機感を抱かないことがあります。過去に多くの成功体験があるなどの理由から、慢心を呼んでしまっているのです。 私自身もこの経験があります。 起業してある程度の売上を達成できた頃、「なんだ、これくらいでうまくいくんだ。そんなに頑張らなくてもいいかも」と思って、しばらく営業活動の手を抜いたとたんに、新規のお客様を集められず厳しい状況に陥りました。その後は、常に危機感を抱きながら、「できることはすべてやる」という姿勢で取り組んでいます。 つまり、会社経営に関しては、「慢心は禁物、不安は必要悪」ということがいえるのです。 不安を抱えているということは、現状に満足しない改善意欲の表れです。不安に感じることがあっても、押しつぶされることなく、乗り越えていく粘り強さがあれば強い会社をつくれる社長になれるのです。 ただし、いうまでもなく、他人に対してあまりにも「ネガティブな人」という印象を与えると、人が寄りつかなくなってしまいます。「明るく前向きな人」という雰囲気を醸し出しながらも、内心では常に内省している社長こそが会社を発展させるのです。 02/儲かる社長は、明るい雰囲気を醸しだしながらも、常に不安を感じている!
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