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04儲かる社長は不景気をチャンスと思い、ダメ社長は不景気を嘆く。

私は、金融機関に勤めている間、「債権管理」を担当した時期がありました。返済が遅れている社長に対して、早く払ってもらうように督促をしたり、時には「差し押さえ」など法的な手続きをしたりといった、なんとも因果な仕事です。  返済が遅れてしまっている社長の口から決まり文句のように出るのは、「景気が悪いから会社の業績が悪くなった」という言葉でした。自社の経営状態がよくないことの原因が、あたかも自分以外にあるような発言が多くありました。当時、私は内心「人のせいにしているけど、あなたに問題があるのでしょう?」と反感を覚えたものです。  ところが、私自身も起業してから、不景気を嘆いている自分に気づいてしまったことがあったのです。  それは、起業して約 1年後、お客様をなかなか確保できない事態に直面した時期のことです。売上が少なくなったことに辟易していた私は、「景気が悪いから中小企業がコンサルタントへ頼まないのだなあ」と、いつの間にか不景気のせいにしているではありませんか!  その時私は、自分のふがいなさに愕然としてしまいました。それ以来、「今後、不景気や人のせいにすることはやめよう」と決意したものでした。  そもそも日本において、大多数の中小企業が「景気がいい」と感じた時代は、高度成長期とバブル期くらいで、それ以降はずっと「不景気」です。  会社の業績が悪化するのは、ほとんどの場合は社長が環境変化に対応できていないことが原因といっても過言ではありません。  一方で、むしろ「不景気はチャンスだ」と思って驚くほど稼いでいる社長がいます。  私が九州で出会った、高齢者介護施設を経営している社長がそうでした。  一般的には介護施設の多くが儲かっているように思われていますが、入居者が集まらずに苦戦している施設もたくさんあります。有望な市場ということで新規に参入する会社が多いため、競争が激しいからです。高齢者福祉の業界も、携わっている企業の社長にとっては決して「景気がいい」とはいえません。  この社長が目をつけたのが、「他の施設はお客様(入居する高齢者)を集めるマーケティングや営業の活動が手ぬるい」ということでした。社長は、地域の市場調査を徹底的に行って、人脈によるリアルの営業活動だけではなくインターネットを活用した集客活動も行って、すぐに満室にすることを実現させたのです。最初の施設が短期間で軌道に乗ったので、次々と複数の施設を展開し、今や地域内で 1、 2位を争うほどに成長しました。  また昨今、「構造不況業種」といわれている代表格が「歯科診療所」です。治療を受ける患者数が増えているわけではないのに、店舗数は「コンビニよりも多い」といわれるほど過剰な数になっています。私は一時、歯科診療所の経営に興味を持ったことがあり、 10名ほどの歯科診療所の所長、つまり歯科医師にヒアリングをしました。「厳しい環境にある歯科診療所のなかで、儲かっているところとはどういうことをしているのだろう?」  そう疑問に思ったからです。   10名中 8名の歯科医師は、「考えられる経営努力はしているが、歯科診療所の過剰が問題だ」と嘆いていました。でも、残りの 2名は、「うちは他の診療所と差をつけられるように患者へのホスピタリティを最大限に高めている」と話しており、経営の実態について聞くと驚くほど利益を出していたのです。  とりわけ、地域内で突出して利益を出している歯科診療所の所長の言葉が印象的でした。他の診療所が月商 1000万円以下であるのに対して、ここは億に迫る勢いの売上を誇っています。  私「今歯科医院は経営がたいへんといわれるなかで、先生のところはすばらしいですね」  歯科医師「ちょっとしたことの積み重ねだよ。他がやっていないことをやればいい」  業績が厳しい理由を他に求めても、残念ながら誰も救いの手は差し伸べてくれません。国の中小企業施策もさまざまなものがありますが、基本的には「頑張る中小企業」しか支援しないものがほとんどです。不景気や厳しい環境を嘆くよりも、その変化に対応できるよう自らを徹底的に研ぎ澄ましていくことが重要です。 04/儲かる社長は、厳しい環境に対応できるよう、感覚を研ぎ澄ませている!

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