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08儲かる社長は引き際を考え、ダメ社長はいつまでも居座る。

中小企業の経営者、とりわけ創業社長は、「俺の会社」と思っている人が多いのが実態です。たとえ、後継者として身内がいても、いつまでも居座ってしまう社長もいます。  四国に、従業員が 30名ほどの会社を経営する社長がいました。創業して 40年を誇り、高い技術力で業績も安定していました。社長は 70歳を超えていましたが、最前線で指揮をとっていたのです。後継予定者として息子がいるものの、「見て覚えろ」的なやり方で、経営者としての教育はほとんどしていない状態でした。  ところがある日、社長が脳梗塞で倒れてしまうという重大なアクシデントが発生。幸い一命はとりとめてリハビリである程度回復はしたものの、社長の仕事に復帰するのは難しい状況でした。そのため、後継者である息子が切り盛りすることになったのですが、経営者としては未熟で従業員からもバカにされる始末です。しだいに会社の業績が落ち込み、ついには倒産したというとても残念な結末になってしまいました。  もしも、社長が自分の引き際を考えて息子以外の後継者を育てるなどの対策をとっていたら、会社として継続することができた可能性はあります。  社長が長く居座ろうとすれば、さまざまな弊害が出てきます。後継者が育たないだけではなく、社長の過去の成功体験が邪魔をしてしまうことがあります。リーマンショックの時に、多くの中小企業が痛手を被りましたが、成功体験を持つ社長は「まだまだ俺の力で挽回できるから大丈夫」と考えていました。  その結果、過去の成功体験の延長にある方策は効果を発揮できず、今も苦境にあえぐ会社が多くなっているのが実態です。  創業当初は社長の力で儲かるビジネスを構築することができても、年齢を重ねるとともに、どうしても時代の変化についていけなくなることがあります。それを防ぐために、自分の力を過信せず早めに引き際を考えつつ、新しい人や情報をとり入れることが必要です。  一方、儲かる社長は、日頃から自分の引き際を考えた行動をとっているものです。  大阪で機械製造業を営む社長は、まだ 50代で健康でしたが「自分に万一のことがあった場合のマニュアル」というものを作成していました。これは、万一社長がいなくなることがあった時に、残された社員や家族がどうしたらいいかという引き継ぎ書のことです。  それには、加入している生命保険の内容、会社の技術に関すること、取引先との関係などさまざまな対応策が書かれており、定期的に内容を更新していました。  社長は、そのマニュアルを家族だけではなく、会社の幹部にもオープンにしていたのです。  この社長は、それだけではなく、 60歳でリタイアすることを社内に公言し、実際にそのように実行しました。その後の経営は娘婿に任せて一切口出しはしませんでしたが、娘婿が社長を引き継いだ後も順調に利益を上げて成長しています。  もちろん、早く引退すればいいというわけではありませんが、たとえ自分が創業した会社であっても、バトンタッチの時期を想定してそのための準備をしておくべきです。  社長が日頃から引き際を考えることは、次のようなメリットがあります。  ①後継者や経営幹部の教育が早めにできる  会社が継続的に利益を出して維持するためには、たとえ自分がいなくなってもまわる仕組みをつくることが社長としての使命です。多くの社長は、自分がいる間(あるいは生きている間)のことしか考えようとしませんが、長年続く老舗企業の社長は 30年以上先のことを考えながら会社経営をしています。社長が引き際を考えれば、次代を担う後継者や経営幹部の教育を早く行うことができるのです。  ②高齢になって起こりがちな「老害」を防げる  ほとんどの社長は年齢とともに「経営センス」が時代錯誤になりがちです。社長自身が会社継続の障害になってしまいます。社長はいくら自信があっても、一定の年齢で引退する覚悟を決めなくてはいけません。  ③会社が社長の私物ではなくなり組織として基盤が固まる  社長が「俺の会社」という意識を捨てることで、会社が組織として堅固な基盤をつくれるようになります。 08/儲かる社長は、一定の年齢で引退する覚悟を持ち、自分がいなくてもまわる仕組みをつくる!

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