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12儲かる社長は考えることに時間を割き、ダメ社長は考えるよりもまず行動する。

著名な会社の社長が書いた経営に関する書籍を読むと、必ずといっていいほど「社長はスピーディな判断と行動が重要」と書かれています。  たしかに、大きな会社の経営者は分刻みのスケジュールで、1つの案件の判断に時間をとっているようでは会社がまわらなくなります。  しかし私は、中小企業の社長の場合は、必ずしも迅速な行動をとればいいとは限らないと断言します。儲かっている社長に共通する性格が「せっかち」であるのは否定しませんが、見切り発車で行動したばかりに、大きな失敗をしてしまうケースが多いのです。  顕著な例は、中小企業ではもっとも大切なことの1つである「資金調達」の場面です。  大阪で建設業を営む D社長は、とてもせっかちで社員に対しても指示をすぐ実行しなければ怒り散らす人でした。  ある時、たくさんの受注工事を抱えたので、銀行へ融資を依頼する必要が出てきました。一般的に、建設業の場合、受注が増えれば増えるほど、お客様からの入金よりも先に支払わなくてはいけない資金が多く必要になってきます。   D社長は、「 1日も早く銀行から融資を受けなければならない」とばかりに、決算書などの資料をそろえるやいなや銀行へ融資を申し込みしました。  ところが、前期の決算書は少し赤字が出ていて借入金もやや多い状況だったので、銀行からは「事業計画書」の提出を求められました。せっかちな社長は、銀行の担当者へ「これまできちんと返済しているのだから、これで判断できるだろう。すぐに決めてくれ」と迫ったのです。  結局、銀行からは融資を断られてしまいました。銀行の立場からみると、「事業計画書」を提出しないということは、目先のことしか考えていない社長のように映ったのです。銀行の融資は、一度断られてしまうと次回はさらにハードルが高くなってしまうことがありますから要注意です。困り果てた D社長は、金利の高いノンバンクから資金を調達したものの、その後も資金繰りに苦労する日々が続いてしまいました。  この社長も少し考えれば、融資をするほうが「この会社はきちんと返済できるだろう」と思うような資料を準備して、しっかりとした説明をする必要があると気づいたでしょう。  また、資金調達の場面以外でも、中小企業の社長は内容によっては、じっくりと時間をかけて検討することが必要です。  自動車販売業を営む E社長は、ここ数年間にわたり売上が低迷していることを憂慮して、新たな事業への進出を考えていました。すると不思議と、さまざまなところから「こんないいビジネスがありますからやりませんか」というお誘いがたくさん来たのです。どれもこれも、なんとなく儲かりそうに見えるものばかりでした。 E社長は、すぐに飛びつきたくなる気持ちがあったのですが、冷静に検討してすべて断ったのです。  その後、自ら情報を集めて検討を重ね、インターネットを活用したビジネスを始めました。今やそれが順調に推移し、本業を超える利益を生み出すところまで成長しています。  ただし、考えることに時間を割くにしても、時間をかけ過ぎずに正しい判断をするために、工夫することが重要です。時間ばかりかけて行動に移さなければ、ビジネスチャンスを逸してしまいかねません。検討することにかける時間を決めて、そのなかで決定するという姿勢が大切です。  また、必ずしも社長 1人で検討するのではなく、信頼できる幹部や社員を巻き込んで、情報や意見を出してもらうことも有効です。もちろん、最終的には社長が自分の考えで決断してトップダウンで実行させる姿勢が欠かせません。  九州で飲食店を多店舗展開している F社長は、経営方針について検討する時に、幹部 5人を集めて「ブレインストーミング」をやっていました。  参加者には、1つの課題を解決するためのアイデアを、大きめの付箋紙に思いつくだけ多く書かせ、ホワイトボードに貼らせます。埋め尽くされた状態になったら、関連性のあるものを集めて行動計画を練り上げていくのです。どんなつまらない意見を出しても批判をせず、出し尽くさせるというところに意義があります。  とても単純な方法のようですが、 F社長はこの方法でさまざまな業態の店舗を出して右肩上がりに利益を増やしているとのことです。  中小企業の社長の場合は、スピーディな行動は維持しつつも、重要な判断には一定の時間を定めてじっくりと考えるということが儲かる秘訣なのです。 12/儲かる社長は、考える時間をとって、それによって思い切った方向転換もできる!

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