「無借金経営が理想」と考えている社長が多いようです。「借金」というと、なんとなく後ろめたい印象があるかもしれません。 しかし、実際は、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けることは、会社の信用を高めることにつながります。事業拡大のために設備投資をするというような名目がしっかりとしていれば、金融機関は成長する見込みのある会社のように認識します。 一方、無借金経営を続けていた会社が、資金が足りなくなって銀行へ融資を依頼しても、断られてしまうことも多々あります。金融機関からすると、融資実績がないために、返済能力がわからず信用ができないというふうに思えてしまうのです。 よく銀行は「晴れた日に傘を貸そうとするが雨の日には傘を取り上げる」といわれます。これは、会社の業績がいいときには「融資はいかがですか」と積極的に営業に来るのに、悪化すると融資を頼んでも断わるという銀行員の態度を揶揄したものです。 儲かる社長は、できるだけ多く借金をしてそれをうまく活用できる人です。 項目 27でご紹介した V社長は、「銀行から借りられるだけ借りる」という主義で、いつも目一杯の融資を受けていました。融資を受けた資金を活用して、会社を徐々に成長させており、規模が大きくなればさらに追加で融資を受けてさらに利益を拡大します。基本的に銀行は、融資した実績のある企業へは繰り返し融資をしてくれます。 V社長が優れているのは、銀行から多くの融資を受けるノウハウを身につけているだけではなく、融資によって調達した資金をうまく活用しているという点です。 銀行の融資は、通常「資金使途」つまりお金の使いみちを決めてから実行されます。たとえば「新店舗を出店するための資金」「売掛金回収までの諸経費支払いのための資金」などといった具合です。「お金に色はない」とばかりに、お金の使いみちを決めてもその通りにしない中小企業の社長が多いだけに、 V社長のこの姿勢は際立ちます。 そして次期の決算発表会で、「 ○ ○銀行さんの資金を活用して新事業を始めたところ、これだけの利益を出すことができました」と説明するのです。これで V社長と銀行との信頼関係は厚くなり、さらに融資を受けやすくなります。 ただ一方で、企業の倒産原因の1つに「借入過多」というのがあります。 たしかに「借金を増やすことは危険」という側面もありますが、「借入過多」に陥るのは融資金をうまく活用できなかったことが原因です。 実際に私が見た事例を3つほどご紹介します。 ①投資判断の誤りによる失敗 借入金を利用して投資したけれど、思うような利益が得られず赤字がかさんで資金がショートしたというものです。これは、本業以外の事業を始めようとして、高額の融資を受けて設備投資を実施したというようなケースによく見られます。 ②借金を返すための借金が膨らんだ 実はこれは、多くの中小企業が陥っていることです。借金を返済するための資金として、銀行以外のところからも借金をして雪だるま式に増えてしまった状態です。収益が伴わっていないので、いつか限界が訪れます。 ③借金を自分の金だと勘違いする「そんなことはないだろう」と思うかもしれませんが、結構こういう社長も多いのが実態です。 借金で資金に余裕ができると、リスクの高い投資に手を出したり無駄なコストを増やしたりと、正常な経営判断ができなくなります。ひどい場合は、社長個人の高級車を買う資金に流用しているようなケースもあります。すると、収益が乏しくなり資金も尽きてしまい、借金の返済負担だけが残ったという事態です。 この3つの事例を反面教師としていただき、同じ轍を踏まないように留意してください。こうした事態に陥らない限り、借金はできるだけ多くしてうまく活用することが事業を拡大するために有効です。 30/儲かる社長は、金融機関から効果的に融資を受け、会社を成長させている!
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