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生き残る社長は長い時間を味方にし、潰れる社長は一時の勢いに乗る。

「先生の事務所はスタッフ何人ですか?」  弁護士や税理士などの士業が集まる異業種交流会ではド定番の質問です。この質問で相手のレベルを探ります。要は「人数が多いほど上位」という、マウントのとり合いなのです。  私が司法書士事務所の経営をしていたときは、地域で一番大きな事務所でした。だから得意げに「 15人雇用しています」みたいに答えていました。  実に未熟、実におろか。今思い返すと顔から火が出るほど恥ずかしい気持ちになります。  資格業に限らず、小さいより、大きい会社のほうが優れているという認識がどの業界でも一般的でしょう。  しかし、規模が大きければエラいと考えることは、愚の骨頂。生き残る社長は大きさなんて追い求めません。  ロングライフを目指すのであれば、事業規模を統制しなければいけないのです。  まずもって、事業内容や、どんなスタイルで経営するかによって、適正な組織の大きさというものがあります。デカければいいという話ではありません。  さらに、個人的には、できるだけ規模は小さく抑えたほうがいいとすら考えています。  ところが、多くの社長は事業規模というテーマに対してぼんやりしてしまっています。何となく「大きいほうがいい」と考え、思想も哲学もなく、ふわふわと組織を大きくしようとしてしまいます。これはまずいです。  何ゆえ、組織の規模を大きくしないほうがいいか。  大きくなると自由を失うからです。小さいほうが自由なのです。  たとえば市場選び。組織が大きくなれば、必然的に、スタッフを食べさせるだけの仕事がある大きな市場しか選べません。一方で、組織を小さく保っていれば、どの市場で商売をするかの自由度が増します。  売上や利益の関係でも、小さい組織が有利です。  組織が大きくなったら、売上もたくさん必要になります。すると、やりたくない仕事であったり、付き合いたくない客とだって付き合わなければいけなくなります。  売上欲しさに値下げをしてしまい、地獄の階段を転げ落ちた会社を、皆さんも目撃したことがあることでしょう。売上を追いかけた結果、利益は減ったのに仕事ばかりが増え、組織が疲弊し、内部崩壊が起きる。これが典型的な転落ストーリーです。  小さな組織ならば、生存に必要な売上なんてすぐに満たせます。そうなると仕事を選ぶことができます。気持ちの良い付き合いができる顧客とだけ付き合ったり、十分な利益が残せる仕事だけを手掛けることができます。「いやいや、大きな組織になればスケールメリットが活かせるようになる」  組織拡大主義者(?)からよく聞かれる意見です。  しかし、実際にスケールメリットが作れるようになるまでは、長く険しい道のりが待っています。そこまでたどり着ける組織は多くありません。  他を圧倒する存在になれて、ようやくスケールメリットが生まれるという感じです。  ところがライバルは簡単に負けてくれません。自分たちが大きくなると、それに比例するように、より強大なライバルが出現することになるから泣けてきます。  組織が大きくなると、スケールメリットどころか、往々にして非効率になります。  小規模でやっていたときは、いろんなことが「なあなあ」でやれます。不備があろうが、規模の小ささを理由に許される面があるのです。  ところが組織が大きくなると、各所を整備し、メンテナンスもしなければいけません。業務の報告と意思決定のルールを作ったり、社内の業務のマニュアルを作ったり、タイプの違う会議を複数開催したり、人事評価制度を作らなければいけなくなったり……、まあ大変。小さな会社の生命線だった機動力と融通性はこうして損なわれます。  一度、規模の拡大へアクセルを踏んだらもう戻れません。  戦略なく組織を拡大してはいけないのです。  ただし、会社には常に成長が必要です。成長 =規模の拡大ではないということです。 03  生き残る社長は、意識的に規模を小さく保つ

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