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生き残る社長は値上げを断行し、潰れる社長は資金ぐりの改善に努める。

この本の原稿を一とおり書いたところで、担当の編集者さんから「資金ぐりをテーマにした項もほしい」とリクエストがありました。  実はこのテーマ、一度書くことを検討したもののスルーした過去があります。  資金ぐり関連のキーワードでネット検索をかけると、専門家によるたくさんの解説記事がヒットします。  資金ぐり改善のポイントとして、たとえばこのようなものが挙がっています。・売上を増やして、経費を減らす・売上代金は早く回収する・仕入れ代金等の支払いは遅くする・借金の金利を下げる・在庫を減らす  ……など  これを見て、皆さんはどう感じますか。  私としては、ごもっともだとは思うのです。ただ、何というか、とおり一遍というか、小手先の話にとどまってしまっているような感じがしました。  このあたりが、資金ぐりというテーマで書くことをためらった理由でした。  もちろん、ネットに書かれていた資金ぐり改善の方法は大切なことです。  小さなことを徹底して経営に磨きをかけなければ、よい会社にはなれません。必要だと思われる方は、資金ぐりの本などでぜひ学んでください。この手の本はたくさんあることでしょう。  ただ、ちまたで語られているのは、資金ぐり「改善」レベルでしかありません。  これに対して、多くの中小企業に必要となっているのは「革命」レベルの取り組みではないでしょうか。改善では足りないのです。  商品やサービスの価格が安過ぎる。  この一言に尽きます。十分な価格で売れていないのに、資金ぐり改善でお茶を濁そうとしては根本解決ができません。いつまでたっても楽にはなれません。  話は逸れますが「今必要なことは、改善なのか、改革なのか」といった視点を持っておくと便利です。抜本的な改革が必要な場面なのに、改善で済ませようとしているケースは頻繁に見受けられます。「値上げならばすでにやっているよ」  昨今の原材料費や人件費の値上がりを受けて、すでに値上げに取り組んだという会社はたくさんあることでしょう。  でも、それはコスト上昇に対して帳尻を合わせただけのこと。もっと利益を出せる水準を〝ものさし〟にしなければいけません。目線を上げなければいけません。  ある国家資格者の事務所では、顧問料を 2倍にすることを決意しました。「ただ書類手続きを請け負うのではなく、顧客企業そのものをよくしたい。そのためのコンサルティングを提供するには、それぐらいの顧問料をいただく必要がある」とトップは考えました。  顧問料の値上げを既存の顧問先に伝えたところ、約 3割の顧客から顧問契約を打ち切られてしまいました。  顧客が 3割も減ったら普通は大ごとです。しかし、顧問料を倍にしたため、売上も、利益もむしろ大きく増えました。  スタッフにすれば、顧客が減ったことで時間と精神的な余裕が生まれました。その分、手厚いサービスを提供することができ、結果、顧客の満足度は高まっています。  値上げが好循環を生んだ一例です。「たくさん売りたいから安くする」という発想はもう過去のもの。値上げをしてでも十分な利益を確保し、自社にふさわしいお客様としっかり付き合わなければ未来はありません。  今本当に取り組むべきは、資金ぐり改善ではなく、思い切った値上げではありませんか。それにはあなたの勇気が必要です。 11  生き残る社長は、勇気を持って値上げに挑戦する

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