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生き残る社長は悩み続け、潰れる社長は早く答えを出そうとする。

「悩んでいるということは、思考停止になって何も考えていない状態だ。ちゃんと頭を使って考えて、解決方法を見つけなければいけない」  かつて何かの本でこんなフレーズを読んだ記憶が少しだけあります。まだ私が、独立してそんなに日が経っていなかった頃のことでしょう。  当時の私は「そうか!  悩んでいてはダメだ」と、素直にこの教えを受けとりました。  しかし、今の私の感覚は、ほぼ 180度変わりました。「悩んだままでも、それはそれで OK」と。  悩むことが好きな人はきっといません。頭の中がモヤモヤし続けるのは気持ちの悪いことです。早くスッキリさせたいですよね。  それゆえ私たちは悩みをおわらせたいと思うわけですが、本当に悩むことは悪なのでしょうか。どうも悩むことが不快なことであるために、「悩むこと =悪いこと」とされてしまっているような気がします。  悩むことによる不快な感情と、悩むことの善悪は分けたほうがいいのでしょう。  ある土産物を作っている会社の社長がいました。  インバウンドが盛り上がる前の時代だったため、その地域の観光は先細りが予想されていました。さらに、その土産の品物も古びて、いまどきではない印象がありました。  このあたりは売上等の数値にも現れ、伸び悩みから、閉塞感に覆われていました。  社長は「どうにか打開しなければいけない」と悩みました。  そんなタイミングで、コンサルティング会社からセミナー告知の DMが送られてきました。「これからの時代は温浴施設が儲かる」というネタです。  チラシを見て「これだ!」と直感した社長は、セミナーを受講し、コンサルティング会社と契約。多額の投資をしてスーパー銭湯を建設しました。  しかし、見込んでいたほどの客足には遠く及ばず、施設はたった数年で閉鎖。あまりに大きな借金だけが残ってしまいました。  悩みを解消したいと願う社長に対して、タイミングよくエサが投げ込まれて、思わず飛びついてしまったという悪い事例です。  なお、スーパー銭湯をつくるというとってつけたような打ち手に対して、「そもそも正当性や必然性を欠いていたのでは?」という話は、すでに書かせていただいたところです。  早く悩みから解放されたいという気持ちは、筋の悪い話に飛びつかせる温床となります。それは問題解決策のように見えて、実は逃げの行動だったりするものです。  たくさんの相談を受けていると、人はいかに自分に都合のいい情報だけを集めてくるか、いかに自分に都合よく解釈するかと、驚かされることがあります。「他の税理士や弁護士の先生はこう言った」とか。たいていは、自分に有利な意見ほどあてにならず、自分に厳しい意見ほど正しかったりするのですが……。  今の時代、私たちはよりせっかちになってしまっています。悩みだって一刻も早く終わらせたくて仕方ありません。早く答えがほしいのです。  禅宗のお坊さんから、修行時代の話をお聴きしたことがあります。「師匠から問われたことの答えがわからず悩み続けた。いくら悩んでも答えが見つからないから、 1年くらい経ったときに師匠に答えを聞いてみた」と。  どんな問いで、どんな答えだったのかは忘れましたが、同じ問いを、 1年間も問い続けたという話にえらく驚かされたことは覚えています。  悩み抜いたからこそ出会える答えもあるでしょう。ときには悩み続けたという経験が必要なことだってある気がします。  一度会社を倒産させたものの、再起を果たした社長がいます。「堕ちていくときは不安で仕方なかった。それで、いろんな話に飛びついてしまったが、全部マイナスにしかならなかった。死にたいという誘惑にも何度もかられた。ある意味で底まで堕ちたとき、ようやく肚が据わり、まともな思考ができるようになった」  一番きつかった時期の経験をこう語ってくれました。  自然と浮上しはじめるそのときまで、いかに悩み続けられるか。息を止めて我慢できるか。ポイントはこんなところなのでしょう。 25  生き残る社長は、悩み続ける力がある

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