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生き残る社長は権利を手渡すことを警戒し、潰れる社長は手厚く手当を設ける。

あくまで中小零細企業に限ってですが(私には大企業のことはよくわかりません)、従業員向けの手当の種類が多い会社に、業績が今ひとつな会社が多い気がしています。  手当とは、通勤手当とか扶養手当とかの類です。書籍代手当や、旅行手当、遊ぶための手当などまで出している会社もありました。  福利厚生が手厚い会社のほうが、業績がよさそうな気もするのですが……。  いろんな手当をつくるということは、その会社に、ものごとを複雑化させてしまう癖があるのかもしれません。風通しのよさは、会社の元気さに直結します。「法律の多い国は無能な法律家の国である」という古い格言もあるそうです。たしかに、手当も含め、社内ルールが多くて良いことはありません。  ものごとは複雑化していきます。意識してシンプルさを失わないようにしましょう。部屋だって、油断するとあっという間に散らかってしまいますね。  そして、複雑化したものを再びシンプルな状態に戻すことは大変です。  読者の社長さんには、この言葉をお届けしておきます。「一度あたえた権利は、血を見ずにとり戻すことはできない」(奥村の格言)  何かの権利を相手に与えてしまったら、とり戻すことは本当に大変です。あなたにこのような経験がない場合、想像しているよりも 10倍、 100倍のエネルギーが必要だと見積もってもいいくらいです。  ある会社では、社会保険労務士と相談し給与体系を見直すことにしました。そして、もう支給する意味がないと考えられた手当の廃止を決めました。  社長は、手当廃止の決定と理由を従業員に伝えたのですが、まあそれからの抵抗がとんでもなかったそうです。  社長は従業員からギャンギャン批判され、一時は仕事どころじゃないくらいにまで炎上したそうです。結局、別のところで支払う金を増やすことを約束し、どうにか矛を収めてもらったそうです。「何で、たった月 3000円の手当を廃止するだけで、こんなに大変な思いをさせられなければいけなかったのか……」  自らが与えた権利で自分の首を絞めるようでは、短命で潰れる社長になってしまいます。息が長い社長であるためには、シンプルさを保つことが大切。その一環として、相手に権利を渡すことには慎重になってほしいところです。  明確な契約はしていなくても、事実上、相手に権利を渡してしまうこともあります。「夏のボーナスどうしたらいいでしょうか?」  業績が悪い会社の社長から質問されることがあります。  そんなとき私はちょっと意地悪をして、わざとこう言うことがあります。「利益が出ていないのだから、出さなくたっていいと思います」  すると社長は反論します。「ボーナスは当然出るものだとみなが思っている」とか「ボーナスをあてにしてローンを組んでる者がいるかもしれないし……」と。  私の回答って、間違っていますか。  ボーナスは、会社が得た利益の従業員への還元だと私は定義しています。だから、利益が出ていない会社ならばボーナスを出す必要はありません。  でも、多くの会社では、ボーナスの意味が形骸化しています。給料と同じような意味になり、出すことが当然になってしまっています。「いつもそうしてきた」という既成事実が、相手に権利を渡してしまったのです。  こういうところにも危険があります。「会社に長く在籍すれば給料が上がる」という既成事実がある会社もありますね。  あらためて考えるとおかしな話です。会社は成長していない。本人の会社への貢献も増していない。なのに、給料だけが増えることが当然になっているのですから。  このあたりには常日頃から警戒を怠らないようにしておきたいものです。  順調なときは気が大きくなって大盤振る舞いをしがちですし、脇が甘くなりがちです。  あくまで基準は、悪い状況のときに合わせておくべきでしょう。 28  生き残る社長は、相手に、安易に権利を渡さない

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