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生き残る社長は臆病に選択肢を増やし、潰れる社長は玉砕覚悟で進み続ける。

最近、 noteで山口周さんの記事を読むために有料会員になってみました。  はじめて読んだ記事はオプション・バリューについて書かれていました。オプション・バリューとは、「選択肢 =オプションを持っていることの経済的価値」だそうです。  記事の中で、不動産における手付金もオプション・バリューだと語られていました。  不動産取引の世界では、契約時は手付金だけを払い、後に残金を決済することが慣例です。手付金は、不動産価値の 5から 10パーセントとされるのが一般的で、こちらの都合で不動産を買うことをやめたとき、この手付金は戻ってきません。  一般的に、これはペナルティだと考えられることでしょう。しかし山口周さんは「買うことも、買わないことも選択できる権利」と捉えました。  なるほど。手付金を支払うことで、選択肢が増やせるのです。「選択肢を増やしておけ!」というのは、経営者によく投げかけられるアドバイスです。もう聞き飽きたという方だっているかもしれません。  でも、実際に選択肢を増やす行動をしている人、選択肢を増やせるように意識している人がどれほどいるのでしょうか。  追い込まれて選択肢が残っていない人間と、十分な選択肢を有する人間では、どちらのほうが世の中をうまく泳いでいけるかは明白です。  選択肢を増やすためには、損を厭わない姿勢が大切です。  たとえば不動産の手付金だって、不動産を買わなくなれば、損をすることになります。  損を受け入れられなければ、買わないという選択肢を手に入れることはできません。  何か法律トラブルが起きたときのために弁護士と顧問契約を結んでおくこともあります。思わぬ損害が生じたときのために保険に入ることもあります。これらは、事が起きなければ損してしまうお金になります。  でも、お金を払っておくことで選択肢が増やせます。こういったものにお金を払えるかが、社長のセンスです。ロングライフの社長たちは、必要なお金と捉えることができるのでしょう。「とにかく得をしたい」という感覚が強くなると、選択肢を減らすことになりがちです。  選択肢について語ってきましたが、では、究極の社長の選択肢とは何でしょうか。  私は「社長をやめられること」だと考えています。  苦しくなったとき、経営状況が悪くなったとき、他のことをしたくなったときでも、「社長をやめる」という選択肢を持っていられれば心強いところです。  身を引くべきところで身を引けず、状況を悪化させて、傷口を広げた社長をたくさん見てまいりました。小さな会社の場合、社長をやめることはとても困難なのです。  そのような惨状を見てきた経験から、かつて、社長のための退路開拓勉強会たるものを企画したことがあります。社長をやめるときに備えておこうという企画意図でした。  社長をやめるとき何が起きるかを見据えて、前もって準備と対策を考えます。  別の言い方をすれば、瀬戸際に追い詰められてから「会社への役員貸付を回収したい」とか「自宅を妻の名義に変えたい」とか言い出すなという話でもあります。  退路開拓勉強会に参加された社長の一人が、友人の社長も「一緒に参加しよう」と誘ってくださったそうです。  ところがその友人からは「退路なんて考えて、経営をしていられるか!」と一喝されてしまったそうです。懇親会の時に苦笑いしながらお話しされていました。  都合の悪いことは起きないものとする。  ネガティブなことは一切考慮せず、とにかくできると念じる。  未だに、こんな感覚の社長は案外多いのかもしれません。  これでは自分を追い込んで窮屈になってしまうし、常時玉砕覚悟はエネルギーを無駄に失います。こんなトップの下で働くスタッフだって、たまったもんじゃありません。  臆病でいいのです。臆病になって、起こり得る悪い状況をたくさんイメージしてみましょう。そのうえで、選択肢を増やして備えられたらいいですね。 30  生き残る社長は、選択肢を減らさないように注意する

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