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生き残る社長は問題が起きたときに指導し、潰れる社長はいつでも指導する。

従業員であれ、子どもであれ、相手があなたの指導を最も受け入れるタイミングはいつでしょうか。  相手に伝えたいことがあっても、なかなか伝わらないのが現実です。さも話を聞いているポーズだけとって、実際はすべて聞き流されることすらあります。  こんな手ごわい相手に聞く耳を持たせるには、タイミングを見極めたいところ。強引に聞かせるには限界があります。  では、いかなるタイミングがベストでしょうか。  人が指導に対して真剣に耳を傾けるのは、自分が失敗したときだと私は考えています。「やってしまった」と感じているとき、人はさすがに謙虚になります。もっと学ばねばいけないと痛感していることでしょう。このタイミングを逃したくありません。  私は事業主になった当初から、なぜかこの感覚だけは身についていて、新しく事務所に就職したスタッフに対し、少ない労力で効果的な指導ができました。  やはり最初が大切です。「早く失敗しないかな」と、私は新しく入ったスタッフを横目でいつも観察していました(かなり性格が悪いですね)。  そして失敗を見つけたら、すかさず指摘。この際に、私が組織で大切にしたいことなど、普段はなかなか伝えきれない深いところまで話すようにしました。  失敗時を逃さないために、まず失敗させなければいけません。失敗することが見えていても、あえて従業員や子どもを泳がせなければいけません。ここで先回りして、失敗を回避させてはいけないのです。  口も手も出せないというのは、気が気じゃないと思われるかもしれません。  しかし、失敗を予見できれば、楽に見守ることができるようになります。私には「この子が失敗をするときは、こんな失敗だろう」という予想ができました。  人の失敗とまでいうと言い過ぎかもしれませんが、初心者の場合、仕事の失敗は、大きく分けて 2タイプしかありません。  積極的に失敗するか、消極的に失敗するか、だけです。  かつて自動車教習所に通っていたとき、教官が「狐と猫は自分から飛び出て車にひかれ、狸と犬は逃げ遅れてひかれる」と言っていました。狐は積極的失敗タイプで、狸が消極的失敗タイプということになります。  前者の狐タイプは、仕事を達成する意気込みが強く、自信があります。積極性ゆえに、確認や注意を欠いて失敗します。小さな失敗をちょこちょこする傾向があります。  後者の狸タイプは、慎重な人や自信のない人です。消極的な姿勢で失敗します。自分で処理できない問題を抱え込んでしまったり、時間がかかり過ぎて期限を守れなくなるというパターンの失敗をします。失敗の数は少ないけれど、抱え込んでいた問題を大きなものにしてしまうことがあります。指導者とすれば、より怖いのはこちらかもしれません。  相手を見れば、その人が狐か狸のどちらのタイプかすぐにわかることでしょう。失敗の傾向さえわかれば、タイミングを見計らって声をかけたり、ミスを指摘することができるようになります。  私のやり方はあくまで個人的な方法であり、誰にとっても有効だという自信はありません。参考程度にしておいていただければ。  ただし、コトが起きたタイミングを利用するという点については、是非とも、皆さんに意識しておいていただきたいところです。この勘所をつかめば、効果的な指導ができるようになります。いつでも口や手を出そうとする社長が、子育てや従業員育成の場面で、相手の意欲を削いでしまっている光景は、頻繁に見受けられるところです。  さらに話を広げれば、コトが起きたタイミングを利用する方法は、人の指導だけでなく、交渉ごとや事業展開などまで応用が利くものです。  自分からコトを起こすのは大変ですが、起きたコトを利用することには力がほとんどいりません。まさに合気道の世界ですね。 35  生き残る社長は、コトが起きたタイミングを使って人を育てる

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