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生き残る社長は組織全体を考える人を右腕とし、潰れる社長は仕事ができる人を選ぶ。

「自分の右腕になってくれる人が社内にほしい」  右腕とは、まさに多くの社長が恋焦がれる人材です。  先日も、弊社の VIP会員の社長さんと、こんなやりとりをしました。  社長:「そろそろ自分の代わりに仕事をまかせられるスタッフを見つけたいんだよね」  奥村:「ナンバー2がほしいということですね。その人にどんな条件を求めますか?」  社長:「そうだなぁ。仕事ができて、責任感があって、顧客から信頼されて、私に聞かないでも臨機応変に自主的に動けることかな。あと、これ大事。独立志望じゃないこと」  奥村:「なるほど。そんな人材って、どこかで見つけられそうですか?」  社長:「……いないよね(汗)」  小さな会社に来てくれて、仕事はすごくできるのに、独立をする気はない。  こんな社長の右腕になれる人材とは、あまりに希少な人種です。自分がトップに立ちたがる起業家や経営者に比して、ナンバー2に向いている人材は、あまりに数が少ないといのが実感です。そう出会える人材ではないと覚悟しておいたほうがいいのでしょう。  それでも求めることをやめてはいけません。  そして、「この人ならば!」と感じる相手を見つけたら是が非でもものにしてください。  ここで出し惜しみをしてはいけません。お金であれ、愛情であれ、機会であれ。相手にその気になってもらうためには、最初から最大火力でアピールです。  ところが、ここぞの場面ですら、変な平等意識をもってしまうのが我々日本人ではないでしょうか。「特別あつかいをしてはいけないんじゃないか……」と。  しかし、ナンバー2の人材を手にできるなんて、めったにないチャンスです。「あなたが、必要なんだ」とアピールするには、社内の平均給料の何倍も提示したっていい感じすらします。  三国志では、劉備玄徳が三顧の礼で諸葛孔明を迎えました。  これがもし、昔からの側近である関羽や張飛に気をつかっていたら、孔明の心を動かすことはできなかったでしょう。出し惜しみするな。遠慮するな、です。  次に、幸いにもナンバー2の候補が社内にいる場合に目を向けてみます。  ここでの問いは「候補者を右腕としてとり立てていいか」または「複数いる候補者をどうやって選別したらいいか」になることでしょう。  こういうときは、発言や様子を観察し、会社全体の利益を考えている人を選ぶべきです。  逆に、自分のことが優先の人は、危険です。  仕事ができる人は過大に評価される傾向があります。でも、一人のプレーヤーとしての能力と、チーム全体で結果を出させる能力は別です。営業として個人の成績がすごく良かったため、管理職に引き上げたら全然ダメだったというケースはたくさんあります。  こんなことを言われなくても、社長はわかっているのでしょう。  しかし現場では、個人として仕事ができる人をついつい過大評価してしまったり、やたらと気を使ってしまっているケースをたくさん目にします。  全体の利益を見られない人には金だけ渡しておけばいいのでしょう。「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」の言葉のとおりです。「そんなこと言ったって、あいつにやめられたら売上かなり減りそうだし……」  一人のデキる社員に対して過剰に気をつかう社長の弱腰を指摘すると、よくこんな弱音が返ってきます。  でも、経験上、やめられてもきっと大丈夫です。たいてい、社内で仕事ができると思われていても、他の人に代わりができないほど特別に優れているわけでもありません。  また、社長の腫れ物に触るような態度が、相手を増長させたり、他の人が手を出せないブラックボックスを作ってしまいます。こっちのほうが、より大きな害になります。  最後に、会社全体のことを考えて仕事をしてくれる右腕は、がんばり過ぎてしまう傾向があります。突然燃え尽きたり、心身に不調を来したりすることがよくあります。  大切な人材です。仕事量の調整など、社長がケアしてあげてください。 36  生き残る社長は、会社全体のことを考えてくれる右腕を手に入れる

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