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生き残る社長は人材を採用できない覚悟をもち、潰れる社長は採用を前提とする。

今日現在、日本全国の中小企業の社長の頭を一番悩ませている問題は「人が採れない」ではないでしょうか。  スタッフが退社し、補充のために採用を試みるも人はなかなか来ない。来たら来たで、こちらが希望していたような人材とはかけ離れていたり……。  また、人材紹介会社に数百万円払ってようやく採用できた人なのに、あっという間にやめられてしまい、紹介料をドブに捨てる結果になったり、と。  採用をめぐるズタボロの悪循環については、いたるところで耳にします。  従業員がすぐにやめるようになったこと、および、採用難の問題は、日本社会の変化が原因です。環境そのものが変わってしまった以上、粘り強く対処する方法を探り続けるしかないのでしょう。こういうとき、すべてを一瞬で解決してくれるような魔法を求めるとドツボにはまってしまいます。  社長としては、まず、若い人を中心とした、今どきの価値観や労働観を理解できなければいけません。  私たちの若い頃であれば、一度就職したら長く勤めることが当然でした。でも、今の若い人たちにとって転職なんて当たり前。  人が辞めやすい条件がそろっている以上、会社としては、やめないで、長く勤めてもらえるような環境づくりに尽力しなければなりません。従業員の出入りが少ないときほど、会社としての生産性は高くなるのですから。  しかし、いかに努力しても、すべての退職を回避できることはありません。  人が採れない時代の採用について、希望的観測を捨てて向き合ってみましょう。  まず、求人広告を相手に刺さるようにしっかりつくることや、ネットを使って、会社のことを伝えるレベルの取り組みは、もはや当然と言ったところでしょう。今となっては、このレベルだけでは歯が立たない場合も多いと思います。  雇用に対し、給料以外の付加価値をつけるアイデアはないでしょうか。  司法書士や税理士などの国家資格の業界では、伝統的に、資格取得を目指すスタッフのために勉強や受験への優遇制度を設けている事務所がたくさんありました。このような企画が、給料以外の付加価値提供の典型例です。  最近では、モスバーガーを運営する企業が、スタッフの歌手デビューを支援する取り組みを発表しました。これも人口減少時代の採用を考えての企画でした。  何だかんだ求職者の一番目につく情報は給料の額です。この額を高めるアイデアも練ってみたいところです。  ある会社では、退職金制度を廃止することで、この数字を高くしました。  たとえば、これまでの初任給の最低額が 20万円だったところ、退職金制度を廃止する代わりに、月給を 25万円に引き上げるようなイメージです。  そもそも退職金は、会社に長く勤めることを前提としてつくられた制度でしょう。しかしその前提が崩れています。「長く勤めたらお金を渡す」ではなく、最初から支払ってしまうという発想もあり得るのかもしれません。  その他、仕事を因数分解して可能なかぎり細かく分け、短時間で、経験が浅くても手軽に働ける用意をしてあげることで、求人難に対応できる場合があるかもしれません。  究極的には「採用をあきらめること」すら視野に入れておくべきなのでしょう。地域や業種によっては、それくらい人材採用は壊滅的な状況です。  ウチの VIP会員の社長さんも、採用で頭を悩ませ続けていました。企画、販売、施工とトータル事業を展開してきたものの、近年は施工の人間が定着しません。やめられると次がなかなか見つからず、運よく採用できてもまたすぐにやめてしまいました。  求人募集広告と人材派遣会社にいくら金を支払ったでしょうか。高い授業料を払って、ようやく社長は現実を受け入れました。  そして、施工の部署を閉鎖することを決め、今後は、企画と販売だけで商売をやっていくことを決めたのです。従業員の採用をあきらめて、商売のモデルから変えた事例です。  人口減少時代はここまで覚悟しておかないといけないのかもしれません。 38  生き残る社長は、人材の採用ありきの発想を捨てる

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