関係性といえば、配偶者との関係を外すわけにはいきません。人生に大きな影響をあたえますし、それは仕事にも関係してくるところです。 配偶者について考えるとき、まっ先に「同じ会社で一緒に働いたほうがいいのか」という問いが思い浮かびます。 小さな会社では、社長とその配偶者が一緒に働いているケースは今でも多いものです。 一緒に働く一番のメリットは、理解し合い、助け合える関係性を持つ相手が会社の中にいてくれることです。普通の従業員と社長との関係性はどこまで行っても他人です。一方の配偶者は一蓮托生の間柄。会社が傾けば二人の生活までどん底に落とされるわけですから、やっぱり真剣みが違います。「正直、従業員だとどこまで信用していいものかわからない」「自分が会社を留守にしているときも、妻は何気ない素振りをしながらよく社内の様子を観察して、報告してくれる」 奥さんに社内で経理をしてもらっているある社長は、このように評価していました。 一方で「家でも一緒にいるのに、とてもじゃないが、会社に来てまで一緒にいたくない」という意見もあります(私もこっちタイプです)。 そもそも自由にやりたいから、勤め人じゃなくて事業主をやっているという人もいらっしゃることでしょう。人に管理されることがトコトン苦手な人もいます。 なのに、自分の会社の中に監視役がいたら「何のために?」となりそうです。配偶者にすべての領収書をチェックされて、ブーブー言われてはたまりません。 一緒に働くことでストレスを溜めてしまうくらいならば、仕事は別にしておいたほうが無難でしょう。 ただ、あくまで私の肌感覚ですが、ロングライフという視点では、配偶者が一緒に働いている社長のほうが勝率は高い気がしています。 夫婦が一緒に働くことで安定感が生まれるためでしょうか。配偶者と一緒に働ける社長には、そもそも忍耐力があるから、仕事も持続するのかもしれません。 とはいえ、夫婦で一緒に働く場合は「家庭臭」に注意をしたほうがいいでしょう。 ただでさえ小さな組織の中に家族がいるのです。この二人が、プライベートの空気を会社に無自覚に持ち込んだら、自分たちが想像する以上に、会社の空気は夫婦関係で淀みます。私にも経験がありますが、ケンカをしている社長夫婦が会社に出勤したときなんて、従業員はやりづらくて仕方ないものです。 職場にこうした私的な臭いが混じることを嫌う人は、少なくないと思います。 配偶者が一緒に働いていても、いなくても、夫婦の関係性は大切です。 何より良好な関係性を保てるよう努力する対象なのかもしれません。 元気だった社長が、奥様に先立たれたとたんに無気力となり、仕事どころじゃなくなってしまった例はちまたにあふれています。それくらい配偶者の存在が大きいのです。 配偶者との関係性が厄介なのは、関係が悪いと 0点になるわけではないところです。状態が悪い夫婦関係はマイナスです。社長の仕事や人生のパフォーマンスを下げます。 こう思うと、本来、配偶者選びは怖いことです。 でも結婚当時は、そんなことまで考えません。勢いだけで、つい……。 引退の相談を受けて、社長に「やめた後に何をするのか?」と質問することがよくあります。スパッと引退して、次のステップに進みやすくなるためです。「引退したら妻とたくさん旅行に行きたい」は、男性の社長から聞くことが多い回答です。 ある社長も、奥さんとの海外旅行への夢を語りました。 すると、奥さんが、私と二人になったときに不満を口にしました。「家のことなんてこれまで見向きもしなかったくせに、引退したとたんに海外旅行だなんて、冗談じゃありません。ずっと一緒にいたら息が詰まるわ」(あちゃ ー……) こうならないように、日ごろから配偶者のご機嫌とりも習慣にしておきましょう。 42 生き残る社長は、配偶者の機嫌に敏感になる
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