MENU

生き残る社長は会社を分ける発想があり、潰れる社長は常に会社はひとつと考える。

少々マニアックですが、会社を分ける「分社」についてお話ししましょう。  これは便利です。ひとつだった会社を複数に分けるだけの話ですが、使いようによってはとても効果的な仕事をしてくれます。「卵はひとつの籠に盛るな」は投資の世界の格言です。ひとつの対象だけに集中していたとき、その対象が潰れたら……という教訓です。  この格言は、会社経営にも通用する場合があります。  たとえば、事業を 1社だけでやっていたところで、その会社が行政指導を受けて業務停止になったとします。すると全滅です。悪い影響は、会社全体に及んでしまいます。  しかし、あらかじめ会社を複数に分けていれば、ひとつの会社に起きた問題が、他に波及することを避けられます。リスク回避のために、分社が使えます。  また、従業員の待遇や働き方に差をつけたいものの、同一会社の中でそれを実施することが難しい場合があります。こんなときも、別々の会社に分けることでスッキリ解決できたことがありました。  おわりを創造するための突破口を、分社手法が拓いてくれたこともあります。   M& Aで会社を売りたいと希望したある社長がいました。  その会社には、まったく毛色の違う2つの事業がありました。こうなると、たとえ業績がよくても売ることは困難です。両方の事業を欲しがる買い手はまずいないためです。「どちらか一方の事業だけなら買いたいけど、両方は無理」となってしまいます。  このときも、分社で事業ごとに別々の会社に分けました。   2社をそれぞれ別の買い手に買ってもらい、無事ゴールを迎えることができました。 「M& Aで会社を売却したいが、会社の持っている収益不動産は手元に残しておきたい」という社長も過去にいました。  この要望を実現するためにすぐに思いつく方法としては、社長が会社から不動産を買いとってから、会社を他社に売却する案があります。  しかし、分社手法でもっといいプランがつくれました。  分社手法の中の会社分割を使い、収益不動産と本業を別々の会社に分けました。そして、本業を担う会社だけを売却し、収益不動産の会社の株式は社長の手元に残します。これでトータルでかかるコストを大幅に節約することができました。  この企画では、会社を通じて不動産を保持することになるので、もし社長に相続が起きても、不動産登記の名義を変更する必要がないという利点もあります。  社長の子どもが事業承継を決めかねているときに、分社手法を使って選択肢を増やしたケースもあります。  後継者候補である社長の子は、社内で EC事業を立ち上げて、軌道に乗せました。愛着があり、勝手知ったるこの事業について、子はやめるつもりはありません。  しかし、旧来の事業を継ぐか否かについては揺れています。あまり詳しくなく、また斜陽産業だという点も気が重たいところです。借金もそれなりの額が残っていました。  このケースでは、とりあえず EC事業と旧来の事業を、別の会社に分けておくことにしました。そうすることで「 EC事業だけ継ぐ」という選択肢がつくれるからです。  もし分社しておかなければ、「旧来の事業も含めて全部継ぐ」か、「 EC事業を含めた全部をあきらめる」という選択肢しか残らなくなる可能性がありました。  同じく事業承継がらみでは、会社の一部を分社して子会社を作り、その子会社の経営を後継者候補の右腕にやらせたことがありました。「後継者の経営者教育のために一番効果的な方法は何か?」を考えたところ、それは「実際に自分で経営してみること」という結論になったためです。  実務的な話としては、分社をどのように企画するかには難しいものがあります。  しかし、このあたりは専門家の領域です。社長としては、分社というアイデアが出るようにさえしていただければ十分です。 49  生き残る社長は、会社を分けるという発想を持つ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次