では、事業を拡大することは〝悪〟なのか? 決してそんなことはありません。継続的に成長していくためには、正しい拡大のやり方というものがあります。飲食業でいえば、まずは最初の店舗で徹底的に成功することです。高収益型の店舗をまずひとつ作るのです。最初の 1店舗がそれほど儲かっていないのに、第 2、第 3の店舗を出してはいけません。また、最初の店舗で成功をおさめ、次の出店をする場合でも、一定の自己資金を初期費用にあてることを前提とし、借入をする場合でも、どの程度の借入金が適正なのか(厳密にいえば、月々いくらぐらいの返済なら適正なのか)をきちんと精査する必要があるのです。飲食業以外でも同様です。まずはひとつのビジネスモデルや、ひとつの商品・サービスで徹底的に儲かる構造を作ることが重要です。新商品開発や事業の多角化、周辺ビジネスへの進出などは、徹底的に儲けられる事業構造が確立した後に取り組むべきなのです。とくに、新規創業の場合、創業後 1年目から利益が出せることは、とても恵まれた状況で、通常は最初の 2 ~ 3年は利益が出ないものとして、資金計画を立てておく必要があります。とりわけ設備投資が必要となる事業の場合はこうした準備が大切です。少ない自己資金にもかかわらず、多額の借入金で事業をスタートすると、あっという間に立ちいかなくなり、倒産してしまいます。これから起業しようという場合には、この点は肝に銘じてほしいところです。
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