6カ月の間に、支払手形の不渡りを 2回出してしまうと、ただちに銀行取引の停止処分となり、実質的に倒産となってしまいます。支払いを手形にすることで、短期的には資金繰りが楽になったように感じてしまいますが、これはとても危険です。金融機関からの借金返済が厳しくなれば、返済を猶予してもらうようリスケジュールを折衝したり、また通常の買掛金なら取引先に事情を説明して、支払いを少し待ってもらうなどの対応をとれます。しかし手形になると、待ったなしです。常に「不渡り =倒産のリスク」を抱えることになります。手形をやめてしまえば、不渡手形による倒産の恐れから解放されます。これまで支払手形で決済していた会社が、明日から手形を全廃するのは難しいと思いますが、できるだけ早く手形をなくす方向で財務体質の改善に努めるべきです。いっぺんに支払手形をなくすのが難しければ、取引先に交渉して、少しずつ減らしていくようにすべきです。ただし、これまで支払手形で資金調達していたのに、それを買掛金にすると、お金の支払い時期が早まることにもなります。その分、短期借入金で調達
しておく、売掛金の回収を早めるようにする、あるいは受取手形を減らすということも同時に考える必要があります。どちらも交渉事になりますが、会社を安定的に経営するためには必要な方策です。会社は借入金で倒産するのではなく、支払手形で倒産するのです。支払手形をなくし、短期借入金にすると、コスト削減にもなります。支払手形の期日が 4カ月で毎月 1億円発行している会社の支払手形残高は、 4億円ですが、支払う額の中には金利や手形割引枠、危険負担料というものが入っていますので、全額現金で払うかわりに仕入れ価格を 2%引かせたなら、年間 12億円 × 2% = 2400万円のコストが下がります。 4億円の手形残高を借入金にすれば、 2%の金利でも 4億円 × 2%で年間 800万円の利息です。差し引き 1600万円のコスト削減になるのです。
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