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9  日本の会社が会計よりも大切にすることは?

 皆さん同じかもしれませんが、私は独立したとき、まったくうまくいかず、どうしたら契約していただけるんだろうと、真剣に悩みました。どうしたら買ってもらえるんだろうと考えました。  夜も寝られないくらい考えて、気がついたのです。「お金を儲ける」とか「ライバルに勝つ」そんなセコイことでは買ってもらえないと。  お金は自分の意思では動きません。どんなにお金を集めようとしても、お客様に買うと言っていただけない限り、お金が入ってくることはないのです。  そしてお金を動かしているのは誰かというと、人間です。  当たり前と言われるかもしれませんが、ビジネスで動いているのは、お金に見えますが実は人間なんです。  ビジネスで動いているのはお金と思っているうちは、経費を削減すると経営効率が上がると思ってしまいますが、ビジネスで動いているのは人間なんだと気がつくと、経費削減で悪循環が始まることに気がつきます。  このように間違う原因の1つは、簿記会計や経営分析といった手法はヨーロッパやアメリカから入ってきたものであることが大きいかもしれません。  アメリカって合理主義的なイメージですよね。そもそも、欧米で発達したシステムで日本の会社の経営はよくなるのでしょうか?  アメリカ型の経営は、「効率を追求し、できる限り短期間に利益を最大化すること」を目的としています。独立して事業を成功させ、その会社を他人に高額で売ることにより、自分は多額のお金を手にする、それがいわゆるアメリカンドリームです。  それと日本人の経営に対する考え方って違うと思うんです。日本人は、基本的に会社を売却することを考えていない人が多いと思います。  会社を興した人にとっては、その会社は自分の子どもも同じ。一生かけて大事に育てていきます。  事業が長続きすることを重視して、人を育てていくことも日本の会社の大切な仕事だと思います。  アメリカの経営者は、短期間に利益を最大化することを目的にして、高額で会社が売れたあとはどうなっても構わない。だってもう他人の会社ですからね。  従業員はそのとき会社に必要な人が集まって力を出せばいい、役目を終えたら解雇。幸せでなくても構わない。  日本の経営者は、会社が長期的に繁栄することを目的として、お客様や従業員や関係者に喜ばれて繁栄していくことを目指します。会社の目的は存続することです。  もともと理想とするところが違うのです。  多くの成功しない中小企業の原因は、お客様のことをあまり考えていないところにあると私は考えます。経営がうまくいかない理由を、アメリカ型の合理主義的な考え方で解決できる、会計の情報で経営ができると思い込んでいるのが間違いではないでしょうか。「今年の利益をどうすれば出せるのか」そればかり考えることは、今年はよくても将来の会社の寿命を縮めることになります。  日本人の理想とする会社は、帳簿の数字合わせではできません。決算書を分析して利益を出そうなんて、的はずれもいいとこです。お客様に喜んでいただいて、自社の商品を選んでいただいて、利益を出すんです。  銀行は、あなたの会社にアメリカ型の経営をしなさいと言うかもしれません。  なぜなら銀行は、あなたの会社の短期利益にしか興味はないからです。  昼休みはオフィスの電気を消すなど、経費を削減することで短期の利益は上がるでしょう。  しかし、暗いオフィスで昼食を摂る従業員は、どんな気分でしょうか。  目先の利益確保は、従業員のやる気をなくさせるのにもっとも適した方法ということに気づいてください。  ビジネスで動いているのは、お金のように見えますが、それを扱う人間なのですから。  もうこれ以上、目先の利益のために長期の利益を犠牲にするのはやめてください。  会社の活力がなくなる行為を積極的に推し進めるのは、やめませんか?  成功しない中小企業の社長はお金を得ることばかり考え、成功する中小企業の社長はみんなが幸せになるように考えています。  自分の大好きなことをして、お客様の問題を解決してお金を稼ぐ方法を見つける。  人は皆、考え方を変えれば繁栄への道を歩むことができますが、成功しない中小企業の社長はそれに気づいていない方が多いです。

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