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2  社員は社長の鏡

 中小企業のしてしまいがちな「人材」に関するカン違いを述べてまいります。  私の次男は今大学生で、学校が終わって夜に居酒屋でアルバイトをしています。そこでの出来事です。  その日は雨が降ってお客様の数が少なかったので、オーナーである店長が、みんな好きなもの頼んでよいよと言ってくれたそうです。  そして、うちの息子に「伝票の宛名をオーナーって書いておいて」と言いました。  いわゆる「オーナー伝票」っていうやつです。  この話を聞いて、私はこの店のオーナーはすごいと思いました。すごいところは2つあります。  飲食店等は、雨が降った等で客数の少ないとき、経費削減のためシフトに入っているアルバイトを帰らせるといったことがよくあります。  お店はいいかもしれませんが、アルバイトはもらえるお金がなくなるわけですから、たまったものではありません。  しかし、このお店はバイト代をきちんと支払ったばかりか、好きなものを頼んでいいと言った。  みんな嬉しくなって、頑張ろうって思ったそうです。  もう1つすごい点が、みんなが飲み食いした分をちゃんと売上に上げていること。現金商売ですから売上を抜く、ごまかすことはやろうと思えばできますが、このオーナーは不正をしたりしないとスタッフは感じるわけです。  人間誰しも、不正をしている人の下で働くのは嫌ですし、その人についていこうなんて思いませんよね。従業員はそういうところを見ているんです。  正直な人には正直な人がついてきます。ウソをつく人にはウソをつく人がついてきます。  これは経営にとても大切なことです。  事実、このお店にはいい店員が集まっています。  すると、いいお客様が集まってくるのです。  お店も繁盛していて、うちの息子はいつも遅くまで働いています。  いい従業員が集まらない、いいお客様が集まらないとぼやいている社長がいますが、もしかしたら社長、あなたがそういう人を引き寄せているのではないですか?  お客様を喜ばせるのは、従業員の仕事です。  社長だけでは無理です。  お客様に喜んでもらうには、従業員に喜んでもらわなければいけません。「こんな会社で、お店で働くなんて嫌だ」と思っている従業員が、お客様を喜ばせることなどできるはずがないのです。  事実、成功している会社に行くと従業員が幸せそうに生き生き働いています。  お客様を喜ばせるには、まず従業員を喜ばせましょう。  スタッフ、出入りの業者、その他会社に関わる人たち、みんなが幸せになれば、お客様を幸せにしてくれるのですから。  社員を喜ばせるには、まず社長が楽しく働くこと。  そのための方法は第 4章、第 5章で話していきますが、まずは従業員についてお伝えします。

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