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5  社員をリッツ・カールトンのホテルマンに!

 リッツ・カールトンホテルで、ある会社が忘年会をしたときのこと。  女性の社員がジュースを頼んだのですが、そのジュースのビンがとてもきれいだったので「持ち帰ってもよいですか」とホテルのスタッフに聞いたところ、「もちろんです。袋に入れてお渡ししますね」と帰りがけにジュースの空きビンの入った袋を手渡してもらえました。  女性社員がその袋からジュースのビンを出してみたところ、なんとびっくり、そこには空きビンではなく、新品のジュースのビンが入っていたのです。  経費がかかってもよい、お客様にサプライズを仕掛けて喜んでいただく。そのために必要なお金を使う際は、一定額までは上司の決裁を得なくていい。  これがリッツ・カールトンのリピーターを増やす仕組みです。  多くの中小企業では、もし従業員がこのリッツのホテルマンのような対応をした場合、以下のように言っているのではないでしょうか。「お客は空きビンでいいと言っているのに新品を渡すなんて、何を考えているんだ!」と。  成功しない中小企業の社長は、小銭を節約する数々の方法を考えます。  成功する中小企業の社長は、小銭を節約するより、お客様を幸せにして、より多く買ってもらうことにより売上を増やし、より大きく儲けることができるようになるのです。  新品のジュースをもらったこの社員や、このことを聞いた友人、会社の人たちは、またリッツを利用することでしょう。  ほかにも、こんなことがありました。  以前、セミナーを受けるために東京の品川へ行ったときのこと。少し時間があったので、友人とレストランに入りました。  コーヒーを注文し、いろいろ話をしていて、ふと時計を見るといつの間にか 11時になっていました。  セミナーは昼からだったので、その前に食事でもしておこうかと思いカレーを注文すると、店員の方が、「お客様、あと 5分程でランチタイムが始まります。それまでお待ちいただければ、ランチセットをご注文いただけますので、同じ料金でサラダとコーヒーがつきますよ。また、そこまでお待ちいただければ、先ほど飲まれたコーヒーをランチのコーヒーにしておきます」と言ってくれました。  お店の都合を考えれば、ランチタイムの始まる前に注文を取った方が、カレー代もコーヒー代ももらえますから、その分売上が上がりますよね。  でもその店員は、お客様のことを考えてこう言ってくれたんです。  感心した私はその後も品川に行けばこのお店に行くようにし、この店員さんがいれば必ずこの方に注文します。  お客様のことを考え柔軟な対応ができる社員を多く抱えること、それこそが中小企業の強さ、大企業にできない戦略になるのです。  そして、社員がお客様のための行動を起こしたら、社長は称賛すること。間違っても「利益を減らすようなマネをするな!」などと言ってはいけません。

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