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6  異業種にこそ集客や儲けのヒントがたくさん潜んでいる

 成功しているある歯科医院の先生は、「診療所の受付窓口のスタッフは、北新地(大阪の高級クラブの集まるところ)の女性の接客が必要」と言っておられました。「従来の歯科医院の考え方から抜け出すために、考え方を激烈に変える必要がある」のだそうです。  一般的に、歯科医院の受付スタッフは、正直に言ってあまり対応のいい人はいません。  患者さんが来院されても、受付窓口に座ったまま応対しますし、ひどい人になると、下を向いたまま(書類を読んでいるのでしょうか)接するところもあります。「歯科医院は専門性が求められる仕事。サービス業ではない(だから接客に力を入れる必要はない)」という「業界の常識」があります。  その歯科医院は、その業界の常識に疑問を持ちました。  受付のスタッフは、ただ受付に座っているのではなく、高齢の患者さんには自分から近づいていき、ひざまずいて患者さんの目線になって話をすることがよくあります。  また、自動ドアが開く前に、入口に映る患者さんの姿を見て、高齢の方の場合は入口に迎えに行きます。  その医院の受付窓口のスタッフは、元銀行員です。  彼女は、私が入っていったときも座ったままではなく、わざわざ立ってお辞儀をしてくれます。  お客でない私にまで気を遣わないでくださいと言うと、銀行時代から立ってお辞儀することに慣れていて、立ってお辞儀しないと気持ちが悪いからと言われます。  世の中になかった新しいモノではなく、業界の当たり前に、異業種の当たり前をミックスしたら、それだけで新しいモノができるのです。  経営者の皆さんは、ぜひ同業者ではなく異業種の集まりに積極的に顔を出し、学んでいってほしいと思います。「異業種から学ぶのが大事ということはわかった。だが何から始めたらいいか」  そう思った方は、同業他社と違う言葉を使う、こんなところから始めるのもいいかと思います。  私は、事業を始めたときからお客様に「先生と呼ばないで」とお願いしてきました。  先生というと「教えてやっている」というイメージがあって嫌だと思っていたのと、お客様と同じ目線でお話ししたいと考えていたからです。それに、税理士なんて偉くもなんともありません。  私の事務所は「オープンキッチンのレストラン」をイメージしています。  一般の税理士事務所は、税金の計算などの「作業場」であり、その場にお客様を呼んでいるという発想が既に間違いだと考えました。  新規のお客様が来られるときには、エレベーターが開いてすぐのところに「歓迎   ○ ○様」と書いたウェルカムボードを置きます。お客様は、ほぼ全員嬉しいと言ってくださいます。  旅館に行ったとき、自分がされて嬉しかったから取り入れました。  打ち合わせでお出しする飲み物は、数種類あるメニューから選んでいただきます。ノンアルコールビールもあって少し笑える内容にしています。  喫茶店で好きなものを選ぶ要領で取り入れました。  ほかにも、会社の設立日には、誕生日カードを私の直筆でお送りします。  美容室等がバースデーカードを送ってくるのが嬉しかったから取り入れました。会社の誕生日は、顧問税理士しか知らない情報なので皆さん喜んでくださいます。  私の「お客様に喜んでいただく」考えが、スタッフに伝わるのでしょう。ありがたいことに、どのスタッフも非常によい対応をしてくれて、お客様にご好評いただいています。  それは事務所の食事会でレストランに行ったとき、そのレストランの対応にスタッフの皆が気持ちよいと感じてそうしてくれているのです。  私はそのように異業種からどんどん学んでほしいと思い、定期的に開いている事務所の食事会の場所には気を遣っています。  事務所のスタッフがよいホスピタリティを感じられるレストランを探しているのです。  業界の常識に、異業種の常識を取り入れるために。  食事会にはスタッフの親睦、従業員を喜ばせるという目的のほかに、「 1人ひとりに異業種のよさを肌で感じ、取り入れていってほしい」という理由もあるのです。

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