モノが売れない時代に、高い注文住宅がバンバン売れている。そんな建設会社が京都にあります。 そこの会社はかつて経営が行き詰まり、いつ倒産してもおかしくない状態でした。 何とか売上を作ろうと、大手建築メーカーの下請けになり、安い仕事ばかりをやっていたのです。 本当に追い詰められたとき、社長は考えました。「うちの会社は他社と違い、腕のよい大工が多くいる。それを活かした方がよいのではないか?」 そこで、こういう売り方に変えました。「うちで建築されると、他社より高いです。その代わり、担当の大工がそのあともあなたの家を見守ります。家は何十年も住むものです。家が壊れた、雨漏りがする等が起こった場合、あなたの家の建築をした、あなたの家の隅々まで知り尽くした大工が責任を持って修理します」 今は建築を頼もうとしても 1年待ちらしいです。 私が「原価を上げてお客様に喜ばれることだけ考えましょう」と言うと、必ずある反論が「商品やサービスには相場があるから、一方的に好きな値段をつけることはできないよ」といったものです。 その考えがすでに、「業界の常識」にとらわれたものです。「不況だから高いものは売れない。安くしないと」と考える人が大勢いますが、それを高いと考えるかはお客様次第。「高いけどいいものだからお金を払う」というお客様はたくさんいますし、そもそも不況だからこそ頭をひねって知恵を出し、好業績の会社はたくさんあるのです。 先ほどお話しした、お願いしなくても顧問料を上げてくださった私のお客様のように、満足したらきちんとお金を払いたいと考えてくださるお客様はたくさんいるのですから。「うちは下請けだから、自分たちで値段は決められないよ」 そういう会社もあると思います。 私がそういう会社にアドバイスしているのは、「下請けの割合を常に一定にする」ことです。 私の親父が繊維の会社を経営していた頃、飛ぶ鳥を落とす勢いの大手スーパーから大きな注文が入るので、自社の売上の 50%以上がそこからという会社が多くありました。 売上が安定してよいように思えましたが、自社の売上の半分以上を1つの会社が占めることで、ほぼその仕入先の言いなりになってしまい、どんどん安売りを強要され、さらにそのスーパーからの注文が減ったことで共倒れしてつぶれていった会社がたくさんありました。 共倒れすることなく、今も健全な経営を続けている繊維会社の社長が、こんな教訓を残しています。「もし大口のご注文をいただいたとしても、受ける金額は自社売上の 30%以内。それ以上はいくら注文をいただいてもお断りする。 その会社にもっと多く売りたいときは、自社の総売上を増やす努力をして、『自社売上の 30%』の数字自体を上げる努力をする」 売上を追って大手の言いなりになってしまうと、売上をキープするために赤字を増やして、従業員は疲労困憊、やればやるほど赤字、契約を打ち切られると会社も終わりという道を歩んでしまいます。「価格決定権は自社が持つ」ことが大事です。
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