ここまでいろいろ述べてまいりましたが、最後に「中小企業の社長が持つべき、成功するための考え方」をお伝えします。 成功している中小企業の社長にお話を聞いていると、「成功」の概念が違うことに気がつきます。 成功しない社長は、利益が上がることが成功であると思っています。 成功している中小企業の社長は、そんなレベルの低い成功を目指してないんです。 会社に関わる人たち全体の幸せ、お客様・従業員・関係者みんなが幸せになって事業が育っていく、そんなところに成功の概念を持っておられます。 私が成功している社長だと思う方々は、「同業他社より売上が多いので成功だと言われる」そうです。 しかし皆さんおっしゃいます。「私は成功しているとは思ってないよ」と。 本当の成功者は、目先のうまくいっていることを成功と考えません。 他社より売上が多いとは、サッカーの試合で言うゴールを決めたようなもの。 ゴールを決めても、相手に多くゴールを決められては敗北です。 本当の成功者の目指す成功は、「試合に勝つ」ことです。 さらに言うと「試合に勝ち続ける」ことです。 私の顧問先で、ビジネスで成功している人は、人生も豊かになっておられます。 それは単なる金銭的な豊かさだけでなく、精神的にも豊かになるからです。 成功している人は、従業員の成長を喜び、幸せな気持ちになります。従業員は生き生き働き、楽しい職場になります。 誰もが皆、精神的に充実していくのです。 成功しない人は、従業員の無能さを嘆き、従業員がサボっていないか絶えずチェックし、どうしたら従業員が働くのか日々思い悩み、疲弊していきます。 これでは精神的豊かさは得られません。 会社とは、関わるみんなが幸せになる仕組みです。 お客様を喜ばせ、従業員を喜ばせるといったことが会社の目的です。 会社が衰退するのは、その本質を忘れて「利益の最大化」といった内向きな発想になるからです。 社長のやるべきは、数字をいじって利益を出すことではなく、放っておいても従業員がお客様を喜ばせる仕組みを作ること。それと世の中の変化に対応するためにお客様の望むモノを見つけることです。 自分のことばかり考える経営者は、長期的には、絶対にうまくいきません。 景気が悪いから、利益が減るからと経費を使わない(お客様のためになることも積極的にやらない)という人がいますが、景気が悪いからこそ、経費を使ってもお客様のためになることをやる、そう言える人が成功するんです。 とはいえ、成功している会社、社長にも好不調の波はあります。成功していると思えるある病院の院長が、ある時期売上を落としたことがあります。 その頃「相談がある」と言われた私は、てっきり経費の削減についてかと思っていましたが、さすがは成功している院長、そんな話は一言も出ませんでした。 こういうはがきを出そうと思っている、こういう風に病院の外装をリニューアルしようと思っている等々、いかに患者さんに来てもらうかという話ばかりです。 社長の頭にあるのは、大事なのは経費削減という目先の解決ではなく、立て直すには患者さんに来ていただくしかない、という発想だけなのでした。「経費を削減しない」そう決めて転換を図ると、最初はうまくいかないことも多いと思います。 しかし、この本で取り上げたような、成功している会社の社長の考え、行動をしていれば、必ず多くの人に受け入れられ、応援されるのです。
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