組織を運営していく上でもっともしてはならないこと。それは、それぞれの組織ごとに定められている基本的なルールの逸脱を、特定の人にだけ許すことです。 例えば「来客があったときには、必ずフロアの全員がはっきりとした声で挨拶をする」とか「使用後の会議室の椅子や備品を元の状態に戻す」といった、誰でもやろうと思えば必ずできる基本的なルール。識学では、こうしたルールのことを「姿勢のルール」と呼んで、組織内の全員が必ず守るように徹底、いえ、強制することを重視しています。 ありがちなのが、営業成績がダントツの人や、業務上必要な特殊能力を持っている人、あるいは他社からマネジメント待遇で中途採用された人や、性格的に声が大きい人などが、これらの姿勢のルールを破っても、直属の上司や社長などが「あいつはよくやってくれているからな」などと理由をつけて、姿勢のルールからの逸脱を許してしまう状況です。 会社の一部にでもこうした特例があると、組織全体で基本的なルールを守ることへの意識が低下し、当初定めたはずの姿勢のルールが、なし崩し的に守られなくなっていくことも見逃せません。そうした意識は上司からの指示・命令に対しても同様に適応されるので、「別に、目標を一〇〇%達成する必要はないですよね? だって、〇〇さんや △ △さんはルール違反しても許されているじゃないですか?」と、悪循環に容易に突入していきます。 こうした事態を避けるためには、社員が姿勢のルールについて違反したのを見つけたとき、組織のトップや管理職が口うるさく注意する──これを徹底することです。 部下を注意するのは、誰だって嫌なものです。心理的に負担ですし、相手が成績上位者などであれば反発されることもあります。しかし、そこで「今回だけだぞ」などと曖昧に済まそうとするのは、自らのリーダーやマネジメント職としての責任から逃げていることにほかなりません。 そんな管理職は不要ですし、もしあなたが社長であれば、部下に注意できない管理職には低い評価を与えなければなりません。 やろうと思いさえすれば誰でもできる姿勢のルールを守らないのは、自分なら少々のことなら許されるはず、という社員による無意識な位置確認の行動でもあります。姿勢のルールは、それへの対応によって、個々の社員の「会社や上司に対する姿勢」が垣間見えるルールでもあるのです。 特例を許してしまえば、その社員は目標数字の達成や大切な業務に関しても、未達成でも許されるはず、というスタンスで取り組むことになります。 姿勢のルールを守れないのならば、その人はこの組織には不要だ、という強いスタンスで常に臨むべきでしょう。そうであってこそ、組織全体が健全に運営されていきます。
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