第二の誤算は、創業資金がわずか数カ月で底をついたことです。 私は、前職でキャッシュフローのシミュレーションや事業計画をさんざん策定してきて、起業時にもつくったのですが、見通しが甘かったことに尽きます。売上は立たず、想定外の出費が続出し、計画よりはるかに早いスピードで資金が減っていきました。 銀行に融資をお願いしようにも、創業した当時は現在ほどには調達環境も良くなかったので、どこからもなかなか貸してもらえず、まさに八方ふさがりでした。 金の切れ目は縁の切れ目。資金がなくなると人が離れていったのが、第三の誤算です。 会社を立ち上げたときはいろいろな仲間が副業も含めて手伝ってくれていて、創業当初は 10人弱のスタッフがいたのですが、 1年後には、一人を除く全員がいなくなりました。 ビジョンを実現するための新たな事業を引っ提げ、事業の立ち上げフェーズに必要な資金と優秀なスタッフを確保し、前途洋々だったはずの会社が、創業から 1年前後で崩壊する危機に直面したのです。 なんとか会社を存続させるためには、自分の生活を切り詰めるしかありません。給料をもらうのを止め、およそ 2年間にわたって「報酬 0」が続きました(皆さんにもそうしろという意味ではまったくありません)。 また都心のマンションを一人暮らしの住居兼事務所にしていたのですが、家賃がしんどくなり、遥か遠い場所にある築 40年超のアパートに引っ越しました。すきま風がスースーと吹き込み、近所の子どもたちがサッカーボールを蹴ると家が揺れる始末……。 資金繰りが回らない時期は、月末に、 Suicaにチャージしようと思っても、手持ちがなく、預金口座から引き出しもできない。やむなく、傘もないまま雨の中歩いていたときに、「私は何のために会社をやっているんだろう」とみじめに思ったこともありました。 結局私は、大きい組織の看板やリソースがある環境の中で経営をわかっている「つもり」でしかなかったことに本当の意味で気付けたのです。 以上の話はまったく自慢にならず、お恥ずかしい限りです。 華々しく立ち上がる会社もありますが、どんな会社でも、創業時には大変な苦労をしているものです。 では、そんなエッグフォワードや、他のこれまで私が支援・出資してきたさまざまな会社がどのようにして苦難を乗り越え、現在に至ったのか。次章以降をお読みいただければ、想像できると思います。
第 2章会社は 99. 9%、「人の問題」で崩壊する──会社の未来を左右する「ヒトのマネジメント」
1ともに働くメンバーは「仲間」でもあり、他人でもある
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