こうした創業初期の「人が辞める」問題を起こさないためには、どう対処すればいいのでしょうか。 代表的な対策が、株式のインセンティブを活用して、社員がコミットする仕組みをつくることです。
たとえば、すべての創業メンバーに株を一定の割合で分配する、あるいはストックオプションの権利を付与するといったことです。 ストックオプションとは、将来価値の上がる見込みの高い自社株を安い価格で買える権利と言えばわかりやすいでしょうか。要するに、成功したらその対価をみんなで分かち合うということです。 たしかに、金銭的なインセンティブがあったほうが、モチベーションが上がりやすくなるのは事実です。しかし株式を付与したり、ストックオプションを増やしたりする「だけ」では、人に関するあらゆる問題を一挙に解決するのは難しいと言わざるをえません。 そうやって人が辞めなくなったとしても、今度は株式にまつわる揉め事が増えます。 共同社長に 50対 50の割合で株を分配するとスムーズな意思決定ができずに揉めますし、 51対 49にすれば、 51のほうが強い権限を持つので 49のほうが不満を持ちます。 51のほうが「株式を買い取るから辞めてほしい」と 49のほうに要求しても、「もっと高くないと譲らない」などと言い出すこともあります。 また、創業メンバーに数%だけ株を渡したり、ストックオプションの権利を与えたりしたところで、ウェイトが小さければ、必ずしも強くコミットする動機になるとは限りません。 もちろん、一定程度、離職防止に寄与することは事実ですし、最大限活用すべきではありますが、いずれにしても、その株が将来的な価値がないと判断されれば、求心力として機能することはないのです。
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