「人」の問題に密接にかかわってくるのが、社員の採用です。 社員を採用し、仲間が増えることは、特に創業初期において「嬉しい出来事」の一つです。 業務委託の人にお願いするのと正社員で採用するのとでは、社長としては思いが大きく異なります。 業務委託の人が悪いということではまったくありませんが、業務委託だと、一定の対価を支払ってこの仕事をやっていただくという、タスクと報酬の関係性になりやすいのです。 それに対し、日本企業で働く正社員の場合は、「このタスクしかしません」「タスクに対して報酬をもらいます」というのではなく、「この会社を一緒に良くしていく仲間」というイメージが欧米よりも強く持たれます。 社長を始めた初期は、自分の志に共感して正社員として入社してもらえるのは、面と向かって口にしなくても、すごく嬉しいことです。それだけに、そんな社員たちが辞めたり揉めたりすると、最初は身を削られるような気持ちになります。 エッグフォワードでも、創業初期のメンバーがほぼいなくなったものの、そこから事業を立て直し、改めて社員 1号を採用できたのはとても嬉しい出来事でした。 中途で入られる方は、もともと所属していた会社を退職されて、いろんな保証を捨ててまで、将来どう転ぶかわからない会社に来るわけです。それだけに、当時、お金がないなかでも、ささやかな飲み会を開いてその方を歓迎した記憶があります(*)。 しかし正社員が増えると、どんな社長、会社でも嬉しい半面、難しいことも出てきます。 社長対社員の揉め事については先述しましたが、同時に、「社員同士の揉め事」もよく起こるようになります。仕事の成果のばらつき、人間関係の悪化。「この人は仕事ができるけど、この人はいまいちできない」という社員同士の働きぶりが如実に比較されるので、不満を持つ社員や、逆に孤立する社員が出てきます。 大きい組織なら、間に誰かが入ったり、強みを活かした別の仕事に配置したりといったことができますが、小さい組織だとそうもいきません。 その結果、人間関係が悪くなり、矛盾するようですが、社長は良かれと思って採用した社員のことで日々頭を悩ますようになるのです。*社員数は多ければいいとは一概に言えません。少数精鋭で成長を続ける企業も無数にあります。結局のところ、どういう組織形態をその会社が志向するか、会社の考え方次第なのです。
目次
コメント