一方で、仕事が合わないのか、どうも活躍できておらず、「うちだとちょっと厳しいかな……」と感じるメンバーが出てくることもあるでしょう。 これは悩ましいところです。「新陳代謝も必要だから仕方ない」と〝見切る〟という人もいれば、「活躍してもらえるような機会と環境をなんとか用意できないか」と模索する人もいるでしょう。私は、基本的には後者の考えですが、どちらが正解とは言えません。 ただ、「 2割の働かないアリ」の項でも触れましたが、どちらにしても必要なのは、「その人がなぜ活躍できないのか」を考えることです。 活躍できていない原因は、その人のスキルではなく、価値基準やマインドにあるケースもあります。また、それらを見抜けずミスマッチを生み出してしまったという点でいえば、採用に問題があったのかもしれません。仕事のアサインの仕方や、上長との相性もあるでしょう。 現実的に多いのは、活躍するチャンスがあったけれども、ボタンの掛け違いがあって、だんだんとうまくいかなくなっていくケースです。こうした場合は、間に合うなら、新しい機会の提供や、上長の転換を検討したほうがよいでしょう。 また、新陳代謝は仕方ないというスタンスをとるなら、「何をできる人がこの組織にいてほしいのか」という視点で、「会社のものさし」をつくることも重要です。 たとえば、短期的な成果を出せる営業パーソンに残ってほしいなら、短期的成果を評価する人事考課制度を設計すれば、そういう人が残るでしょう。 その半面、短期的な成果を追い求める人ばかりが残ると、同様に短期成果を出したらもっと報酬をもらえる会社に転職しやすくなり、組織のロイヤリティは上がりにくくなります。それなら、会社の価値基準を大事にする人に残ってもらったほうがいいかもしれない──。 このように考えれば、「自分たちの組織に必要なメンバーとは、どのような人なのか」を、はっきりさせておくことの大切さをわかっていただけると思います。
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