「スタートアップが通る道シリーズ」の定番と言えるのが、組織の崩壊です。 スタートアップは創業から 1年前後で組織崩壊のピンチが訪れることは第 2章でお話ししましたが、その後成長する過程でも組織の崩壊は起こります。 特に崩壊が始まりやすいのは、「社員 1 00人」が見えてくるタイミング、いわゆる「 100人の壁」です。 原因の一つは、社員が増えていき、社長自身や経営幹部ではなく「中間管理職」がマネジメントするようになること。 社員が少ない頃は、社長や経営幹部が直接、現場をマネジメントすることができます。 一人ひとりに、社長が「こんなことを目指そう」と対面で語りながら共感を得て、「あなたはこれが得意だからこの仕事をして」と細かく業務指示をし、何か悩みを抱えていないか表情を見つつこまめに声をかける。社員が数十人くらいならそんなふうに力技でマネジメントができます。 しかし、 50人を超えて 100人に近づいてくると、そうはいきません。社長や幹部の目が隅々まで届かなくなりますから、徐々に組織化し、中間管理職にマネジメントを任せざるをえなくなります。 これでうまくいけば良いのですが、ほとんどの場合は、あちこちでトラブルが起こるようになります。 中間管理職が悪いわけではありません。ただ、社長でない人がマネジメントをすることで、ミッションやバリューの理解や浸透に時間がかかります。それぞれの中間管理職によって指示や判断にもブレやバラつきが出てきて、成果を出せる部署と出せない部署が出てくるのです。 すると、どうなるか。バラついているだけならともかく、「あの人は仕事ができない、あの部署が足を引っ張っている」と犯人探しが始まり、職場の雰囲気が険悪になってきます。 当事者の中間管理職はプレイヤー業務とマネジメント業務に挟まれて疲弊し、メンバーは上長への不満を募らせる。 その結果、メンバーのエンゲージメントが下がって退職者が続出し、ますます成果が出しづらくなり、さらにメンバーのエンゲージメントが下がる……という悪いスパイラルに入ってしまい、組織が崩れていくのです。
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