組織の崩壊を防ぐために必要なことは大きく二つあります。 一つ目は、経営陣の誰かが本気になって、組織運営にリソースを割くこと。 先述したように数十人規模であれば、社長も社員一人ひとりの顔が見えるし直接指示もできるので、組織運営は何とかなります。 しかし、一定規模を超えると、社長一人だけで組織運営にコミットすることは不可能です。そこで、社長がすべてを見ることを諦め、「誰か」が組織化を図るのです。 創業者は何らかの想いを持って起業していますが、必ずしも組織のマネジメントが上手だから社長をやっているわけではありません。私の印象では、むしろ組織運営が下手くそな人が多い。創業者は自身の想いが強く、スーパープレイヤーであることが多いため、どうしても「俺がこう思うから、とにかくこうやって」とゴリ押しするマネジメントになりがちです。 伸びていく企業には、経営陣に組織や人のマネジメントに長けているキーマンがいるものです。そういう人に組織運営を思い切って任せればいいのです。 CHRO(最高人事責任者)などと言われますが、肩書きにこだわる必要はありません。 求心力があり、組織運営の知見がある人が経営陣にいれば、その人に CHRO的な役割を兼務してもらうと良いでしょう。プロフェッショナル
を社外で見つけ出して招聘する手もありますが、どちらにせよ注意したいのは、本来であれば経営レベルでのコミットが必要な役割を人事担当者に任せっぱなしにしないことです。 あえて明言しますが、フェーズが変わる過渡期における組織設計は極めて重要な経営テーマであり、人事担当者任せにすると彼らが孤立するだけで状況は何も変わりません。 特にスタートアップは一にも二にも事業を伸ばさなければならないので、事業側の権限が強く、組織運営側や H Rはほとんど権限を持っていない状況になりがちです。すると、「目標管理やミッションやカルチャーはどうでもいいから、営業活動させてくれ」と考課が蔑ろにされるといった類のことが起きます(*)。 だから経営側が事業だけでなく、 H Rにもしっかりリソースを割いてバランスを取っていくことが、特に創業初期においては重要になるのです。*ちなみにアメリカなどに比べて、日本企業の場合、 H Rがあまり重視されていないように思えます。ただ、当然ながら、経営側が誰もコミットしない組織運営はほぼ間違いなく形骸化します。
コメント