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スタートアップと大企業の商品開発の「明らかな違い」

 ユーザーに試してもらいながらプロダクトをつくっていく重要性は大企業でも、スタートアップでも変わりません。しかし、その考え方は、大企業とスタートアップで指向性が大きく異なります。  大企業が新たなプロダクトを開発するときの基本的な考え方は、多くのユーザーを獲得できるようなモノを見つけ出すことです。相応のマーケットボリュームを獲得できなければ、大企業で取り組む意味はありません。  最近はだいぶ変わってきていますが、大企業で新たなプロダクトを開発するときには、市場分析がよく用いられます。  マクロ環境( PEST分析)などを踏まえて、市場を細分化し(セグメンテーション)、どの市場をターゲットにするかを決め(ターゲティング)、その市場のなかでどのようにプロダクトを差別化するか考える(ポジショニング)といったようにして、ボリュームがあり、優位性のあるターゲットを見つけ出す。  そして、営業や宣伝、販促などに多額の資金を投入し、ターゲット層に働きかけていきながら多くのユーザーを獲得していくわけです。  一方、スタートアップは、大企業のように資金が潤沢ではないので、広い層に働きかけるようなことはできません。  そこで、スタートアップに欠かせない考え方が、たった一人でも「熱狂的なコアユーザーを見つけ出すこと」です。熱狂するユーザーなので、文字通り「熱狂者(クレイジーカスタマー)」と私は呼んでいます。  創業初期の未熟なサービスにおかしいくらいに本気でトライしてくれて、「ここがすごくいい」「ここがちょっと足りない」という良くも悪くもリアリティのある意見をくれる。  こうした「熱狂者」が数人見つかるだけで、有意義な改善ができ、本当に刺さるサービスに進化させやすくなります。  さらには、サービスを使ってくれることで、その人が良い事例になり、他の人に評判を広めてくれます。薄いファンが 1 00人いるより熱狂的なファンが 3人いたほうが、サービスを使ってくれる人が確実に増えていくのです。  私自身も、エッグフォワードを創業した当初は、これまでにない組織開発のトレーニングや H Rのプロダクトを開発し、それを広めていきたいと考えていました。  最初の顧客は、熱狂的な一人の担当者です。思想に共感いただき、ある意味で、サービスを共同開発してくれた「功労者」とも言えます。  その方は、同業他社よりもエッグフォワードのサービスを使うべきだという意志で稟議を上げ、社内のキーマンに説得までしてくれました。一方で、サービスの改善点や強化すべき点についても数限りない意見をくれました(*)。  後日談ですが、その担当の方に、他のサービスもあるなかで、なぜ、そこまでエッグフォワードのサービスを推してくれたのかと聞いたことがあります。その方はこう口にしました。「長らくこの業界にいて初めて、サービスが目指す世界観に心から共感したんです。エッグフォワードさんのようなビジョンを持つ会社が世の中に必要だな、と」「熱狂者」が見つかったおかげで、事業を軌道に乗せることができた会社は非常に多いのです。サービスの優位性で熱狂的なユーザーになってくれるケースもありますが、サービスの持つ思想自体に共感いただけるに越したことはありません。*スタートアップの世界で王道とされるのは、「 N 1インタビュー」です。広くて浅いサーベイではなく一人のお客様に深くインタビューをすることで、自社サービスが支持されるニーズを掘り出していきます。出てきたニーズに対する価値観を強化していけば、ビジネスを拡大しやすくなります。

2お客様は「課題」を教えてくれない。自力で見つけよ

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