もちろん、やみくもにサービスやプロダクトをつくってユーザーに試してもらっていても、ユーザーから良い反応は得られにくいし、効率も良くありません。 この章の冒頭で、社長が「強い想いでプロダクトを立ち上げたあまりに、ユーザー視点が抜け落ちてしまう」と話したように、お客様に支持されるサービスやプロダクトを生み出すには「ユーザー視点」を持って、プロダクトアウトではなくマーケットインの考え方で、自社のサービスやプロダクトに欠けているものが何かを考えることが大切です。 お客様が欲しいと思うサービスやプロダクトかどうかは、次の三つの要素でチェックできる、と私は考えています。・課題(ニーズやペイン)・提供価値(競合との違い)・価格(ビジネスモデル) 1番目は、「課題(ニーズやペイン)」。 サービスでもプロダクトでも、お客様がお金を払っても良いと思うものは、必ず、お客様が抱える課題、言い換えれば、ニーズや悩み(ペイン)をつかんでいます。それらがよくわからないまま妄想でサービスやプロダクトをつくってしまうと、「お客様のニーズがまったくない」ことも起こりえます。 2番目の「提供価値」は、お客様に提供するプロダクトやサービスの価値のことです。 提供価値にはさまざまなものが含まれます。課題を解決するためのソリューション、プロダクト、サービスが他のサービスよりどれくらい優れているのか。その効果が「高いか低いか」だけでなく、「どれくらいのスピードで提供するか」「提供される価値に常にブレがないか」といったことも価値に含まれます。 サービス自体は良いサービスだったとしても、長い時間待たないと得られなかったり、不良品の割合が高かったりしたら、提供価値は下がってしまいます。 お客様の課題やニーズは把握しているのに、提供価値が弱い、ということは少なからずあります。 3番目は「価格」です。「課題解決のための価値を、お客様が払ってもいいと思うような価格で提供できるか」が重要ですが、価格にはいろいろなパターンがあります。 たとえば、 1回だけ代金を徴収して終わりの「売り切り」もあれば、毎年・毎月継続して料金をお支払いいただく方法もあります。いわゆる「サブスクリプション(サブスク)」と呼ばれるモデルは後者ですね。 サブスクでも、導入時に費用をいただいて、継続でいくらか徴収するパターンもあれば、最初は無料にして使ってもらい、一定の期間を過ぎてから料金をいただく方法や、特定の機能を使うときのみ別料金を徴収する方法などがあります。 つまり、価格設定は、単に高い・安いだけではなく、ビジネスモデルとも関係してくるのです。これら複数のパターンのなかから、お客様が納得のいく料金体系を設定する必要があります。「課題」「提供価値」「価格」の三つの要素のいずれか一つでも欠けると、売れるプロダクトやサービスにはなりません。ユーザーがどう思うのかは机の上で考えていてもわからないので、実際のユーザーに試してもらいながら検証していくわけです。
目次
コメント