MENU

理想形までに 10年近くかかることも

「新たなプロダクトをユーザーに試してもらう重要性はわかった。けれども、どれくらいそのサイクルを繰り返せば良いのか……」。そんな疑問を抱く読者も多いでしょう。  正直なところ、一概に「これくらい繰り返せば良い」とは言えません。  一般的には、 3 ~ 6カ月でいったん状況を判断したほうがいい、と言われますが、これもケースによります。プロダクトを少し改善すれば良いレベルなら数カ月程度のサイクルで済みますが、事業全体を大きく変えるとなると、数年間にわたり何度もサイクルを回して、ようやく理想形にたどり着くこともあります。  エッグフォワードの投資・支援先でコロナ禍の環境変化を活かして爆発的に伸びたスタートアップがあります。新しいサービスなのですが、この事業に至るまで創業時から 7 ~ 8回は中身を変えており、最初に事業を始めてからじつに 8年を費やしました。非常に苦しいなか、粘りに粘ってここまでたどり着いたわけです。  先述したように、コアなユーザーから貴重な意見をいただき、サービスを改善できればいいのですが、こういうユーザーがいつ現れるかは、まったくわかりません。  そうなのです。この「わからない」が曲者なのです。「あと 3回、商品の改善を頑張ったら当たる」というのがわかっていたら、誰でも頑張れるでしょう。しかし、それは誰にもわからないのです。  その結果、金の鉱脈を掘り当てるのと同じで、あと少し掘っていたら当たったかもしれないのに、資金がショートしたり、起業家の心が折れたりして、頓挫してしまうのです。  ユーザーの声を活かして改善するサイクルをあと一、二度回していたら、当たっていた、ということは現実にありえることです。だから、ゴールが見えなくても諦めずに根気よく改善し続ける。  精神論を言うつもりは毛頭ないのですが、新規のプロダクト開発は、どこかの教科書に書いてある通りマネしているだけではうまくいきません。それであれば、あらゆる新規事業は成功することになります。  結局のところ、泥臭いことを粘り強くやることが絶対に必要なのです。大きく成長した企業の多くは、そういう先の見えないフェーズでも、「こういう課題を解決するんだ、いやそれまでやり続けるんだ」という信念を持って、粘り強く取り組み抜いた経験を必ず持っています。  手に取ってもらえるプロダクトとは、いろいろなリソースやコストの犠牲を払ってまで使いたいユーザーの存在があって初めて成り立つものです。その視点を強く持ちつつ、ミッション・ビジョンも大事にしながら、粘り強く改善し続ける。これはどの業界・業種でも共通する大原則なのではないでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次