だからといって、最初から現状維持の目標を掲げてしまえば、社長も社員も油断してしまい、往々にして結果は下振れします。手が届くかどうかわからない高い目標を掲げない限り、持続的な成長は望めません。 そう考えると、結論としては、社長や経営陣が、「何のために会社を経営しているのか」「どんな規模感で、どんな価値をつくりたいのか」「どれくらいのペースで成長したいのか」を明確にする。そのうえで、皆が腹落ちする言葉で目標を伝えるしかないのです。 その際、定量的な目標の根拠に加えて「目標を達成できた先に、いかに素晴らしい世界が待っているのか」を魅力的に伝えることが社長には求められます。 もちろん、市場規模や競合企業との比較、社会に対する影響力やブランド、従業員の数などでおのずと目標が決まっていくケースもあるでしょう。 ですが、理想を言えば、社長自らが目標を決めて、自分の言葉で周囲の合意を得ていくのがベストです。社員であるうちは、どこまでいっても一定の目標が上から与えられるものですが、トップになって初めて、自分が目標を設定する側に立つのです。 そのとき、どの程度の目標を掲げられるか、その目標に社員が共感してくれるかどうか──トップの力量が試されるところです(*)。*社長は、同時期に創業した会社や、同業の会社が華々しく成長したり取り上げられているのを見て、なんとも言えない劣等感や屈辱感を味わうこともあります。そういった会社を見て、自身の会社の成長性の乏しさに不甲斐なさを感じることも少なくありません。でも、他社と比較したところで仕方がありません。未来を見据えて目標を決めるのも、それを実現できる
体制を創るのも結局は社長の役目だと割り切り、そうした葛藤も受け入れるしかないのだと思います。
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