中小企業活性化協議会を利用した「第二会社方式」の現実 中小企業活性化協議会を利用して、第二会社方式を利用して債権カットする方法がありますが、ほとんど軌道に乗りませんし、乗ったとしてもうまくいきません。 活性協議会の担当者がよほどやる気があり、交渉力もあるならうまくいくかもしれません。その都道府県の活性協議会や担当者によってかなり温度差があると思ってください。今は昔より活性化協議会が主体的に再生にかかわらなくなり、場を提供する形になってしまいました。当初掲げていた本来の主旨から遠ざかってしまった感があります。 うまく進んだとしても、時間がかなりかかります。 経験上、一番困ったのは、その長い期間のため、再生する会社の資金繰りが続かないことです。再生は時間との勝負ですが、金融機関や協議会は手順を踏んでしていくので、思った以上に時間がかかります。そのための融資はどこもしてくれませんから、自社で何とかするしかありません。それが無理だから協議会に相談に来ているわけですが、どうにもなりません。 その間に頓挫して再生をあきらめる会社もあります。再生した優良な顧問先もいらっしゃいますが、普通だったらかなり苦労したと思います。なぜ通常の「第二会社方式」での再生が難しいのか? なぜ、日本の中小企業再生がうまくいかないかというと、制度にいろいろな問題があるからです。 法的に第二会社方式で再生しようと思っても、銀行がその会社を再生させる価値があると判断してくれないと難しいのです。今はまだ、全行一致でないと債権放棄はしてくれません。 また、 20億円以下、特に 10億円以下の中小企業は、銀行にとっては法的に倒産してくれたほうが楽だと考えているところがあります。 ほとんどが保証協会付貸付ならば、銀行の損害も少ないですから、法的に処理されても問題ないと考えています。銀行は取引会社が倒産したときのシミュレーションはしているはずです。独自の再生メソッド「第二会社ステルス方式」 私の場合、 11行の銀行取引がありましたが、半分の銀行は協力してくれました。新会社、つまり第二会社をつくり、不動産担保物件を売却しました。 その他の協力的でない銀行の不動産担保物件は、第三者に任意売却して、後々第二会社で買い戻しをしました。 協力的でない銀行には邪魔されないために、再生プランを知られないように進めました。 私はこの「第二会社ステルス方式」と呼んでいます。 詐害行為にならないように、かつバレないように、手順を踏んで密かに行なうのがポイントです。 協力してくれた銀行とは密に連絡して進めていました。協力してくれていた銀行は、真面目にやってきた私に対して、心底支援してくれて、損切もしてくれました。感謝しかないです。「他の会社ではやらない、オンリーワンだから口外するな」とも言われたぐらいでした。信用金庫にとってはかなりのダメージでしたが、「頑張ってきたのだから協力する」と言われ、私は理事長に土下座をしに行きました。 第二会社方式の再生の基本は、元の事業のいいところだけを取り出して新会社に移行することです。そして、過度な負債はダメなほうの会社に残して沈没させるのです。 また、「従業員が得意先を持って独立した」などというシナリオを活用するパターンもあります。 少しずついい得意先を移行し、時間をかけて業績を良くしていきます。元の会社は放置状態にするなど、いろいろなやり方があります。ただ、長年頑張ってきた社長のプライドや生命力を奪うやり方はせずに進めます。「知り合いが経営する既存の会社に、正当な理由をつけて事業を渡す」というパターンもあります。 銀行に「しょうがないですね」と言わせないといけません。勝手なことをしたと銀行に思われるスキームは良くありません。ポイントは、銀行をどう納得させていくか、です。それぞれの銀行との関係性や業績などを加味して、最適なスキームを考えないといけません。 このようにステルス方式にはいくつかのパターンがあります。 事業の大きさや業種などを考えて、どのやり方が適切か、その都度判断します。他の多くの再生法を見ていると、そのやり方はまずいだろうというやり方をしています。 再生は、知恵の輪を外すように、綿密な計画を立てて焦らず時間をかけて戦略的にやらないとうまくいきません。そのためには経験とスキルが必要です。
目次
コメント