ビジネスは「弱肉強食」の世界だ、というのはわざわざ言い立てることもない当然のこと、なのでしょうか? だれかを倒さないと勝てない、それがビジネスの世界、なのでしょうか? 特に現在のような厳しい経済情勢になってくると、サバイバルのためには、手段を選ばないぐらいの非情な覚悟が必要だという思いをあらたにしている方も少なくないかもしれません。 でもわたしは、どんな時代にあっても、ビジネスも人生も、「弱肉強食」ではなく、「優勝劣敗」だと信じています。そのときどきのお客さまから見て最適の企業が生き残るのであって、ライバルを蹴落とした企業が生き残るのではない、と。 もちろん、ビジネスは「市場における他社との競争」ですから、ライバル企業と競っていることは紛れもない事実です。でも、それは、ライバルを倒すのではなく、ライバルよりよい商品やサービスを提供して、お客さまから選ばれればよいだけのことです。 お客さまは敏感ですから、自身にとって都合のよい会社を選択します。ダメな会社は自然に淘汰されます。ビジネスも、ダーウィンの進化論のごとく、適者生存であり、「優勝劣敗」なのです。 ライバルを意識することは必要ですが、蹴落とす必要はありません。敵はライバルではなく、現状の自社、現状に甘んじている自社なのです。 個人でも同じです。ライバルを蹴落とそうなどとケチなことを考える必要はなくて、ただ、ライバルより優れた仕事をすればよいだけのことです。プロ野球選手がライバル選手の足を引っ張っても、だれも喜びません。ライバル選手よりもよい成績を出すことに専念すれば、ファンも自分もハッピーになれます。 ビジネスでいえば、お客さまもハッピーだし、お客さまがハッピーになれば、その結果、自社も従業員も株主もハッピーになれるはずです。従業員から見れば、働きがいが高まります(なお、幸せになる順番は、まずお客さまに幸せを与え、それを会社がいったん集約し従業員や株主に配分します。幸せの順番の最初がお客さまだから「お客さま第一」です。ただし、あとで幸せになる従業員や株主のほうが大きな幸せを得られる場合も多い)。ビジネスも人生も、 だれかが勝てばだれかが負けるという「ゼロサム(足してゼロということ)」だと考えるとうまくいきません。 ただし、だからといって、ライバル企業の幸せまでをも願う必要はありません。変にライバルと協調しようなどとすると、「談合」まがいとなり、社会に損害を与えることにもなりかねないのはいうまでもないでしょう。 「切磋琢磨」の社風をつくることが、社内でも社外でも大原則です。 ライバル企業はライバル企業で努力して、よりよい商品やサービスを提供すればよいだけのことです。こちらもそれに負けないようにさらに努力すればいい。そうなればお客さまも世の中もよくなります。それが「創造」です。 「創造」は神さまの世界。「弱肉強食」は動物の世界です。レベルが低いのです。神さまの世界で生きたほうが成功する確率が高いことは自明です。
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