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12「モチベーションアップ」よりも「働きがい」

 従業員のモチベーションをどのように高めるかは、多くの経営者やリーダーにとって、大きな関心事のひとつでしょう。わたしのところにも「働く人のモチベーションをもっと高めるにはどうすればよいでしょうか」という相談がたくさんきます。  しかし、この「働く人のモチベーションを高めたい」というのは経営者側の論理です。同じ給料でもっとよく働いてほしいという、厳しい言い方をすれば、経営者の勝手な思惑です。  ですから、そんなときに、わたしが必ず申し上げるのは「働きがいを高めなさい」ということです。働きがいが高まれば、モチベーションは自然に上がるものだからです。  仕事は本来「楽」なものではありません。  しかし、それを「楽しく」やることが大切です。  イチロー選手でも楽ではないと思います。楽だったら、六割以上凡退することはないはずです。でも、その楽でない仕事を楽しくやるのが、「働きがい」なのです。  繰り返しになりますが、働く人のモチベーションを高めたいと思ったら、  働きがいを高めることです。  働きがいが高まれば、モチベーションは自然に上がります。  働きがいとは、働くことに意義を見いだすことです。もっともよいのは、「他の人に頼られている」とか、「他の人に喜ばれている」ということです。自分の限界に挑戦することでもかまいません。  もちろん、お金を稼ぐというのもひとつの意義です。先に、会社が与えられる「幸せ」のひとつに「経済的幸せ」を挙げましたが、それがそうです。しかし、多くの人はそれだけではモチベーションを上げられません。上がっても続きません。ある程度お金を得るようになると、モチベーションが落ちます。お金ももちろん大切ですが、それにプラスして、その他の働きがいを高めることです。  そのための必要条件のひとつは、ある程度の「技」(スキル)を身につけられるようにすることです。会社は仕事をしに来るところですから、技が必要です。経理の人なら簿記の知識、製造ならそれに関する知識やノウハウといったものです。もちろん、営業にも経営にも技が必要です。技がなければ仕事は十分にはできません。人に喜んでもらえるような仕事をできるだけの技が必要です。  技を持ち、人より少し仕事ができると、「居場所」ができ、働きがいが高まります。居場所とは、言い換えると、「自分の存在意義」です。  自分の居場所を確保できてこそ働きがいが高まるのです。  居場所が必要条件です。  それでは十分条件は?  それは、「人から評価されること」です。お客さまや同僚から評価される、そうすれば、働く意義がより高まります。  もちろん、人は自分のために働いています。その自分のために働くことが、人から評価されると、ますますやる気が出るものです。まして、それが高い評価を受けるとなると、さらに、ますますやる気が出ます。  「お客さま第一」は、実は社員の働きがいを高めるためにも、会社としてもっとも大切なことだったのです。お客さまを大切にした対応を行うと、お客さまからその人がほめられやすくなります。自分たち第一をほめるお客さまはいません。ほめられると、ますますよい仕事をしようと思います。それで、よい仕事をするとさらにほめられる、という正のスパイラルが生まれるのです。  「お客さま第一」は、働く人に働きがいを与え、  そのことが会社に利益をもたらし、  それが、さらに働く人に経済的幸せをもたらすという、マジックワードなのです。  もちろん、内部事務を行っている人も会社にはいますが、その人たちは、周りの人に喜んでもらえる仕事をすることによって、つまり、直接お客さまに関わっている人たちのサポートをし、そのことを評価されることによって、働きがいを得ます(したがって、お客さまや同僚から評価されていることを、社内で認めるような給与体系や人事評価制度が必要となります)。  心理学的にも同様のことが言えます。人のエネルギーを引き出すには「自尊心」と「自負心」が必要だと言われています。  自尊心とは自分を尊いと思う気持ちであり、他の人から存在が認められているということです。自負心は自分ならできるという気持ちです。  職場では、仕事ができると、人から認められます。居場所ができます。ですから、最初は、部下が仕事を人並みかそれ以上できるようになるまで鍛えることです。そこには王道はありません。本人に努力をさせるのです。仕事ができるという自負心を持たせ、周りから認められ、自尊心も持てるようにすることです。  そして、経営者自身も当然、自分の仕事に努め、自尊心と自負心を持つことです。  話は変わりますが、あなたは、会社に行くときに「ルンルン気分」で行っていますか?  これはたいへん大切なことです。ルンルン気分になれないのは、会社や仕事が楽しくないからでしょう。リーダーが楽しくない会社なんて、部下も楽しいはずがありません。だれも楽しくない会社が、お客さまをよい気分にさせられる商品やサービスを提供できるとはとても思えません。  会社をお客さま志向にし、働きがいを高め、社長から新入社員までみなが自尊心や自負心を持って、ルンルン気分で働ける会社にしたいものです。

まとめのチェックリスト □「管理」こそが経営であると思っていないか? □未来を簡単に予測できると思っていないか? □「目的」と「目標」を混同していないか? □積極的に「新規事業」に乗り出すのが、やり手の経営者だと思っていないか? □お客さまのなかでの「シェア」を高めているか? □大手の系列に入っているからと、安心していないか? □ビジネスは「弱肉強食」のゼロサムゲームだと思っていないか? □「オンリーワン」を目指していないか? □「小さくなる能力」を持っているか? □「お客さま第一主義」と言いながら、「社内第一主義」になっていないか? □「 E S」を高めるほど、「 CS」は高まると思っていないか? □「働きがい」を高めているか?

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