営業会議などに出ていると、値段が高くて売れないという意見をよく聞きます。けれども、ほんとうにそうである場合はまれです。営業マンや自社の真の意味での実力のなさを価格だけでごまかしている場合が少なくありません。 もちろん、 Q、 P、 Sの Q(商品の品質)が悪ければどうにもなりませんが、他社と遜色のない商品を扱っている場合なら、価格が少し高くとも、 S(サービス)がよければ売れることが多いのも事実です。(価格で勝負するしかない「コモディティ」 =どこでも手に入る原材料のような商品に関しては、価格差だけでビジネスが決まることはもちろんあります。このような場合には「コストリーダーシップ戦略」といって、コストを下げるしかありません。もちろん、これも差別化で、大量生産をはじめとする規模のメリットなどを追求することです。しかし、このような場合でも、サービスが悪くてもだいじょうぶということではありません。) 「お客さまは、製品の不具合は少しなら許してくれるが、 サービスの悪さは決して許してくれない」 とある社長が言っていましたが、まさに、そのとおりだと思います。 製品のスペックやデザインにそれほど差がないのであれば、お客さまはサービスの差で、どこから買うかを決めます。逆に、サービスが悪いことに対しては、よほど製品が差別化されているか価格が安いかのメリットがない限り許してくれません。あなたが顧客の側に回るときも、そうだと思います。 では、どのようにしてサービスで差をつけたらいいのでしょう? それは、小さな違いをたくさんつくることです。接客でお客さまと目線を合わせる、来客を玄関先まで出迎える・見送る、ドアを開ける、お茶をこまめに取り替える、笑顔、電話にはすぐ出る……。 細かいことでたくさん違いがあると、人は「この会社は他社と違う」と感じます。 小売業や飲食店なら、店の清潔さや明るさも重要です。お客さまは、新しさやインテリアのセンスよりも清潔さを気にする場合が多いものです。いくらおしゃれでも新しくても、隅々が汚れていたらだれでも不快に感じるでしょう(人間も同じですね!)。 小さいことに手間をかけるというのは、「紙一重の積み重ね」です。 成功している会社や人を見ていると、みんな、 小さな努力を多く積み重ねています。 紙も一枚だけの差なら、〇・一ミリくらいで違いは分かりません。ですが、コピー用紙の束を見ればお分かりのように、五百枚、千枚と積み重なれば非常に大きな差になります(別の本で同じたとえをお読みいただいている方もいらっしゃるかと思います。わたしの好きな比喩です。自分自身、このことをいつも意識して、小さな努力を積み重ねて、大きな違いを生み出したいと思っています)。 以前、ある会社の専務から、「 ABC」という言葉を教わりました。 A =あたり前のことを、 B =ばかになって、 C =ちゃんとやるの略だそうです。 あたり前とは何かを知ることは結構むずかしいものですが、それを分かったうえで、あとは「手間をかける」ことでしょう。 よい会社は「お客さま」に手間をかけますが、ダメな会社は、お客さまには手を抜いて、「内部」に手間をかけています。
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