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7「商品開発」よりも「認知の努力」

 ビジネスの素人が最初に考えるのが、「よい商品なら売れる」ということです(わたしも本については素人でした。よい本なら売れるはずだと思っていましたので。売れないのはそのよさが分からない読者が悪い、とまでは言いませんでしたが……。でも、いまでも、そう思っている著者や出版社の方は少なくないと聞きます)。  それは文字どおり、素人考えです。いくらよい商品でも、お客さまは、知らないものを買いたくとも買えない。認知の努力が必要です。  ここで一般的なのは、「 AIDMA」です(拙著『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』では、『天橋立』を例に詳しく書きました)。   1   Attention(注意)   2   Interest(興味)   3   Desire(欲求)   4   Motive  または、 Memorize(欲求の高まり、または記憶)   5   Action(行動)の頭文字で、お客さまがモノやサービスを購入するときの順番です。   1ある商品に注意がいき、 2それに興味を持って、 3さらにそれをほしくなる。そして、 4欲求が高まって(あるいは記憶され)、 5購買という行動に至る、というわけです。  この AIDMAは、モノが売れない原因を考える道具として役立ちます。お客さまが商品を眼にして購買に至るまでの流れのなかで、いったいどこが途切れているか?  を考えるわけです。  一般に、新興のベンチャー企業が、新しいコンセプトの商品・サービスを世に出す場合は、最初の 1 Attention(注意)が、最大のハードルとなります。知ってもらえさえすれば、その商品に興味を持ち、ほしいという欲求を持ってもらえるだろう、けれども、知ってもらうには、営業活動や広告・広報活動が必要で、それにはそれなりの資金が必要です。  もちろん、ほんとうにいいものなら、放っておいてもいずれ売れるかもしれませんが、それまでに長い時間がかかります。特に、ベンチャー企業は時間( =お金)との競争ですから、そんなに時間をかけていては、売れはじめる前に、資金がショートし倒産してしまいます(本の場合は、棚にほとんど並ばないうちに、ひっそりと返品されてしまいますね)。  もちろん、認知の努力だけでは不十分です。それは、必要条件。十分な販促活動をお金をかけて行い、十分に周知させた、でも、興味やさらにその上の欲求にまで至らない商品は少なくありません。お客さまは、商品やサービスが自分のニーズに合っていないと買ってくれません。むしろ、 PRや人気だけで売るのは「インチキ」です。  そのような場合には、ターゲットとする顧客層に実際に合っているかどうかのマーケティングリサーチや、それを踏まえた商品の「 Q(品質)、 P(価格)、 S(その他)」の修正、さらに、4つ(あるいは5つ)の Pの見直しが必要となります。  マーケティングリサーチというと、何か大上段に構えた調査を行わなければならないような気になりますが、本来は、「お客さま第一」でお客さまの声を真摯に聞くことです。  また、欲求も十分あるのだけれど、それが購買に結びつくほどの高まりとはならない、という場合もあります。たとえば、「ほしいけれども手が届かない」という商品です。こういう場合には、ローンを組めるだとか、高級車でやっているような下取り価格を高く設定したリース(トヨタ自動車などが最近やっている三年分だけ買いませんか?  などといった戦略)で、欲求を購買まで高める方法があります。これは「工夫」です。  この AIDMAはマーケティングのひとつの考え方で、こういうものを「アプローチ(方法論)」といいます。アプローチとは、問題解決のための道具です。  道具があれば、問題を解決しやすいものです。自社商品に関して、実際にどの段階で売れないかなどを、道具を使って問題分析すると、意外と問題点が明確になることがあると思います。

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