MENU

5「努力賞」よりも「メジャラブル」

 ある会社の役員会に参加していたときのこと。  役員のひとりが、「今年の目標は会社の知名度の向上です」と発表したところ、投資家を代表して役員会に出席していた取締役から、「それは方針であって目標でないので不十分だ」と指摘されました。  もっともなことです。「会社の知名度の向上」だけでは、「今年」の最後に、「がんばりました」というだけで終わってしまいます。大切なのは「どこまで」がんばったかです。  その後、その役員からは「ネット検索で同業中で ○位以内」と目標が訂正されました。これなら達成したかどうかがはっきりします。  わたしは多くの企業研修や役員会に参加しますが、「方針」は立てるものの「目標」に落とし込まない会社が多いのには、いつも驚かされます。  方針とは方向性です。「市場シェアを上げる」、「人材を育成する」などです。方針が重要なことはいうまでもありません。これが違っていてはどうにもなりません。  けれども、それを実現するうえでは目標こそが重要です。目標とはすなわち、その「方針」を具体的な数値に落とし込んだものです。これがなければ、どこまでやらなければならないかが分からなくて、「がんばっています」の努力賞ばかりの組織となってしまいます。  測定可能なことを「メジャラブル( measurable)」といいますが、目標はメジャラブルなものでなければなりません。そうでなければ、やったかやっていないかがはっきりと分からないだけではありません。  メジャラブルな目標を適切に設定することで、  最後までやることが重要だという問題意識が会社全体に共有されます。  このとき、無理な目標を立てては逆効果です。このあたりのさじ加減がリーダーの腕の見せどころ、というわけです( G Eの「ストレッチ予算」が参考になります)。  以前、『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』でも書きましたが、別の会社の役員会に出ていたときのこと、ある部長が「 ○ ○会社と提携できました」と、自社よりもずっと格上の会社との提携を自慢げに発表しました。努力賞が認められやすい社風の会社だったので、役員会の参加者からは賞賛の声があがりました。  ところが、他社出身で一代で一部上場企業をつくり上げたベテランの顧問が「それでいくら利益が出るの?」と質問したところ、その部長はばつが悪そうに「数百万円です」と答えました。それは、その会社の規模からすると決して大きな数字ではありませんでした。  利益を出すだけでなく、「いくら」出すかが重要です。  目標を曖昧にしていると、  努力賞を評価して結果が出ない会社になってしまいます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次