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7「売上」よりも「利益」

 自分の会社では、いったい利益をいくら出せばよいか、知っていますか?  「出せるだけ出せばよい」、あるいは、「赤字でなければよい」と思っているかもしれませんが、それは違います。そこには、「必要な利益水準」や「適正な利益水準」というものがあります。  ゴルフで言えば、ドライバーを持ってティーグラウンドに立った場合、ふつうの男性なら三〇〇ヤード以上飛ぶことはまずないでしょうが、一五〇ヤード以下では満足しないはず。実力以上に飛ばしすぎると身体や道具を傷めますが、ある程度は飛ばないとよいスコアは出せません。経営でも同じです。  自社の規模などから見て適正な利益の水準があります。  まず、ひとつは、資産規模から見た必要利益です。  前項で説明した「 ROA」(資産利益率 =利益 ÷資産)が関係します。  資産を賄うためには、負債や資本が必要ですが、それには調達コストがかかっています。 ROAは「利益 ÷資産」ですから、その調達コストの割合よりも ROAは高くなければなりません。  複雑な説明は避けますが、営業利益(金利を払う前の利益)ベースの ROAで「五%」が合格ラインだとわたしは考えています。  次に、銀行融資や社債をかかえている会社の場合には、その元金返済や利払いに必要なキャッシュフローを得るための利益が必要です。財務内容がよい会社はこのことを考えなくてもよいですが、財務内容が悪いと、どうしても無理な経営をしてしまいがちということです。  さらに、働く人の待遇をよくする(もちろん「お客さま第一」が大前提ですが)ために、何を増やす必要があるでしょうか?  答えは、「一人当たりの付加価値額」です。  付加価値とは、「売上高 −仕入れ」です、自社でつくり出した価値です。  付加価値に占める人件費の割合を「労働分配率」といいますが、労働分配率が同じなら付加価値額、それも一人当たりの付加価値額が増えないと給与は増えない。給与が増えないでうれしい社員などいないはずですね。  経営計画を立てる際には、ここで説明した必要な利益額や付加価値額から、利益率などを考慮し、さらに最小の経費を足して、必要な売上高を逆算していくのがよい方法です。そして、その売上高や利益率、経費を達成する方法を考えていくのです。つまり、「売上高─経費 =利益」と「まず売上ありき」で考えるのでなく、  「必要利益額 +最小経費 =必要売上高」  という積み上げで利益を出すように経営計画を立てる、これが正解です。現在のような厳しい時期でも同じです。会社をつぶさないための経営計画の立て方です。

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